大衆演芸について調べる

日本の演芸について調べるためのツールを紹介します。ここでの演芸とは、1人または少人数で寄席などを中心に演じられる大衆的な芸能のことを指します。なお、個々の芸種について調べる際には、2. 個別の芸種について調べるだけではなく1. 演芸全般について調べるの全般的・横断的な調べ方も参照することで参考となる情報が見つかる場合があります。

【】内は当館請求記号です。

1.演芸全般について調べる

1-1. 辞典・事典類

  • 演劇博物館 編『芸能辞典』(東京堂 1953 【770.33-W46g】)
    「巷間芸能」の項目で、芸の名称やジャンル・人名を調べることができます。
  • 早稲田大学演劇博物館 編『演劇百科大事典』全6巻(平凡社 1960~1962 【770.33-E742-W】)
    落語や講談など各演芸に関する人名や作品名を網羅的に収録し解説しています。第6巻には世界演劇年表や芸能各流派系譜、物故者一覧、索引などがあります。
  • 大阪府立上方演芸資料館 編『上方演芸大全』(創元社 2008 【KD815-J19】)
    上方における漫才・落語・喜劇・浪曲・諸芸など演芸各分野の歴史や、関連する劇場・寄席などの施設について記述しています。漫才師、落語家、浪曲師約120名が掲載されており、巻末には五十音順の索引があります。資料編では主な賞の受賞一覧や年表を掲載しています。
  • 森西真弓 編『上方芸能事典』(岩波書店 2008  【KD2-J9】)
    上方の落語・講談・漫才・浪曲・喜劇などに関する人名や事項、地名などを五十音順に収録しています。巻末に人名索引、事項索引、地名索引があります。
  • 『音楽・芸能賞事典』(日外アソシエーツ 1990-2002 【KD2-E20】)
    「落語」または「演芸」の項目から国内で主催されている主要な賞やコンクールを調べることができます。賞の趣旨や歴代受賞者などを確認することができ、受賞者名索引では個人の受賞歴(受賞年順)で一覧できます。五十音別賞索引、主催者別賞名索引があります。
  • 文化デジタルライブラリーLeave the NDL website. (日本芸術文化振興会)
    「舞台芸術教材で学ぶ」>「大衆芸能」Leave the NDL website. のページで、「落語」「講談」「浪曲」「漫才」「太神楽」「奇術」など、諸芸の特徴や主な演目(種類)などを解説しています。

1-2. 参考図書・作品集を探す

1-2-1. 目録で探す

総合
参考資料・研究文献
  • 『映画・音楽・芸能の本全情報』(日外アソシエーツ 1997-2005)
    1945-94年版・1995-99年版・2000-04年版があります。「演芸」の項目で、演芸に関する事典・辞典、人名事典などを探すことができます。
  • 『音楽・芸能レファレンスブック』(日外アソシエーツ 2016 【KD1-L23】)
    1990年~2016年6月に、国内で刊行された音楽・芸能に関する参考図書を収録しており、「演芸」の項目で「落語」「マジック・奇術」の資料を探すことができます。巻末には書名索引、著編者名索引、事項目名索引があります。
  • 『読書案内伝統芸能を知る本』(日外アソシエーツ 2000 【KD1-G31】)
    「大衆芸能」の項目で、大道芸、万歳、猿回し、講談、落語、浪曲、色物、奇術、曲芸など、37項目に分類して参考図書を紹介しています。
  • 織田紘二「大衆芸能主要研究文献目録」(『国文学 : 解釈と鑑賞』52(3) 1987年3月 pp.173-181 【Z13-333】)
    原則として1945年以降に刊行された大衆芸能全般や芸能各分野(落語、講談、漫才、浪花節、手品、奇術など)の研究書を一覧することができます。
作品・速記本

落語や講談などの話芸は、口演を速記で記録した速記本が刊行されました。講談の場合は講談本とも呼ばれます。

  • 『古典芸能作品集内容総覧』(日外アソシエーツ 2010 【KD1-J18】)
    1949年から2009年までに国内で刊行された古典芸能関連の作品集の収録内容を調べられます。「落語」「講談」の項目で関連資料を探すことができるほか、作者名索引、作品名索引から引くこともできます。
  • 三代目旭堂小南陵 著『明治期大阪の演芸速記本基礎研究』(たる出版 1994 【UE17-G7】)
    明治期に上方で発行された速記本を対象に、「出版各社の発行書目」と「速記本総目録」を収録し、書名や口演者、速記者、出版社を確認することができます。附録に「東京速記本目録」があり、東京で発行された講談、落語、浪花節の速記本が確認できます。
  • 三代目旭堂小南陵 著『明治期大阪の演芸速記本基礎研究 続』(たる出版 2000 【UE17-G1】)
    上記資料の続編として、講談や落語のあらすじを収録しています。
  • 吉沢英明 編著『講談明治期速記本集覧 付落語・浪花節』(吉沢英明 1995)※当館所蔵無し
    編著者所蔵資料のうち明治期に刊行された講談速記本を書名または演題名の五十音順で列記し、演者名や筆者名、速記者名、発行元、刊行年などが確認できます。また、共通演目が多い落語や浪花節も収録対象としています。

1-2-2. 国立国会図書館サーチで探す

国立国会図書館サーチで、キーワード欄に各演芸の名称や「大衆演芸」「芸能」「話芸」などの用語を、詳細検索画面の件名欄に「大衆演芸」「大衆芸能」等と入力することで、大衆演芸等に関する当館所蔵資料を検索できます。

