ダイオキシン類による埼玉県内都市河川の底質汚染の特徴と特異な組成を持つ発生源の特定

• Material Type: 博士論文
• Title: ダイオキシン類による埼玉県内都市河川の底質汚染の特徴と特異な組成を持つ発生源の特定
• Author/Editor: 細野, 繁雄
• Author Heading: 細野, 繁雄
• Publication, Distribution, etc.: 埼玉大学大学院理工学研究科
• Publication Date: 2016
• Publication Date (W3CDTF): 2016
• Periodical title: 博士論文（埼玉大学大学院理工学研究科（博士後期課程））
• Degree grantor/type: 埼玉大学
• Date Granted: 2016-09-23
• Date Granted (W3CDTF): 2016-09-23
• Dissertation Number: 乙第238号
• Degree Type: 博士(工学)
• Conferring No. (Dissertation): 乙第238号
• Text Language Code: jpn
• Target Audience: 一般
• Note (General): type:text; 埼玉県南東部の低地を流れる古綾瀬川では，平成10年度に環境庁（当時）が実施したダイオキシン類重点調査において，松江新橋地点で採取した底質から当時としては国内最高濃度のダイオキシン類（720pg-TEQ/g）が検出された。その後，平成14年に底質の環境基準（150pg-TEQ/g）が告示され，基準超過時の措置として，水への溶出及び巻き上げ等の低減策を実施することが同施行通知により規定された。また，対策内容の検討にあたっては，汚染の面的な広がりに加え，深度についても汚染範囲を確定する必要が明記された。本研究は，古綾瀬川の底質の汚染範囲を確定するために採取した表層及び柱状の全試料についてダイオキシン類を測定し，ダイオキシン類による底質の汚染分布や，ダイオキシン類組成の特徴を解析した。その中で，特異な組成を持つダイオキシン類の存在を確認したことを手がかりに，ダイオキシン類が河川に流入した経路や汚染原因を特定した。さらに，特異な組成を持つダイオキシン類を生成する反応経路を推定し，合成実験による検証には至らなかったものの，推定した経路の中間に生成するPCBや副生するPCTの存在を確認するなどの傍証を重ね，推定した反応経路の妥当性を確認した。第1章では，埼玉県のダイオキシン類における環境汚染問題について，経過を概説した。また，環境に排出されたダイオキシン類が最終的に集積する底質について，国内の汚染事例を紹介し，汚染の原因あるいはその推定結果，並びに一部の河川で実施された汚染対策について概説した。第2章では，古綾瀬川のダイオキシン類による底質の汚染範囲を確定するため，汚染が確認されている松江新橋を中心に，50m間隔で配置した27調査地点で採取した表層及び柱状試料，全200検体についてダイオキシン類を測定し，ダイオキシン類濃度の分布及び汚染の特徴，さらに特異な組成のダイオキシン類の存在を明らかにした。第3章では，汚染範囲の上流に接続する水路において，降雨時に水路水のダイオキシン類を測定し，同水路を介して河川に流入するダイオキシン類の量及び底質汚染の継続の可能性を評価した。また，同水路が，古綾瀬川の底質に確認された特異な組成のダイオキシン類の流入経路となっていることを明らかにした。第4章では，水路の流域に立地する化学系の工場から，放流水，排水処理施設内の汚泥等を採取してダイオキシン類を測定し，特異な組成のダイオキシン類発生源事業場を特定した。また，同工場内の製造品から，写真薬中間体として利用された2,4,6-トリクロロフェニルヒドラジン(TCPH)を原因物質と想定し，TCPHの試薬に含有されるダイオキシン類を調査して，TCPHの合成過程で特異な組成のダイオキシン類が生成することを確認した。さらに，ダイオキシン類を生成する反応経路を提案し，中間生成物(PCB155)の存在を確認して，提案した経路の妥当性を確認した。第5章では，前章で推定したダイオキシン類の生成経路において，中間にPCBが生成することから，同様の反応によってポリ塩化ターニフェル(PCT)が生成すると想定し，同工場の下水放流水や排水処理施設内の汚泥，並びに底質試料についてPCTを測定した。9塩化ターニフェルを特徴とする特異な組成を持つPCTの存在を確認し，提案したダイオキシン類を生成する反応経路の妥当性を検証した。第6章で，第2から第5章の結果を総括した。