邦楽(日本の伝統音楽・民俗音楽)の調べ方
更新
音楽・映像資料室 作成
邦楽(日本の伝統音楽・民俗音楽)を調べるための参考資料をご紹介します。
なお、民謡については『日本民謡大観』・『日本民謡集(録音集)』についてもご参照ください。
掲載は刊行年順、【 】内は当館請求記号です。所蔵状況については国立国会図書館サーチでご確認ください。
1 事典・辞典
- 渥美清太郎 編『邦楽舞踊辞典』(冨山房 1956 【768.033-A961h-(1956)】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
昭和13(1938)年刊行の初版に増補する形で、昭和31(1956)年当時に現存していた日本舞踊曲及び邦楽各曲を解説しています。巻頭に各種目についての概説があります。 - 早稲田大学演劇博物館 編『演劇百科大事典』 全6巻(平凡社 1960-1962 【770.33-E742-W】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
歌舞伎等日本の舞台芸能に関する人名・作品名の詳細な項目があります。 - 田辺尚雄『邦楽用語辞典』(東京堂出版 1975 【KD2-53】)
邦楽のあらゆる分野から用語・楽器・流派等の事項を採録し、簡潔に説明しています。 - 『邦楽百科辞典 : 雅楽から民謡まで』(音楽之友社 1984 【KD2-128】)
古代から現代までのすべての種目の音楽を対象とし、各種目の人名・曲名・書名・用語を説明しています。 - 須藤豊彦 編『日本歌謡辞典』(桜楓社 1985 【KG2-81】)
上代から昭和20(1945)年(特に歌謡史上必要と思われるものについてはそれ以後のものも収録)までの歌謡に関する1,651の項目(書物・人物・曲目・一般事項)を解説しています。付録として、各種索引(書名・曲名・人名)、「分類別項目一覧」(時代区分等の分類名を項目立て)、「曲目検索便覧」(「歌謡書目内容一覧」で取り上げられている曲の索引)及び「歌謡書目内容一覧」、「日本歌謡史年表」があります。 - 『日本音楽大事典』(平凡社 1989 【KD2-E16】)
「事項編」「人名編」「曲名編」の3編で構成されており、「事項編」は、「総記」「楽器」「古代・中世音楽」「近世・近代音楽」の4章に分けて解説しています。巻頭にカラー年表(「日本音楽のながれ」)、巻末に曲目表・系図・点字記譜法・楽器分類表及び総索引があります。 - 『邦楽曲名事典』(平凡社 1994 【KD2-E49】)
『日本音楽大事典』【KD2-E16】の「曲名編」の全項目について改訂を行い、独立させたものです。巻末に曲名(異称・別称を含む)・作曲者名索引、曲名の頭字の漢字画数索引があります。 - 郡司すみ 編『日本伝統楽器小辞典』(エイデル研究所 2006 【KD2-H49】)
江戸時代までに日本固有の楽器として存在していたと考えられるものを項目対象とし、音を出す道具や玩具等も取り上げています。項目内に「語源」「慣用」「構造」等の下部項目が設けられています。巻末に参考文献があります。 - 『日本音楽基本用語辞典』(音楽之友社 2007 【KD153-H11】)
14の分野(一般用語、雅楽、仏教音楽、琵琶楽、能・狂言、三味線音楽、歌舞伎囃子、地歌、筝曲、尺八音楽、民謡、民俗芸能、沖縄・奄美の音楽、アイヌの音楽)ごとに、「概要」「種類」等の章単位で用語を解説しています。巻末に譜例・図表一覧および全体の索引があります。
2 解説書
- 吉川英史『日本音楽の歴史』(創元社 1965 【768.02-Ki142n】)
「原始民族音楽時代」(~4世紀)から「民族音楽興隆時代-第二次大戦以後-」までの8つの時代に区分し、各時代における種目間相互の関係性について、図版を豊富に用いて記述しています。巻末に「日本音楽年表」及び索引があります。 - 『音楽大事典 4(ト~フ)』(平凡社 1982 【KD2-101】)
項目名「日本」(1726~1749頁)で、「歴史」「分類」「理論と演奏」「伝承と享受」「研究史」に分けて解説しています。 - 『ニューグローヴ世界音楽大事典 第12巻』(講談社 1994 【KD2-G49】)
項目名「日本」(207~257頁)で、「総論」「宗教音楽」「宮廷音楽と劇場音楽」「楽器とその音楽」「記譜法」「民俗音楽」「明治以降(1868~)の音楽」に分けて解説しています。 - 小島美子 監修,日本芸術文化振興会国立劇場調査養成部 企画・編集『日本の伝統芸能講座 音楽』(淡交社 2008 【KD22-J5】)服部幸雄 監修,日本芸術文化振興会国立劇場調査養成部 企画・編集『日本の伝統芸能講座 舞踊・演劇』(淡交社 2009 【KD22-J12】)
『音楽』篇には「古代の歌謡」や「平家」等の項目があり、『舞踊・演劇』篇には「延年」や「幸若舞・曲舞」等の項目があります。『舞踊・演劇』篇の巻末には『音楽』篇と共通の「日本芸能史年表」、「重要無形文化財保持者(芸能の部)リスト(平成20年11月現在)」、「総合索引(事項・人名)」があります。 - 田中悠美子,野川美穂子,配川美加 編著『まるごと三味線の本』(青弓社 2009 【KD174-J2】)
三味線について、地歌、長唄、義太夫節等の種目ごとに歴史と特色を解説しているほか、「日本全国三味線紀行」、「三味線を演奏してみる」、「ハードウェアとしての三味線」などの章があります。 - 田中健次『図解日本音楽史』(増補改訂版 東京堂出版 2018 【KD154-L7】)
