古記録・日記について調べる

主に古代から近世の古記録・日記の探し方や解題の調べ方を紹介します。近現代の日記についても一部扱っています。

【】内は当館請求記号です。

1. 概説・総論

  • 高橋秀樹 著『古記録入門 増補改訂版』(吉川弘文館 2023 【GB39-M22】)
    第一部では古記録の概説・歴史・形態・情報など基礎知識を解説しています。第二部では具体的な古記録・日記を例に読み方を示しています。
  • 『斎木一馬著作集』1・2(古記録の研究 上・下)(吉川弘文館 1989 【GB39-E3】)
    古記録・日記についての概括的な研究です。論文目録や類型別の解説などを含みます。
  • 山中裕 編『古記録と日記』上・下(思文閣出版 1993 【GB176-E35】)
    主に平安時代の古記録・日記類や日記文学について変遷や類型ごとの特徴、関連する論点を提示しています。
  • 松薗斉, 近藤好和 編著『中世日記の世界』(ミネルヴァ書房 2017 【GB211-L98】)
    中世の古記録・日記について概説と分類別の解説を掲載しています。
  • 福田千鶴, 藤實久美子 編著『近世日記の世界』(ミネルヴァ書房 2022 【GB341-M63】)
    江戸時代(近世)の日記について概説と分類・代表的な日記ごとの解説を掲載しています。
  • 石原昭平 [ほか]企画編集, 岩佐美代子, 津本信博, 宮崎莊平 編『日記文学事典』(勉誠出版 2000 【KG2-G45】)
    主に古代・中世の日記文学について文学的な特質や研究上のトピックを解説しています。

2. 古記録・日記を探す

下記の手段で刊本があることを確認できた古記録・日記については、国立国会図書館サーチに題名を入力して、国立国会図書館及び全国の図書館のチェックボックスにチェックを入れて検索することで、当館や全国の大学図書館、都道府県立図書館などで所蔵しているか調べることができます。

2-1. 一覧・目録から探す

全時代

  • 国書データベースLeave the NDL website. (国文学研究資料館)
    「著作検索」の「分類」欄に「日記」「記録」などの分類語を入力して、古記録・日記類を検索することができます。
  • 日本史広辞典編集委員会 編『日本史広辞典』(山川出版社 1997 【GB8-G21】)
    「日記一覧」(巻末附録pp.42-48)に古代から戦後までの主要な日記の一覧が掲載されています。主に刊本のあるものを採録しており、記主・記述年代・刊本(未刊は所蔵者)の情報があります。

古代・中世~安土桃山時代

  • 国史大辞典編集委員会 編『国史大辞典 第4巻 (きーく)』(吉川弘文館 1984 【GB8-60】)
    「記録目録」(pp.497-503)には平安時代から江戸時代最初期までに書かれた主な日記とその記主・記述年代・刊本・異名の情報が掲載されています。
  • 元木泰雄, 松薗斉 編著『日記で読む日本中世史』(ミネルヴァ書房 2011 【GB211-J97】)
    「中世主要日記一覧」「古代中世主要紀行一覧」を掲載しています。

江戸時代(近世)

  • 福田千鶴, 藤實久美子 編著『近世日記の世界』(ミネルヴァ書房 2022 【GB341-M63】)
    「近世主要日記一覧」(pp.403-446)では刊本のある日記を中心に677点の情報が掲載されています。
  • 永原慶二 監修, 石上英一 [ほか]編『岩波日本史辞典』(岩波書店 1999 【GB8-G37】)
    「近世主要日記一覧」(pp.1642-1645)では刊本のある日記を中心に約400点の情報が掲載されています。

参考:明治時代以降(近現代)

  • 『日記書簡集解題目録』全3冊(日外アソシエーツ 1997-2022)
    明治以降1997年までに刊行された日記・書簡集のうち、「1」では作家・芸術家のもの2982点を、「2」では政治家・思想家のもの2417点を、筆者の五十音順に解題付きで収録しています。「第2期」では1998~2021年までに刊行された日記・書簡集1927点の情報を掲載しています。
  • 黒沢文貴, 季武嘉也 編著『日記で読む近現代日本政治史』(ミネルヴァ書房 2017 【GB411-L202】)
    「近現代日本政治史の主要日記」を掲載しています。このうち、当館の所蔵する刊本については「刊行された日記を読む」(電子展示会「国立国会図書館憲政資料室所蔵 日記の世界」)にまとめられています。
  • 田熊渭津子 編『日記の目録 : 近代文学を中心とした』(1982 【KG1-76】)
    単行本に掲載された近代文学関係の日記の目録です。
  • 田熊渭津子 編『日記の目録 : 雑誌の部』(1990 【KG1-E30】)
    雑誌に掲載された近代文学関係の日記の目録です。
  • データベース 近代日本の日記(β版)Leave the NDL website. (研究会「近代日本の日記文化と自己表象」)
    福田日記資料コレクションに含まれる近現代の日記の情報をタイトル・記主・記述年代から検索することができます。別に書き込み式日記帳についても目録化Leave the NDL website. しています。