ノイズが多い場合は、国立国会図書館分類表(NDLC)、日本十進分類法(NDC)を入力して検索することで絞り込むことができます。

なお、演芸に関する主なNDLCとNDCの分類記号は下記のとおりです。

NDLC
  • KD22(芸能一般 日本)
  • KD811(演芸)
  • KD814(演芸史)
  • KD815(演芸史 日本)
  • KD831(講談・落語・漫談・漫才)
  • KD836(浪花節)
  • KD851(サーカス〔曲芸,軽業,動物芸〕)
  • KD856(奇術)
  • KG242(噺本)
  • KH16(作品集(講談・落語))
NDC
  • 779 大衆演芸
  • 779.1 寄席
  • 779.12 講談
  • 779.13 落語
  • 779.14 漫才・漫談
  • 779.15 浪曲
  • 779.3 奇術
  • 779.4 見世物、パノラマ
  • 779.5 サーカス:曲芸、軽業、動物芸
  • 779.7 門付、演歌、大道芸
  • 913.59 噺本:醒睡笑
  • 913.7 講談・落語本、笑話集

1-3. 雑誌記事・論文を探す

  • 吉沢英明 編『講談・落語等掲載所蔵雑誌目次集覧 : 大正期』(吉沢英明 1994 【KD1-G35】)
    大正期の雑誌101タイトル(845冊)を五十音順に列記し、各号に収録された講談や落語などの演題と演者名、演芸関連記事の場合は記事タイトルと執筆者名を調べることができます。

下記のデータベースから、各芸種に関する研究論文を検索できます。

1-4. 音源を探す

  • 歴史的音源(国立国会図書館)
    1900年~1950年頃までに国内で製造されたSP盤などに録音された音源をデジタル化して提供しています。キーワード検索や作品タイトル、ジャンルから検索できます。ジャンルを「落語」「漫談、漫才」「浪曲」「講談」「演劇、演芸」に指定し、人名や年代で絞り込み検索することもできます。また、国立国会図書館サーチの絞り込み条件を開き、項目追加をクリックしてコレクションを追加し、「歴史的音源」に指定して検索することもできます。
    ※インターネット公開されている音源と、国立国会図書館内・歴史的音源配信参加館内のみに公開している音源とがあります。
  • 国立国会図書館サーチ
    絞り込み条件を開き、資料形態を「記録メディア」に指定し、キーワードを入力して検索すると、当館所蔵資料から録音資料や映像資料を探すことができます。より詳しい検索方法・利用方法については「録音・映像関係資料」を参照してください。

1-5. 人物を調べる

以下の資料から、人物情報を調べることができます。一部の資料については日本人名情報索引(人文分野)で人物名から検索することもできます。また、所属団体のホームページで紹介されている場合があります。

  • 『日本人物レファレンス事典 芸能篇2 (伝統芸能)』(日外アソシエーツ 2014 【GB12-L17】)
    落語家・講談師・浪曲師の略歴と各種事典での掲載箇所を確認できます。
  • 『東京かわら版』(東京かわら版 1974- 【Z8-B645】)
    寄席芸人の情報を調べることができます。1998年版~2010年版は、各年4月号(1998年版、2000年版は5月号)の増刊号または合併号として発行されている『寄席演芸年鑑』に「寄席芸人プロフィール」「寄席演芸名鑑」「寄席芸人名鑑」の名称で収録されています(なお、2005・2007・2008・2010年版は「補足分」のみ掲載しています)。
    2011年版以降は増刊号として以下の名鑑を発行しています。なお、『東西寄席演芸家名鑑』は関東・関西で活躍している寄席芸人、その他の名鑑では関東で活躍している寄席芸人を対象としています。
    • 『寄席芸人写真名鑑』(2011年版、(453):2011.8) ※2012年版((461):2012.4)に補足分を収録
    • 『寄席演芸家名鑑』(2013年版、(480):2013.10)
    • 『東都寄席演芸家名鑑』(2019年版、(545):2019.1)
    • 『東西寄席演芸家名鑑』(2015年版、(504):2015.9)
    • 『東西寄席演芸家名鑑2』(2021年版、(578):2021.9)
  • 『新撰芸能人物事典 : 明治~平成』(日外アソシエーツ 2010 【KD9-J20】)
    明治から平成までの芸能関連の人物を調べることができます。「寄席演芸」の項目があり、生没年や経歴、受賞歴のほか、主要な伝記資料を確認できます。別名・グループ名索引があります。
  • 倉田喜弘, 藤波隆之 編『日本芸能人名事典』(三省堂 1995 【KD2-E59】)
    古代から現代までの日本の芸能関連の人物(来日外国人・海外で活躍した日本人を含む)約7,500名を調べることができます。見出し人名の五十音順で排列しており、文化勲章・人物功労者・人間国宝一覧・人名索引があります。
  • 文化デジタルライブラリーLeave the NDL website. (日本芸術文化振興会)
    「公演記録を調べる」>「演芸・大衆芸能」>「人名で探す」Leave the NDL website. のページで、1979年以降に国立演芸場や国立文楽劇場で上演された演芸・大衆芸能公演の自主公演に出演した人物の出演情報や改名歴を知ることができます。

