特集成熟の年齢

• Material Type: 図書
• ISBN: 9784880654898
• Title: 特集成熟の年齢
• Title Transcription: トクシュウ セイジュク ノ ネンレイ
• Author/Editor: たばこ総合研究センター編集
• Author Heading: たばこ総合研究センター タバコ ソウゴウ ケンキュウ センター; https://ci.nii.ac.jp/author/DA00509198; 内田, 樹 ウチダ, タツル; https://ci.nii.ac.jp/author/DA00486263; 長谷川, 真理子 ハセガワ, マリコ; https://ci.nii.ac.jp/author/DA00896582; 奥野, 克巳 オクノ, カツミ; https://ci.nii.ac.jp/author/DA14354555
• Publication, Distribution, etc.: たばこ総合研究センター; 水曜社 (発売)
• Publication Date: 2020.8
• Publication Date (W3CDTF): 2020
• Size: 26cm
• Alternative Title: 成熟の年齢 : 特集
• Place of Publication (Country Code): ja
• Text Language Code: ja
• NDC 8th ed.: 051
• NDC 9th ed.: 051.3 : Nipponese serial publications
• NDC 10th ed.: 051.3 : Japanese serial publications
• Target Audience: 一般
• Note (General): "3回にわたって「人間以後の<人間>」もしくは「ポストヒューマニティ」について特集。1回目は、「成熟」をテーマに、内田樹、長谷川眞理子らにインタビューする。書物のフィールドワークも掲載。"--TRC MARCより; 書物のフィールドワーク84: p81
• Related Material: 談 : speak, talk, and think; https://cir.nii.ac.jp/crid/1130000797604507392
• Related Material (URI): https://ci.nii.ac.jp/ncid/BC02328465#entity
• Periodical Title: 談 : speak, talk, and think; https://cir.nii.ac.jp/crid/1130000797604507392
• Data Provider (Database): 国立情報学研究所 : CiNii Research
• Original Data Provider (Database): CiNii Books; https://ci.nii.ac.jp/books
• NCID: https://ci.nii.ac.jp/ncid/BC02328465 : BC02328465

• Summary, etc.: ある日気がついたら、前より少し大人になっていたという経験は、誰にもあるだろう。愛したり愛されたり、傷つけたり傷つけられたり、助けたり助けられたり…。そういうごく当たり前の人生を淡々と送っている間にいつのまにか身についた経験知・実践知の厚みや深み。私たちはそれを「成熟」という言葉で指し示しているのだ（...
• Author introduction: 内田 樹 1950年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学博士課程中退。神戸女学院大学文学部総合文化学科を2011年3月に退官。同大学名誉教授。専門は、フランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に『サル化する世界』（文藝春秋、2020）、『困難な成熟』（文庫版、夜間飛行、201...

Table of Contents

・〈成熟とは何か〉

「〈困難な成熟〉を超えて…市民的成熟を達成するために今できること」

内田樹（神戸女学院大学名誉教授。専門は、フランス現代思想、武道論、教育論、映画論）

成熟というプロセスは「それまでそんなふうに見たことのない仕方でものごとを見るようになった」「それまで、そんなものがこの世に存在するとは知らなかったものを認識した」という形をとる。武道の場合は、術技の上達というのは、たとえば「自分の身体にそんな部位があると知らなかった部位を意識できるようになり、操作できるようになっていることに気づく」という形をとる。人間的成熟も武道的上達と同じような力動的なプロセスをたどるという。成熟は、またその増減をはかることはできない。「自分はどれだけ成熟したかのか」を自己点検することはできないのだ。成熟したかを自己点検できるということは、成熟するとは何であるかを成熟するに先立って既に知っていることになるからである。

成熟は時間がかかるし、それだけの身銭を切らないと身につかない。そもそも「早く成熟する」ことに価値があるわけではない。成熟には、ある種の困難さがつきまとう。だが、それこそが成熟というものの本質でもあるのだ。あえて困難な成熟の道を選ぶこと。それはいかにして可能か。