; 第1章 序論 1-11.1 はじめに 1-11.2 埼玉県におけるダイオキシン類汚染 1-11.3 ダイオキシン類による底質汚染事例 1-41.4 本研究の目的と構成 1-6参考文献 1-8第2章 古綾瀬川の底質におけるダイオキシン類の分布と組成の特徴 2-12.1 はじめに 2-12.2 底質試料の採取と測定方法 2-12.2.1 調査河川の特徴 2-12.2.2 試料の採取 2-32.2.3 ダイオキシン類の測定方法 2-32.3 結果と考察 2-42.3.1 ダイオキシン類濃度の分布 2-42.3.2 ダイオキシン類濃度と強熱減量の関係 2-72.3.3 PCDDs，PCDFs及びDL-PCBsの濃度とTEQの関係 2-92.3.4 特異な異性体組成とその分布 2-152.4 まとめ 2-17参考文献 2-19第3章 降雨時に水路を流下するダイオキシン類の組成及び接続下線への負荷量 3-13.1 はじめに 3-13.2 水路水の採取と測定方法 3-23.2.1 調査水路の概要 3-23.2.2 調査方法 3-23.2.3 ダイオキシン類の測定方法 3-53.3 結果と考察 3-63.3.1 降雨流出状況とダイオキシン類濃度の変化 3-63.3.2 河川底質への影響と流出量の推定 3-93.3.3 ダイオキシン類組成の特徴 3-103.4 まとめ 3-16参考文献 3-16第4章 特異な組成を持つダイオキシン類の発生源の特定及び生成経路の推定 4-14.1 はじめに 4-14.2 発生源試料の採取と測定方法 4-24.2.1 調査地域 4-24.2.2 試料採取 4-24.2.3 ダイオキシン類の測定方法 4-34.3 結果と考察 4-44.3.1 放流水，汚泥等に検出されたダイオキシン類 4-44.3.2 TCPH試薬試料の調製方法 4-84.3.3 TCPH試薬試料に検出されたダイオキシン類 4-104.3.4 特異な異性体の生成経路の測定 4-124.4 まとめ 4-15参考文献 4-16第5章 特異な組成を持つポリ塩化ターニフェル（PCT）の存在のその由来 5-15.1 はじめに 5-15.2 試料と測定方法 5-25.2.1 試料 5-25.2.2 測定方法 5-25.2.2.1 試薬 5-25.2.2.2 試料の調製 5-35.2.2.3 GC/MS測定 5-45.3 結果と考察 5-55.3.1 底質及び汚泥試料中のPCT濃度及び同族体組成 5-55.3.2 底質及び汚泥試料中PCTの異性体組成 5-65.3.3 特異な組成を持つPCTの生成経路の推定 5-95.4 まとめ 5-9参考文献 5-11第6章 結論 6-1発表論文等一覧謝辞（附録）; 指導教員 : 王青躍
• DOI: 10.24561/00010443; https://doi.org/10.24561/00010443
• Persistent ID (NDL): info:ndljp/pid/10959032; https://dl.ndl.go.jp/pid/10959032
• Collection: 障害者向け資料
• Collection (Materials For Handicapped People:1): テキストデータ
• Collection (particular): 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文; https://dl.ndl.go.jp/collections/A00014
• Acquisition Basis: 博士論文（自動収集）
• Date Accepted (W3CDTF): 2017-10-02T17:34:20+09:00
• Date Created (W3CDTF): 2017-07-19
• Format (IMT): application/pdf
• Access Restrictions: 国立国会図書館内限定公開
• Service for the Digitized Contents Transmission Service: 図書館・個人送信対象外
• Availability of remote photoduplication service: 可
• Periodical Title (URI): http://dx.doi.org/10.24561/00010443; http://id.nii.ac.jp/1586/00010443/
• Data Provider (Database): 国立国会図書館 : 国立国会図書館デジタルコレクション; https://dl.ndl.go.jp

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2023-09-05 再収集