1-6. 歴史・年表・公演記録を調べる

  • 倉田喜弘, 林淑姫 著『近代日本芸能年表』上、下(ゆまに書房 2013 【KD2-L6、-L7】)
    上巻「舞台芸能」の項目で、1853年~1952年に舞台で上演された落語、講談、浪曲、大道芸などの芸能一般に関する事項や、芸能史および社会史に関わる出来事を年表形式で掲載しています。下巻では1909年~1952年に発売されたレコードや、1922年~1952年のラジオで放送された演目や出演者、1853年~1952年の物故者を収録しています。下巻末に人名索引、作品名索引があります。
  • 倉田喜弘 編『明治の演芸』全8巻(国立劇場調査養成部芸能調査室 1980 【KD815-34】)
    明治時代の演芸に関する新聞記事を翻刻して収録しています。各巻末には人名索引があります。
  • 『日本芸能事典 : 50年の記録』(日外アソシエーツ 2008 【KD2-J5】)
    1958年~2007年を対象に、演芸を含む日本の各芸能分野における作品の公開・上演、受賞・勲章、名跡襲名、動員・売上、視聴率などのヒット記録、訃報、世相・流行語などの出来事を年月日順で収録しています。分野別索引、人名索引から引くこともできます。
  • 井上宏 編『放送演芸史』(世界思想社 1985 【KD861-7】)
    大阪で放送されたラジオ・テレビ番組の変遷を放送局ごとに紹介しています。出演者や年間出演回数、番組名や放送日を確認できる場合もあります。また、1925~1980年の放送と演芸に関わる出来事をまとめた「放送演芸史年表」が収録されています。巻末には人名索引と番組索引があります。
  • 『寄席演芸年鑑』
    『東京かわら版』(東京かわら版 1974- 【Z8-B645】)では、1998年以降、各年4月号(1998年版、2000年版は5月号)を増刊号または合併号として発行し、演芸界の1年の出来事を年表形式で掲載しています。また、その年の笑芸関係の物故者や発売されたAV演芸メディア、出版された演芸本リストを確認することができます。
  • 日本芸能・演劇 総合上演年表データベースLeave the NDL website. (立命館大学アート・リサーチセンター)
    上演年や興行者名、上演場所、芸種、演目名、役名などの検索や、明治時代の興行記録を参照することができます。
  • 文化デジタルライブラリーLeave the NDL website. (日本芸術文化振興会)
    「公演記録を調べる」>「演芸・大衆芸能」Leave the NDL website. のページで、1979年以降に国立演芸場や国立文楽劇場で上演された演芸・大衆芸能公演の自主公演に関する情報を調べられます。「公演シリーズ・年月」、「演目」、「人名」、「グループ名」から検索でき、公演名、開催期間、会場、演目、演者、視聴覚資料の有無などが確認できます。1979年~1996年に実施した公演については、国立劇場調査養成部情報システム室 編『国立劇場30年の公演記録 演芸・大衆芸能公演篇』(日本芸術文化振興会 1999 【KD11-G18】)で確認することもできます。公演タイトル索引、演目タイトル索引、出演者索引があります。

1-7. 産業としての動向を知る

リサーチ・ナビ「舞台芸術業について調べるには」を参照してください。

2. 個別の芸種について調べる

落語・講談・浪曲は互いの演目を上演することも多くあるため、他の芸種の演目事典等が参考になる場合があります。

国立国会図書館サーチで検索する際は、キーワード欄に「落語」「講談」「浪曲」など1つのワードのみを入力するよりも、「講談△左甚五郎」(△はスペース)というようにキーワードを増やして検索をするとノイズが減ります。

また、分類記号(NDLC、NDC)を入力して検索する方法もあります。詳しくは1-2-2. 国立国会図書館サーチで探すを参照してください。

2-1. 落語

2-1-1. 全般・歴史

  • 山本進 著『図説落語の歴史』(河出書房新社 2006 【KD831-H229】)
    落語の変遷の歴史を、図版と合わせて解説しています。巻末に「落語史略年表」があります。
  • 『大衆芸能資料集成』第4巻「寄席芸. 1 落語」(三一書房 1981 【KD811-8】)
    落語に関する台本を収録しています。底本の書誌や作品の簡単な解説も掲載されています。
  • 山本進 編『落語ハンドブック 第3版』(三省堂 2007 【KD831-H327】)
    演目、演者、歴史、寄席のしくみについて簡単に解説されています。また、「現代の落語家」、「現代落語家一覧」、「おもな落語関係書一覧」などのほか、用語や年表が掲載されています。
  • 古典芸能研究会 編『現代落語事典 新版』(光風社出版 1988 【KD2-E7】)
    「寄席芸能編」では楽屋符丁、楽屋ことば、習慣、落語家(噺家)の身分、服装、演出、寄席の囃子の出典などを紹介しています。「噺家代々編」には噺家の初代から現在までの変遷が確認でき、「落語演題編」では話の聴き所や、その話を得意にしている噺家を解説しています。項目索引があります。
  • 岡田則夫 編『落語研究資料解題 明治~平成』(日外アソシエーツ 2016 【KD1-L20】)
    著者の所蔵資料のうち、明治から2015年までに発行された落語に関する図書や、明治時代の速記雑誌『百花園』掲載の落語演目、実演SPレコードのデータを収録しています。図書は「落語研究」、「自伝・評伝・芸談」、「速記・作品集・全集」などに分類され、内容や解題を確認することができます。SPレコードは、演者の最終芸名の五十音順で収録しています。演目索引、演者索引(芸名の五十音)、著者名索引があります。

