メタデータ流通ガイドライン
「メタデータ流通ガイドライン」(Metadata Distribution Guidelines)のページです。
メタデータ流通ガイドライン:はじめに
最終更新日:2023年11月21日
1. ガイドライン作成にあたって(目的)
「メタデータ流通ガイドライン」(Metadata Distribution Guidelines)は、デジタルアーカイブ、蔵書目録をはじめとする各種データベースのメタデータ設計に関わる方が、各機関の特性に応じた適切なメタデータの作成・流通経路の選択をしていただけるよう公開したものです。
近年、図書館等が扱う情報資源は多様性を増していますが、これらの情報資源を可視化し、より広く・確実に利用者に届けるためには、情報資源の記述だけではなく、流通の過程までを考慮に入れたメタデータ設計が必要です。
本ガイドラインの最終到達点は、コンテンツの発見可能性を高めるための持続可能性のあるメタデータ流通の実現です。本ガイドラインを、メタデータの設計に関わる方に広く参照いただくことで、メタデータがより効率的に、また効果的に流通する一助となることを目指します。
本ガイドラインは、国立情報学研究所(NII)・科学技術振興機構(JST)・国立国会図書館(NDL)連絡会議の下に設けられた「メタデータの相互運用性に関する検討ワーキンググループ」において、国立国会図書館サーチ(NDLサーチ)を運用するNDLと、学術コミュニティによる円滑なメタデータ流通を目指すオープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)・これからの学術情報システム構築検討委員会・NIIが共同で作成し、ドラフト版を2022年3月に公開しました。
2. ガイドラインの構成
本ガイドラインは、大きく「本体」「別紙」の2つから構成されます。
ガイドライン本体
目次 | 内容 | 関連する参照先 |
---|---|---|
はじめに | ガイドラインの使い方や改訂サイクルを説明しています。 | ガイドラインが普及することによる目標について → <別紙1:ガイドラインが目指すもの> |
共通編 | 「タイトル」など、どの資料種別でも共通的に採用される項目を説明しています。 デジタルアーカイブの分野において必要な項目も、<共通編>で扱います。 | <共通編>の各項目の記載内容 → <共通編>「0.凡例」 |
メタデータ流通において必要となるメタデータ項目について、推奨度や流通のポイントを示しています。 | 推奨度の背景にある、本ガイドラインが考える流通に適したメタデータの要件 → <別紙2:流通に適したメタデータとは?> | |
対象スキーマの具体的な該当語彙、ガイドラインへの適用状況等を説明しています。 | 対象のスキーマ → <別紙4:ガイドラインの対象スキーマ> 対象スキーマ間の項目変換表 → <別紙5:データ一覧(対照表)> | |
資料種別編 | 「雑誌」、「研究データ」など、資料種別ごとの項目の説明です。※順次拡張※ |
ガイドライン別紙一覧
別紙1 | ガイドラインが目指すもの | ガイドラインが普及することによる目標を説明しています。 |
別紙2 | 流通に適したメタデータとは? | 推奨度の背景にある、本ガイドラインが考える流通に適したメタデータの要件を説明しています。 |
別紙3 | メタデータ流通経路 ※順次拡張※ | 本ガイドラインが想定するメタデータの流通経路を説明しています。対象となる連携機関の種別ごとに流通経路の説明を追加予定です。 |
別紙4 | ガイドラインの対象スキーマ ※順次拡張※ | 本ガイドラインが対象とするメタデータスキーマを説明しています。互換性の整理を行うスキーマは「DC-NDL(RDF)」「JPCOARスキーマ」など、順次追加予定です。 ※スキーマ同士の互換性の整理について 本ガイドラインでは、スキーマ変換の過程で生じるデータロスの削減と、相互運用性の向上の目的から、流通経路上想定されるスキーマ間の互換性の整理を行いました。互換性の整理に際しては、各スキーマがもつ目的や性質を損なわないという点も重視しました。互換性の整理は今後も継続的に実施し、対象スキーマも順次拡張します。 |
別紙5 | データ項目一覧(対照表) ※順次拡張※ | 「DC-NDL(RDF)」「JPCOARスキーマ」の互換性を整理した項目対照表です。 |
別紙6 | データ項目一覧(識別子) | データ項目のうち、識別子に関する項目の一覧です。 |
別紙7 | メタデータ構造(DC-NDL(RDF)) | DC-NDL(RDF)のメタデータ構造と、本ガイドライン作成に際して検討した、DC-NDL(RDF)の今後の構造について説明しています。 ※DC-NDL(RDF)は今後改訂予定。また、NDLサーチでの対応も準備中です。 |
3. 本ガイドラインの使い方
本ガイドラインは、「メタデータ提供機関がどのようなスキーマでデータを出力すべきか」といったような、統一的なスキーマの採用を強制するものではありません。ご自身の機関の特性に応じて、本ガイドラインを選択的にご利用ください。
例えば次のように使っていただくことを想定しています。
(1)新しくデジタルアーカイブを構築する
→ <共通編>へ
流通に際して必要な項目を掲載しています。推奨度に応じてメタデータ設計を検討ください。
また、例えばデジタルアーカイブに特徴的な資料種別がある場合は、<共通編>以外に、<資料種別編>もご参照ください(順次拡張中)。
(2)他システムとの連携を考えている
システム内部で保持されるメタデータのスキーマ(MARC、独自フォーマットなど)は、メタデータを提供する機関によって様々です。連携に際しては、そこからメタデータをどう出力するかを設計する必要があります。
→ まずは<別紙3:メタデータ流通経路>へ
各機関の特性に応じて、効率的な流通経路が存在している場合があります。
どのルートで連携するのが効率的か、その場合に選択するとよいメタデータスキーマは何か?まずは別紙からご参照ください。
※流通経路は、順次整理し、説明を拡張していく予定です。
→ そして<共通編>へ
(3)システムリニューアルに際して、メタデータ入力ルールの見直しを考えている
→ 流通を検討されている場合、まずは<別紙3:メタデータ流通経路>へ
→ そして<共通編>へ
(4)そもそも、メタデータの流通とは?
