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【改訂第2版序文】
『ヘルニアの外科』初版が発刊されてから,早いもので7 年が過ぎようとしている.この7年間で外科手術はますます低侵襲化に傾倒し,ロボット支援手術の割合が急増している.これは鼠径部ヘルニア手術においても然りであり,いまや米国では術式選択の議論が「オープン」か「ラパロ」かではなく,「オープン」か「ロボット」かに変わっていると聞く.また,ヘルニア診療における世界の方向性がまとめられ,2018 年にInternational guidelines が公表され,2023 年には早くもそのupdate がなされた.
私事であるが,1976 年に大学を卒業後聖路加国際病院に入職し,ひたすら一般消化器外科特にヘルニア手術に心血を注いできたが,2018 年に第一線を退き後人にバトンを託した.しかし不思議なものである.聞かないようにしよう,見ないようにしようと思っても,日本のヘルニア手術の動向が気になって仕方がない.ラパロやロボット云々ではなく,ヘルニアに対する普遍的な基礎知識,Nyhus やCondon をはじめとするヘルニアのパイオニアらが熱弁してきた“ヘルニア囊に沿った剝離の基本”,“good stuff を用いた筋層修復”がないがしろにされてはいないかと心配になる.また,移りゆくヘルニア診療事情を垣間見て,この『ヘルニアの外科』がすでに時代遅れになってはいないだろうか,と憂慮していた.
そんな時,南江堂から本書改訂の申し出を受けた.出版社も同じ思いを持っていたという.本書は絶版となった米国のヘルニアバイブル“Nyhus & Condon’s Hernia”を目標として,ヘルニア手術に携わるすべての外科医のために企画,製作された.Nyhus, Condon に恥じぬよう,各分野のスペシャリストに執筆いただき,押しも押されもせぬ日本のヘルニア学の高書になったものと自負している.この第2 版では,7 年の間に開発された新たな術式や刷新された分類,ガイドラインなどをすべて盛り込んでいる.また,特に話題になることの多い“術後慢性疼痛”や“ロボット支援手術”,そして“e-TEP 法”には大幅にボリュームを割いた.
ヘルニアは一水四見な疾患である.多くは単純で,手術も簡単なことが多いが,時に複雑で治療には困難を極める.また,外科医の知識や技量が不足していると大きな事故を招くことがある.最たる良性疾患であるがゆえに,完璧な治療を求められる.我々はこれに対峙し,克服しなければならない.読者が本書を開いたとき,そこには知りたかった情報が必ず見つかり実臨床に活かせる,そんなバイブルになったらいい,と切に願う.
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- Material Type
- 図書
- ISBN
- 978-4-524-20429-8
- Title
- Title Transcription
- ヘルニア ノ ゲカ
- Author/Editor
- 柵瀨信太郎, 諏訪勝仁 総編集
- Edition
- 第2版
- Author Heading
- 編者 : 柵瀬, 信太郎 サクライ, シンタロウ ( 00979261 )Authorities編者 : 諏訪, 勝仁 スワ, カツヒト ( 001280964 )Authorities
- Publication, Distribution, etc.
- Publication Date
- 2024.10
- Publication Date (W3CDTF)
- 2024