2-1-2. 音源を探す

  • 保田武宏 著『ライブラリー落語事典 東京編』(弘文出版 1982 【KD2-118】)
    東京落語を対象に速記本、LPレコード、カセットテープの一覧とともにあらすじや解説が確認できます。速記本は、大正年間発行の『円朝全集』と、1927年から1981年12月までに発行した単行本を対象としています。また、1981年12月までに発売されたLPレコード(LPに復刻されたSPレコードを含む)と、カセットテープを収録しています。なお、明治以後の新作落語は古典化されたものを除いて対象外としています。
  • 都家歌六 著『落語レコード八十年史』上巻、下巻(国書刊行会 1987 【KD831-E5】)
    明治~昭和にかけて落語界に関わるSPレコードやLPレコードの歴史を概観することができます。上巻では、レコード会社別に販売された落語レコードを列挙し、発売年月日、演者、レコードタイトル、レコード番号を調べることができます。また、「各社落語LP第一号」と「落語LPレコード演者別一覧」、「東西寄席芸人没年表」が収録されています。下巻では、著名な噺家と色物の演者の紹介に加え、発売したレコードを確認することができます。噺家によってはレコードから書き起こした文句や肖像写真、レコードの盤面も掲載しています。巻末には演者別索引と演題別索引があります。
  • ビクター伝統文化振興財団 編『芸能レコード目録』全7巻(ビクター伝統文化振興財団 1994~2000 【YM2-H880~H886】)
    ビクターが発売した邦楽レコードの目録です。「演芸」に関するレコードが収録されているのは第1巻~第4巻、第7巻で、戦前期~1977年を対象に収録しています。各巻それぞれ「表題目録」と「主演者目録」で構成され、「表題目録」では「演芸」の項目で「講談」「落語」「浪曲」「その他の演芸」に分類して収録しています。主演者、曲目、助演者、レコードタイトル、レコード番号、発売年月日を確認できます。第2巻以降は巻末に曲目索引があります。
  • 倉田喜弘 著, 国立劇場芸能調査室 編『演芸レコード発売目録』(国立劇場 1990 【KD1-E21】)
    1909~1945年に国内で作られたレコードを調べることができます。落語、万歳・漫才、声色・物真似、講談、浪花節など10項目で分類し、発売順に掲載しています。発売年月日、演題、吹込者、作者等、レコード会社、レコード番号が確認できます。
  • 国立劇場調査養成部資料課 編『国立演芸資料館所蔵演芸レコード目録』(日本芸術文化振興会 1991 【KD1-M13】)
    国立演芸資料館が所蔵しているレコードを調べることができます。1979年3月~1991年3月までに収集したSPレコードまたはLPレコード2,956枚を収録し、レコードタイトル、演者、レコード番号、レコード会社、レコード番号を確認することができます。

そのほか、国内で発売されたレコード、CD、カセットテープの出版情報についてはリサーチ・ナビ「録音資料の出版情報(国内)を調べる」を参照してください。

2-1-3. 演目を調べる

落語の演目について調べる事典類を紹介します。

  • 稲田和浩 編『落語演目・用語事典』(日外アソシエーツ 2021 【KD2-M33】)
    「演目事典」では633本の演目名を五十音順で排列しており、あらすじや解説、主な登場人物など調べることができます。また、「落語・寄席用語」や「用語事典」を収録しています。登場人物や描写から引ける「キーワード索引」もあります。
  • 川戸貞吉 著『落語大百科』全5巻(冬青社 2001~2002 【KD831-G210、-H8】)
    演目名の五十音順で排列されています。あらすじと簡単な解説、落語家の逸話も確認できます。巻末に注釈と各巻の「掲載演目一覧」があります。
  • 東大落語会 編『落語事典 増補』(青蛙房 1994 【KD2-E56】)
    演目名の五十音順で排列され、落語のあらすじと解説を収録しています。また、その話が掲載されている速記本や、原話、作者を確認することもできます。追補としての「附 落語事典-長編人情噺・文芸噺編」は、吉田章一 著『江戸落語便利帳』(青蛙房 2008 【KD831-J15】)に収録されています。
  • 吉田章一 著『江戸落語便利帳』(青蛙房 2008 【KD831-J15】)
    江戸事物を20のテーマごとに解説し、テーマごとに関連落語を調べることができます。「江戸事物索引」、「落語演題索引」があります。
  • 永田義直 編著『古典落語鑑賞事典』(金園社 1969 【KD2-6】)
    あらすじ、参考小咄、解説を収録しています。巻末に「寄席ことば選集」と索引があります。
  • 飯田泰子 著『江戸落語事典 : 古典落語超入門200席』(芙蓉書房出版 2017 【KD2-L60】)
    明治期までに完成したものを中心に、古典落語200本を関連図とともに紹介しています。事項名から引ける索引と、人物索引があります。
  • 瀧口雅仁 著『古典・新作落語事典』(丸善出版 2016 【KD2-L49】)
    古典落語と呼ばれる江戸・東京落語と、新作落語のうち約700編を五十音順に排列しており、あらすじと解説のほか、演目の特徴を季節や噺の内容で分類した「種別」と「別題」を収録しています。巻末に「落語江戸歴史地名事典」、「種別索引」、「検索ワード索引」があり、落語の舞台や登場人物、動植物、食べ物などから調べられます。
  • 延広真治 編 二村文人, 中込重明 著『落語の鑑賞201』(新書館 2002 【KD831-H32】)
    現代の寄席で演じられる落語の演目201本と、人情噺・怪談話59本を、演題の五十音順で排列しており、あらすじと解説を調べることができます。巻末には人名索引、事項索引、演目索引があります。
  • 矢野誠一 著『落語手帖 新版』(講談社 2009 【KD831-J178】)
    274本の演目名とあらすじや解説、名人のエピソードなどを掲載しています。巻末に、収録外演目も含めた「落語の演目(索引)」があります。
  • 相羽秋夫 著『現代上方落語便利事典』 (少年社 1987 【KD2-E6】)
    1955年1月1日から1985年6月30日の期間に演じられた上方落語を、演題の五十音順で掲載し解説しています。古典、改作、新作で分類して表記し、あらすじ、季節、場所と時間、登場人物、はめもの(演奏が入るきっかけの言葉とお囃子の種類)、演目が掲載されている出版物などを調べることができます。
  • 宇井無愁 著『落語の根多 : 笑辞典』(角川書店 1976 【KH16-14】)
    上方落語約560本を、演題の五十音順で排列し解説しています。原話と考えられる小咄、さらに小咄のもとになったと思われる昔話や口承笑話を確認できます。また、江戸落語の演題から引ける「東京演題索引」や、上方と江戸の演題比較や昔話・笑話との関連を一覧にした「上方落語演題一覧」を収録しています。