→ <別紙1:ガイドラインが目指すもの>へ
このガイドラインが想定するメタデータ流通について、本ガイドラインの目標と合わせ説明しています。
4. ドラフト版公開に際して
2022年3月公開のドラフト版では、図書館等で扱われる可能性のある資料種別やメタデータの提供機関から対象を絞り、次の2点を重点的に検討しました。
- デジタルアーカイブ及び図書資料を中心とする
- 学術機関等からの流通経路を念頭に、国立国会図書館サーチのメタデータフォーマットである「DC-NDL(RDF)フォーマット仕様(バージョン2.0)」と、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)が策定した「JPCOARスキーマ(バージョン1.0.2)」を対象とする
この他の資料種別やメタデータスキーマを対象とした説明は、今後の改訂で充実させていく予定です。ガイドラインの改訂については「5. 本ガイドラインの改訂サイクル」をご覧ください。
ドラフト版の検討範囲は限定的ですが、早期に公開することで、広くご意見をいただき、今後の検討に活かすことを企図しています。
本ガイドラインの改善に関するご意見があれば、お問い合わせのページよりお寄せください。
5. 本ガイドラインの改訂サイクル
本ガイドラインは、公開後にいただいたフィードバックの反映と、それに関わるスキーマの改訂、システム的な対応にかかる時間を考慮し、次の図のとおり改訂のサイクルを回していきます。
①ガイドライン公開
ガイドラインを公開します。この段階ではまだシステム的な対応やメタデータスキーマの改訂は行われておらず、予告的な内容は、その旨を明示した上で記載しています。
② メタデータスキーマ改訂
公開後のフィードバック等をふまえながら、ガイドラインの記載に合わせて、JPCOARスキーマやDC-NDLなどの各種スキーマを改訂します。
③ システム対応
①、②に応じて、IRDBやNDLサーチなどのシステムを改修します。
④ メタデータ流通
IRDBやNDLサーチのシステム対応後、ガイドラインに準拠したメタデータが流通します。④以降のフィードバックは次回ガイドライン改訂に反映させます。
⑤ ガイドライン改訂
①~④までのフィードバックを受けてガイドラインの改訂を行います。改訂版が公開されたのち、同様のサイクルによってフィードバックを受け付け、改善を重ねていきます。
(1)改訂スケジュールについて
改訂サイクルの1巡目は、次のようなスケジュールを予定しています。
※システム開発の状況によって変更となる可能性があります。
2022年3月 | ①ガイドライン(ドラフト版)公開 |
2022年4月~ | ②メタデータスキーマ改訂 ③システム対応 |
2023年4月~ | ④メタデータ流通 |
2024年4月~ | ⑤ガイドライン改訂 |
ガイドライン適用のロードマップ(予定)は次のとおりです。
(2)今後の拡張予定
今後の本ガイドラインの拡張の方向性は次のとおりです。
①資料種別編の追加
今後、次のような資料種別について順次追加し、充実を図っていく予定です。
②デジタルアーカイブ以外のデータベースを対象とした記述の充実
今後の改訂では、蔵書目録や研究データなど対象とするデータの幅を広げるとともに、対象とする機関としては公共・専門の各種図書館など、多くの場合に適用できるガイドラインを目指していきます。
6. 本ガイドラインの改訂履歴
各ガイドラインの改訂履歴と改訂内容は、改訂履歴のページをご確認ください。