Author/EditorTHODSARATPREEYAKUL, WIRANPHAT
Alternative Titleベント式射出成形を利用した高機能リサイクルPET成形品の開発
Note (General)type:Thesis
本論文は、ベントバーレル式射出成形法による射出成型時におけるペレットの予備乾燥の省略化、異種ペレットのブレンド、および長繊維のコンパウンディングをテーマとしており、5章から構成されている。次に各章の要旨を記す。 第1章では、本研究の背景と目的について述べている。その要旨は次のとおりである。回収されたpoly(ethylene terephthalate) (PET)は水洗浄と熱溶融を経て再ペレット化されリサイクルPET (RPET)となる。しかし、水洗浄工程後に水分が残存していると、熱溶融工程で加水分解反応が進行する。その結果、分子量は低下し、物性の低いRPETしか得られない。本研究では、新規に開発したベントバーレル式射出成形法を用いることにより、この問題の解決を試みた。この装置はベント口から水分を除去するだけでなく、そこから繊維を供給することにより、容易に繊維強化材料が製造可能なことが挙げられる。この方法は繊維直接投入射出成形法と呼ばれ、繊維を含んだマスターバッチペレット予め製造する必要がなく、プロセスの簡略化が実現する。本研究では、RPETに対して繊維直接投入射出成形法(DFFIM)も試みRPETの物性向上と応用範囲の拡大を図っている。 第2章ではベントバーレル式射出成形法によるポリマーブレンドについて述べている。その要旨は次のとおりである。種々の条件下でベントホールを持たない従来の射出成型法、およびベントバーレル式射出成形法により、RPET、poly(carbonate) (PC)およびRPET/PCブレンドをそれぞれの乾燥ペレット、未乾燥ペレットから試作し、得られたサンプルの混和性、モルフォロジー、熱的・機械的物性を測定した。また、ベントバーレル式射出成形法のRPET、PC、およびRPET/PCブレンドに対する脱揮発性効果を考察した。 第3章ではDFFIMについて述べている。その要旨は次のとおりである。DFFIMを用いて高機能glass fiber (GF)/PETコンポジットを製作した。GF/RPETコンポジットを製造するためにチェックリングが取り付けられたベントバーレル式射出を開発した。この装置の効果を評価するために、本装置を用いて製作したサンプルを用いて衝撃落下試験を行った。さらに、スクリューチェックリングの形状、繊維添加量がGF/RPETコンポジットの衝撃落下試験結果に対する影響を検討した。また、コンポジットの強度を決定する重要な変数を調査した。従来、界面剪断強度の正確な測定は高価で精巧な測定機を用いていた。そこで、本研究では、変更したKelly-Tyson式を用い、正確で経済的な界面剪断強度の測定法を提案した。ナノインデンテーション法による測定結果を比較することにより、変更Kelly-Tyson式を用いた測定方法の正確性を評価した。その結果、変更Kelly-Tyson式の誤差が発生する要因を明らかにし、誤差の発生を防ぐ方法を検証した。
Collection (particular)国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
Date Accepted (W3CDTF)2023-03-09T09:37:51+09:00
Data Provider (Database)国立国会図書館 : 国立国会図書館デジタルコレクション