現在の落語のもとにもなった江戸時代の落語や小咄に関する資料は下記のほか、国立国会図書館サーチの詳細検索画面の「分類」の項目で、NDLCを「KG242」またはNDCを「913.59」や「913.7」と入力して検索することができます。

  • 武藤禎夫 編『江戸小咄辞典』(東京堂出版 1965 【913.59-M995e】)
    江戸小咄を題名の五十音順で収録し、原文や類話を紹介しています。巻末に索引があります。
  • 武藤禎夫 編『江戸小咄類話事典』(東京堂出版 1996 【KG242-G4】)
    小噺を10章に大別し、各章に10~20項目の見出しを付けて笑話を紹介しており、各話の出典も確認することができます。巻末には「語句・事項索引」と「関連文芸索引」があります。
  • 武藤禎夫 著『定本落語三百題』(岩波書店 2007 【KG242-H19】)
    江戸時代の噺本と関連を持つ古典落語を選定し、演題の五十音順で排列してあらすじと解説を記載しています。巻末には関連文芸索引があります。

2-1-4. 落語に登場することばや人物について調べる

  • 吉田章一 著『江戸落語便利帳』(青蛙房 2008 【KD831-J15】)
    江戸事物について20のテーマから解説し、各項目の関連落語を調べることができます。「江戸事物索引」と「落語演題索引」があります。
  • 榎本滋民 著, 京須偕充 編『落語ことば辞典 : 江戸時代をよむ』(岩波書店 2004 【KD2-H25】)
    落語で登場する言葉を「時・所・風物」「金銭・暮らし・衣食住」「文化・芸能・娯楽」「男と女・遊里・風俗」「武家・制度・罪」「心・体・霊・異」の6ジャンルに分類して収録しています。巻末には「主要演目掌解題」と「項目・演目索引」があります。
  • 北村一夫 著『古典落語用語辞典』(柏書房 1991 【KD831-E49】)
    古典落語や人情噺を中心に、江戸明治期の風俗語を五十音順で排列し、落語に関わる解説をしています。
  • 北村一夫 著『落語風俗事典 (教養ワイドコレクション)』上、下(文元社 2005 【KD831-H172、-H173】)
    古典落語に現れた江戸・明治期の諸風俗を約1,400項目に分類し、演題をそえて収録しています。下巻に事項索引、人名索引、地名索引があります。
  • 北村一夫 著『落語古典語典』(柏書房 1982 【KD831-100】)
    古典落語、人情噺のなかに現れた江戸・明治期の風俗語について、簡単な解説と言葉が使用されている章句の一節と演題をそえて約1,800語を五十音順に収録しています。
  • 北村一夫 著『落語人物事典 (教養ワイドコレクション)』上、下(文元社 2005 【KD2-H44、-H45】)
    落語に登場する290名の歴史上の人物と、780名の架空人物について演題をそえて五十音順に収録しています。下巻に人名索引があります。
  • 北村一夫 著『落語地名事典 (教養ワイドコレクション)』(文元社 2005 【KD831-H171】)
    約570か所の地名(町名、寺社、橋、坂など)を地域ごとに分類・収録し、地名が登場する落語を調べることができます。巻末に地名索引、人名索引、事項索引があります。
  • 北村一夫 著『江戸芸能・落語地名辞典』上(あ~そ)、下(た~わ)(六興出版 1985 【KD2-129】)
    古典落語や講談、小唄などに現れた東京都区部の江戸・明治期の地名や俗称など約1,500項目を収録し、演題や解説、地名が登場する内容の一部を掲載しています。人名索引から引くこともできます。
  • 矢野誠一 編『落語登場人物事典』(白水社 2018 【KD2-L61】)
    古典落語に登場する人物(動物、神仏、幽霊など含む)を約2,500名収録しています。付録には、著名な噺家の言い回しや啖呵、口上を掲載した「口上・言い立て」や「落語用語」などを収録しています。また、「はなしの舞台」には地名が、「江戸・明治商売往来」には職業について簡単な解説が掲載されているほか、関係する演目から調べることができます。巻末には「演目別人名一覧」があります。
  • 高橋啓之 著『落語登場人物辞典』(東京堂出版 2005 【KD2-H43】)
    東京落語、上方落語の演目に登場する人名や歴史上の人物、神仏、動物、妖怪、お化けなど539項目を、五十音順に収録・解説しています。