「日本音楽のあらまし」「雅楽」「声明」といった主題別に項目を設け、図版・表を用いた見開き2頁で簡潔に解説しています。巻末に五十音順の参考文献及び索引があります。2008年刊の『図解日本音楽史』【KD154-J2】に、「沖縄音楽」と「近代(明治、大正、昭和)の音楽」の章を加え、「能の所作」の項目に加筆しています。 - 福井昭史『よくわかる日本音楽基礎講座 : 雅楽から民謡まで』(増補・改訂版 音楽之友社 2020 【KD153-M2】)
「日本の音楽とその種類」「日本の音楽・概要と鑑賞」「日本の音楽・その特質」「学校教育と日本の音楽」の4章で構成されており、図表や楽譜を豊富に用いて解説しています。資料一覧として「日本の楽器」「日本音楽の用語集」「参考文献」が収録されています。2006年刊の『よくわかる日本音楽基礎講座 : 雅楽から民謡まで : わたしたちの文化を知ろう、伝えよう』【KD153-H10】に、新学習指導要領の日本音楽の項目等を追加しています。
3 目録類
- 音楽文献目録委員会 編『音楽文献目録』(音楽文献目録委員会 1973~2019)
年1回発行で、昭和42(1967)年以降に公表された音楽文献(修士博士論文を含む)を、一部要旨とともに著者名順に掲載しています。「日本の音楽」に関する文献は、第20集(1992年)以降、「一般(概論・通史他)」「1400(応永7)年頃までに成立した音楽(含伝承)」「1600(慶長5)年頃までに成立した音楽(含伝承)」「1868(明治1)年頃までに成立した音楽(含伝承)」「近代・現代」「民俗音楽・民謡」に細分類されています。各巻末に事項と人名の索引があります。また、平成4(1992)年までの総合索引『音楽文献目録索引 1-20(1973-1992)』【KD1-H17】があります。
冊子版未収録及び2019年以降の文献は、音楽文献目録オンライン(当館契約のデータベース:館内限定)に収録されています。 - 岸辺成雄博士古稀記念出版委員会 編『日本古典音楽文献解題』(講談社 1987 【KD1-M2】)
昭和59(1984)年7月31日まで(一部その後の情報を補追した記事もあり)に発行された文献を、広く(古文献から明治以降の研究書やレコード等録音物まで)収載しています。付録として、「研究の手引」、「分類別項目索引」があります。 - 『ニューグローヴ世界音楽大事典 別巻 2』(講談社 1994 【KD2-G49】)
原書"The New Grove Dictionary of Music and Musicians"【KD2-A11】の各項目に付されているBibliography(参考文献)に、日本で出版されている文献及び原書刊行以降の外国語文献の中から重要と思われるものを追加・補充して紹介しています。「日本」の項目については、564~569頁にあります。 - 『読書案内伝統芸能を知る本』(日外アソシエーツ 2000 【KD1-G31】)
日本で刊行された伝統芸能に関する文献について、「伝統芸能全般」「音楽」「舞踊」「演劇」「大衆芸能」「郷土芸能」の6分野に分け、刊年の新しい順に配列しています。また、分野ごとに重要と思われる事項・人物に小見出しを設け解説しています。巻末に事項名索引があります。 - 『日本の伝統芸能 (「知」のナビ事典)』(日外アソシエーツ 2017 【KD1-L26】)
主に2000年以降に発行された日本の伝統芸能の参考図書を紹介しています。小見出し内に「ユネスコ世界無形文化遺産及び国の重要無形文化財の指定」の情報が新たに付加されています。
4 関連サイト
名称の末尾に★を付しているものは一部の資料の音源を聞くことができます。ウェブページの最終アクセス日は2023年11月2日です。
- 日本芸術文化振興会
蔵書検索のページにて、同振興会所属の国立劇場、国立文楽劇場、国立能楽堂、新国立劇場で所蔵する図書・視聴覚資料を調べることが出来ます。また、「文化デジタルライブラリー」の「舞台芸術教材で学ぶ」のページでは、「雅楽」「能楽」「歌舞伎」「文楽」「演目解説」「大衆芸能」「琉球芸能」「日本の伝統音楽」について説明ページを設けているほか、「収蔵資料を見る」のページでは、国立劇場が所蔵する錦絵や国立能楽堂が所蔵する能楽資料、国立文楽劇場が所蔵する文楽資料(番付)等の画像が公開されています。 - 日本音楽についての文献案内(お茶の水女子大学)
日本音楽の研究の基本文献となる文献・楽譜・音源資料の一覧です。「総合」「古代」「中世」「近世」「近・現代」に分かれ、各区分をA「はじめての人に(入門のための文献)」、B「もっと知りたい人に(やや専門性の高い文献)」、C「本格的に学びたい人に(専門性の高い文献)」の3段階に分けて紹介しています。 - 京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター★
「伝音アーカイブズ」では、同センターの研究成果である目録・年表・論文などの紹介がされています。また、収蔵資料検索データベースのほか、SPレコードに特化したデータベースも公開されており、一部のSPレコードについては、レーベル画像と音源も公開されています。 - 歴史的音源★(国立国会図書館)
1900年代初めから1950(昭和25)年頃までに国内で製造されたSP盤及び金属原盤等に収録された、音楽・演説等の音源をデジタル化したもの約5万点を提供しています。
※音源の元となったSP盤及び金属原盤等は、当館では所蔵しておりません。 - 浪曲SPレコード デジタルアーカイブ★(国際日本文化研究センター)
同センターが所蔵する明治30年代から昭和30年代までに出版された浪曲(浪花節)SPレコード約1万枚のデジタルアーカイブです。音源とレコードの盤面画像のほか、ポスター等の関係資料も収録しています。