2-2. 記述年代から探す

  • 国史大辞典編集委員会 編『国史大辞典 第4巻 (きーく)』(吉川弘文館 1984 【GB8-60】)
    「記録年表」(pp.461-496)には仁和3年(887年)から文禄4年(1595年)まで1年ごとにどの日記・古記録に記述があるか調べることができます。
  • 『日本歴史「古記録」総覧』 全2冊(新人物往来社 1990 【GB8-E40】)
    古代・中世篇「古記録年表」(pp. 343-449)では仁和3年(887年)から天正元年(1573年)まで、近世篇「古記録年表」(pp. 341-424)では天正2年(1574年)から明治元年(1868年)まで1年ごとにどの日記・古記録に記述があるか調べることができます。

2-3. 家系から探す

  • 松薗斉, 近藤好和 編著『中世日記の世界』(ミネルヴァ書房 2017 【GB211-L98】)
    「古代・中世日記系図」(pp.413-440)では皇室・公家の系図を示して、人物ごとにどのような日記を残しているか掲載しています。

3. 古記録・日記の内容を調べる

3-1. 解題

  • 加藤友康, 由井正臣 編『日本史文献解題辞典』(吉川弘文館 2000 【GB1-G49】)
    古記録・日記類も掲載されています。『国史大辞典』【GB8-60】の項目を抜粋・改訂しているため、本書を確認して未掲載の場合に『国史大辞典』を調べることが効率的です。
  • 竹内理三, 滝沢武雄 編『史籍解題辞典』上・下(東京堂出版 1995・1999 【GB1-G3】)
    古記録・日記類も掲載されています。上巻が古代・中世、下巻が近世を扱っています。
  • 飯倉晴武 著『古記録 (日本史小百科)』(東京堂出版 1998 【GB39-G20】)
    主に平安時代から戦国時代までの古記録・日記類約90点の解題を掲載しています。また、古記録の概要や用語についても記載しています。
  • 馬場萬夫 編『日記解題辞典 : 古代・中世・近世』(東京堂出版 2005 【GB1-H35】)
    平安時代から江戸時代までの刊行された日記について期間・内容・活字本などの解題を掲載しています。巻末に記主索引と全集・叢書日記収録一覧があります。
  • 『日本歴史「古記録」総覧』 全2冊(新人物往来社 1990 【GB8-E40】)
    古代から近世までの日記・古記録類の解題を古代・中世篇と近世篇に分けて収録しています。古代・中世篇には主要な研究文献の解題も掲載しています。
  • 『日本「日記」総覧』(新人物往来社 1994 【GB1-E53】)
    古代から近現代までの日記・古記録類、及び近現代の文人の日記や女性の日記の解題を掲載しています。古代から近世の日記については『日本歴史「古記録」総覧』と一部重複しています。
  • 石原昭平 [ほか]企画編集, 岩佐美代子, 津本信博, 宮崎莊平 編『日記文学事典』(勉誠出版 2000 【KG2-G45】)
    主に古代・中世の日記文学作品をはじめ、関連する作品・歌集や漢文日記、人名・地名の項目を掲載しています。近世の日記文学については概説のみ記述しています。

3-2. 全文データベース

3-3. 特定の主題

部類記

古記録・日記類から主題ごとに抜粋・編集した資料を部類記といい、平安時代以降多く作成されています。前記国書データベースLeave the NDL website. の「著作検索」の「分類」欄に「部類記」と入力して探すことができます。

気象・災害

古記録・日記の記述のうち、過去の気象や災害に関する情報を集めた資料やデータベースがあります。

下記は中世の日々の天候についての記述を整理した資料です。

近世期については下記サイトで日記記録をもとにした気候情報やデータベースを紹介しています。

関連情報