2-1-5. 落語家を調べる

  • 諸芸懇話会, 大阪芸能懇話会 編『落語家事典 : 古今東西』(平凡社 1989 【KD2-E12】)
    近世からの主な落語家327名(物故者のみ)を対象とした「本項目」と、東西それぞれの全現役落語家475名を対象にした「現役落語家名鑑」を収録しています。「本項目」では芸名、代数、本名、生没、享年など、「現役落語家名鑑」では芸名、本名、生年、入門年(月)、師匠名、改襲名などを確認できます。巻末に「索引小事典」があり、約3,000名を収録。本文未掲載の人物についても代数、亭号、家(屋)号、本名などの基本情報が記載されています。
  • 神保喜利彦 著『東京漫才調査報告及資料控』([神保喜利彦]  2017 【KD831-L267】)
    芸名の五十音順で132組を収録しています。本名や生没年、出身地、漫才の芸風、略歴、参考資料掲載情報(写真があると判明しているものはその掲載誌)を確認することができます。
  • 四代目桂文之助 著, 山本進 校注『古今落語系図一覧表 : 文之助系図・家元本』(日本芸術文化振興会 2004 【KD831-H73】)
    四代目桂文之助自筆による「古今落語系図一覧表」の復刻版です。原本の印影、活字翻刻、各項注釈を併記して掲載しています。落語家の系統書のほか、色物芸人、1868年以降の東京各地の色物寄席の所在を調べることができます。巻頭に「見出し芸名索引」、巻末に人名索引、事項索引があります。
  • 橘左近 著『東都噺家系図』(筑摩書房 1999 【KD831-G139】)
    初代三笑亭可楽から現代までの江戸・東京の噺家の系図を紹介しています。各系図の解説や落語史略年表も収録されています。巻末には芸名で引く索引があります。
  • 天満天神繁昌亭, 上方落語協会 編, やまだりよこ 著『上方落語家名鑑』(出版文化社 2010 【KD2-J47】)
    上方落語家216名と、三味線方17名、昭和から平成にかけての主な物故者20名を掲載しています。また、上方落語の代表的な噺200本を五十音順で排列し解説しています。巻末には「年表 上方落語三百年略史」や、掲載者の「五十音順索引」があります。
  • 柳亭燕路 著『落語家の生活』(雄山閣出版 1988 【KD831-E18】)
    明治期(三遊亭円朝の頃)までの落語家の歴史や系図を知ることができます。また、江戸落語の歴史を知るための資料の一つである『落話中興来由』(おとしばなしちゅうこうらいゆう)の画像と翻刻を収録しています。

2-2. 講談

2-2-1. 全般・歴史

  • 『定本講談名作全集』第1巻~第7巻、別巻(講談社 1971 【KH16-6】)
    別巻は「講談事典」として、講談の概説や講談史に残る名人の簡単な略歴、講談師の系列について説明しています。また、14のテーマに分けて講談180本の解説を収録しています。
  • 菊池真一 編『講談資料集成』全3巻(和泉書院 2001-2004 【KD831-H30、-G271、-H120】)
    新聞・雑誌に掲載された講談師の逸話・回想などの講談関連記事が収録されています。
  • 『大衆芸能資料集成』第5巻「寄席芸. 2 講談」(三一書房 1981 【KD811-8】)
    講談の台本や速記が収録されているほか、演者の俗名や没年、略歴を確認することができます。興行記録を確認できる場合もあります。
  • 『講談研究』(講談研究会  [1953]-2006 【Z71-E235】)
    講談界の動きや講談師について知ることができます。当館では16巻1号(169号(1968年1月))から休刊となる54巻7号(629号(2006年7月) )まで所蔵しています(欠: 380号)。400号には「東京講談師一覧」に35名、402号には「上方講談師一覧」に9名が掲載され、芸名や本名、略歴が確認できます。36巻2号(408号(1988年2月)~54巻7号(629号(2006年7月) )には、「講談放送史」が連載され、1925年以降のラジオにおける講談放送を年代順で紹介しています(少年講談や教育講談、琵琶講談を除く)。また、雑誌をもとにした田辺南鶴 編『講談研究』(田辺南鶴 1965 【779.1-Ta695k】)も発行され、講談師35名による「私の履歴書」などの連載記事を通覧することができます。
  • 吉沢英明 編『講談明治編年史』(吉沢英明 1979)※当館所蔵無し
  • 吉沢英明 編『講談大正編年史』(吉沢英明 1981)※当館所蔵無し
  • 吉沢英明 編『講談昭和編年史』前期、中期、後期(吉沢英明 1987、1989、1991)※当館所蔵無し
    講談に関する新聞記事の全文または抄録と一部の雑誌記事を収録しています。

2-2-2. 参考図書を探す

  • 吉沢英明 編『講談関係文献目録 明治・大正編』(吉沢英明 1976 【KD1-19】)
    昭和50年8月現在で著者蔵書のうち明治・大正期の講談速記本を中心に、「新聞雑誌」「講談本」に分類して関係文献を紹介している目録です。1955年刊本までを収めた講談参考文献欄も掲載されているほか、「読物実録本」「番附その他一枚刷」も収録しています。

2-2-3. 演目を調べる

  • 『定本講談名作全集』第1巻~第7巻、別巻(講談社 1971 【KH16-6】)
    別巻は「講談事典」として、講談の概説や講談史に残る名人の簡単な略歴、講談師の系列について説明しています。また、14のテーマに分けて講談180本の解説を収録しています。
  • 吉沢英明 編著『講談作品事典』上、中、下(「講談作品事典」刊行会 2008)※当館所蔵なし
    明治期から昭和期を中心に約4,750本の講談を演目名の五十音順に排列しており、あらすじや簡単な解説、演者名などを確認することができます。
  • 吉沢英明 編著『講談作品事典』続編(「講談作品事典」刊行会 2011)※当館所蔵なし
    上記資料の続編として、明治期から平成までの講談演目と、講談に関係がある浪曲を調べることができます。
  • 中込重明「講談本の研究について : 付 講談登場人物索引,講談小題・異名索引」(『参考書誌研究』53号 2000年10月 pp.58-96 【Z21-291】)(国立国会図書館デジタルコレクション
    作品・演目を登場人物名・動物名の五十音順から引くことができる「講談登場人物索引」と、異名・小題の五十音順から引く「講談小題・異名索引」が収録されています。

2-2-4. 講談師を調べる

  • 吉田修 著『東都講談師物語』(中央公論事業出版 2017 【KD831-L237】)
    江戸・東京の講談師約110名の略歴を調べることができます。また、没年順で排列された「講談師活動年表」で講談師の生没年を確認できます。

2-3. 浪曲(浪花節)

2-3-1. 全般・歴史・演目

  • 安斎竹夫 著『浪曲事典』(日本情報センター 1975 【KD836-2】)
    概説のほか、1975年時点の「現代浪曲家名鑑」(芸名の五十音順で排列、肖像があります)、「浪花節の系譜」「浪曲名作抄」「浪曲史年表」「各社レコード・テープ一覧」を確認できます。
  • 芝清之 編『日本浪曲大全集』(浪曲編集部 1989 【KD836-E2】)
    浪曲の歴史を概観できます。出版当時の現役浪曲家の名鑑が収録され、肖像写真と本名、生年月日、略歴、初出演のラジオやテレビ番組、レコードが紹介されているほか、舞台写真や各派別全系図を確認することができます。また、1916年から1976年に作成された「東西浪曲番付表」や、「有名浪曲台本集」、「浪曲用語・隠語集」、1819年から1988年までの浪曲に関する年表も収録されています。
  • 芝清之 編『新聞に見る浪花節変遷史』明治篇、大正篇(浪曲編集部 1997 【KD836-G2】)
    明治・大正時代の新聞と雑誌から浪花節に関する記事を抜き出し、日付順に排列しています。索引はありません。
  • 唯二郎 著『実録浪曲史』(東峰書房 1999 【KD836-G4】)
    浪曲の歴史を概観できます。「最新浪曲家系図」や「浪曲年表」が収録されています。
  • 正岡容 著 大西信行 編『定本日本浪曲史』(岩波書店 2009 【KD836-J1】)
    江戸時代以降の浪曲通史を調べることができます。各時代の浪曲師を紹介し、「浪曲史年表」も収録しています。
  • 芦川淳平 著『浪曲の神髄 : 日本人の魂の叫びが聞こえる』(JDC出版 2013 【KD836-L1】)
    第3部の「浪曲脚本事典」には約170作品の演目について作者やあらすじ、口演者、解題が演目名の五十音順で収録されています。昭和前期から現代までの浪曲家約50人についても紹介しています。巻末には、朝日放送テレビ「おはよう浪曲」(1975年4月~2001年3月)と、国立文楽劇場で行われた「浪曲名人会」(1985年~2011年)の全演目を五十音順で排列し、口演者・出演者が確認できます。
  • 南博 [ほか]編『芸双書』第7巻「うなる : 浪花節の世界」(白水社 1981 【KD811-10】)
    浪曲の歴史を概観できます。浪曲に関する文献解題も収録しています。
  • 『大衆芸能資料集成』第6巻「寄席芸. 3 浪曲」(三一書房 1980 【KD811-8】)
    浪曲の台本が収録されています。演者の俗名や没年、略歴も確認できます。

2-3-2. 音源を探す

  • 浪曲SPレコード デジタルアーカイブLeave the NDL website. (国際日本文化研究センター)
    同センターが所蔵する明治30年代から昭和30年代までに出版された浪曲(浪花節)SPレコード約1万枚のデジタルアーカイブです。音源とレコードの盤面画像のほか、ポスターなどの関係資料も収録しています。なお、著作権保護期間中の音源は国際日本文化研究センター内でのみ聴くことができます。

2-3-3. 浪曲師を調べる

  • 芝清之 著『浪曲人物史 : その系図と墓誌録』(『上方芸能』編集部 1977 【KD836-M1】)
    物故者を対象に流派別で排列されており、俗名、没年、墓所、法号、略歴が確認できます。また、肖像や墓所の写真が掲載されている場合もあります。「浪曲流派別系図」、「血縁関係図」、「人名索引」も収録されています。

2-3-4. 公演記録を調べる

2-4. 漫才(万才)

  • 神保喜利彦 著『東京漫才師大系』 上巻、下巻([神保喜利彦]  2019 【KD2-M17、-M18】)
    大正時代末~昭和40年代までにコンビを結成し活躍した漫才師を中心に五十音順に掲載しています。本名、生没年、出身地や経歴を確認することができます。下巻に索引および「帝都漫才組合漫才名簿」や「東宝名人会笑和会」などの付録があります。付録の「伝聞、東京漫才師余禄」には、記録がほとんど残っていない漫才師が収録されています。
  • 南博 [ほか]編『芸双書』第5巻「ことほぐ 万歳の世界」(白水社 1981 【KD811-10】)
    祝福芸としての万歳から寄席における漫才まで概観できます。
  • 『大衆芸能資料集成』第7巻「寄席芸. 4 万歳・万才・漫才」(三一書房 1980 【KD811-8】)
    舞台萬歳(万才、漫才)の台本を収録しています。

2-5. その他の演芸

2-5-1. 全般

  • 倉田喜弘 編『幕末明治見世物事典』(吉川弘文館 2012 【KD815-J35】)
    1853年~1912年を対象に、幕末から続く諸芸を五十音順に排列して図版とともに解説しています。また、太神楽師、手品師、奇術師、軽業師、大道芸人など17人についても紹介しています。
  • 宮尾與男 編著『図説江戸大道芸事典』(柏書房 2008 【GD5-J3】)
    江戸時代の大道芸380種について見出し語の五十音順に排列しており、記述がある史料と図版を集成して解説しています。巻末に図版索引があります。
  • 宮尾しげを, 木村仙秀 著『江戸庶民街芸風俗誌』(千葉出版[ほか] 1970 【GC65-15】)
    大道芸と物売りなどの諸芸109種について、記述がある史料と図版を挙げて解説しています。「諸芸の索引」「地名の索引」「特殊名称索引」から調べられます。
  • 南博 [ほか]編『芸双書』(白水社 1981 【KD811-10】)
    第1巻「いろどる : 色物の世界」、第4巻「めくらます : 手品の世界」の内容で、各演芸を概観できます。第1巻には色物に関する文献解題、第4巻には手品やからくりに関する年表も収録されています。

2-5-2. 奇術

  • 河合勝, 長野栄俊 著,日本奇術協会『日本奇術文化史』編集委員会 編集『日本奇術文化史』(東京堂出版 2017 【KD856-L39】)
    古代から近代初頭の日本奇術や奇術史研究の歴史を概観できます。409種の日本手品を現象、素材、仕掛けなどで20項目に分類して列挙し、このうち234種について図をあげて解説しています。また、江戸時代に発行された手品伝授本(種明かし本)の目録と解説を収録し、専門用語や舞台、芸能用語を「日本奇術用語集」で紹介しています。1989年までに没した奇術師や奇術史家など約500人の生没年や略歴も確認できます。
  • 河合勝 編『日本奇術演目大事典』(東京堂出版 2021 【KD856-M11】)
    江戸時代から令和時代までの日本手品など1,054種を現象・素材・仕掛け・年代などの20項目に分類して収録し、解説しています。そのうち651種は図版や原文の翻刻、現代語訳、手品の現象と方法、演じ方、関連する古記録、初出の伝授本などを掲載し、残りの403種は原文の翻刻を掲載しています。また、江戸時代に発行された約210種の伝授本のうち代表的な40種について所載演目名を一覧にした「日本奇術所載演目一覧」と、日本最古の手品伝授本の『神仙戯術』の図版や、翻刻、現代語訳を掲載しています。『日本奇術文化史』【KD856-L39】収載の「日本奇術書目録(江戸時代)」も加筆修正されています。
  • 河合勝, 長野栄俊, 森下洋平 著『近代日本奇術文化史』(東京堂出版 2020 【KD856-M6】)
    第1部で幕末から昭和期までの近代日本奇術の通史、第2部で奇術師や奇術研究家、奇術団体の業績や生い立ちを図版とともに紹介、第3部で明治期から昭和前期にかけて日本に導入された西洋奇術425種の演目を列挙し、そのうち409種について図版を用いて解説しています。第4部資料編では「奇術興行資料図録」として新聞広告や錦絵、ビラ、チラシなど図版を73枚掲載し、さらに、明治から昭和前期に国内で発行された伝授本や教本722点を「奇術書目録」として年代ごとに収録しています。
  • 日本芸術文化振興会国立劇場資料課 編『緒方奇術文庫書目解題 : 国立劇場演芸資料館所蔵』(紀伊国屋書店 1992 【KD1-E30】)
    江戸時代中期から昭和期にかけて出版された奇術に関する文献資料(和奇術書221点、海外奇術書9点、番付・ポスター・その他37点)を原則刊行年順で収録しています。一部、資料の画像を掲載し、附録として「演芸資料館奇術等関係書一覧表」も掲載しています。

2-5-3. 見世物・大道芸

  • 川添裕, 樋口保美 監修, 国立劇場調査養成部調査資料課 編集『見世物資料図録 : 国立劇場所蔵』(日本芸術文化振興会 2021 【KD815-M26】)
    「曲芸」「細工見世物」「動物見世物」「その他」に分類し、国立劇場が所蔵している図版を紹介しています。
  • 光田憲雄 著『日本大道芸事典』(岩田書院 2020 【KD2-M30】)
    日本の大道芸に関する事項・語句など、2020年現在行われているものを含めて五十音順で収録されています。巻末に索引があります。
  • 見世物データベースLeave the NDL website.
    江戸後期の主要な見世物興行のデータベースです。網野善彦 [ほか]編『大系日本歴史と芸能』第13巻(平凡社 1991 【YU1-112】)掲載の「江戸見世物主要興行年表」を元にしており、芸の名称、種別、人名、動物などから興行地や興業年が検索できます。

2-5-4. 太神楽

  • 柳貴家勝蔵 著『日本大神楽事典 改訂増補』(彩流社 2007 【KD2-H73】)
    神事としての太神楽(伊勢大神楽など)を含め、太神楽(大神楽)に関する用語を五十音順で排列し解説しています。巻末に項目索引があります。

3. 演芸に関する資料館

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