土地宝典

明治以後、租税の対象となる所有地を調査・確定するため、土地台帳や地籍図が公的機関により作成されました。土地台帳とは、その地域の区域名称(町名・大字・小字など)、地番、地積(坪数、面積)、地目(土地の種類:田,畑,山林等)、等級、所有者名といった情報を収録するものであり、地籍図とは一筆ごとの土地の区画形状を測量した土地台帳の附属地図です。土地台帳と地籍図とを合体させるなどして、該当箇所と所有者を確認しやすいように民間で編集して刊行された地図帳を「土地宝典」と呼びます。
「土地宝典」の収録内容は、地番と地積しか収録されていない簡便なものもあれば、複数の情報を詳細に収録するものなど、資料によって様々です。また、「土地宝典」のほか、「字限図」「一村字限切図(字限全図)」「地籍地図」など多くの呼び方があります。

1. 国立国会図書館の所蔵

「土地宝典」などのように編纂され刊行された出版物は、主に図書資料として国立国会図書館で所蔵している場合があります。公図・地籍図そのものは行政文書であり、出版物ではないため国立国会図書館では所蔵していません。

2. 資料の利用方法

国立国会図書館サーチで検索対象を「国立国会図書館」のみ選択した上で、キーワード欄に下記例の「用語△地域名」(△はスペース)を入力して検索してください。

用語(例):「土地宝典」「宝典」「字限」「地籍(図)」「地番(入り)」「反別(入り)」「地目(入り)」「(土地)台帳」など

【例】「キーワード」欄:「土地宝典△横浜市」(△はスペース)

3. 地図室開架の土地宝典

地図室では、次の4点の復刻版土地宝典が開架資料となっています。また、著作権法の範囲内であれば複写が可能です。

  1. 『東京市及接続郡部地籍台帳』『東京市及接続郡部地籍地図』(東京市区調査会)
    • 出版時期: 明治末期から大正前期。
    • 対象地域: 東京の区部及び郡部の一部。
    • 掲載項目: 地番、地積、地目、等級、地価、所有者名。
    • 復刻版(『地籍台帳・地籍地図「東京」』 柏書房 【DM125-E4】)が地図室開架・デジタル化済み(館内限定公開)。原本(【407-55】)はデジタル化されています(インターネット公開)。
      地籍地図 町名索引をご確認ください。
  2. 『東京市○○区地籍図』(内山模型製図社)
    • 出版時期: 昭和初期。
    • 対象地域: 東京の区部。
    • 掲載項目: 地番、地積、地目、等級、地価、賃貸価格、所有者名。
    • 復刻版(『東京地籍図』 不二出版 【YU7-J2498】ほか)が地図室開架。原本(【426-86~426-101】)はデジタル化されています(国立国会図書館/図書館・個人送信限定公開)。
      地籍地図 町名索引をご確認ください。
  3. 『京都地籍図』(京都地籍図編纂所)
    • 出版時期: 明治末期から大正前期。
    • 対象地域: 京都市域及び郡部の一部。
    • 掲載項目: 元組・住所・地番・等級・地目・地価・所有者名。
    • 復刻版(『京都地籍図』 不二出版 【DM125-J11~DM125-J13】)が地図室開架。
  4. 『大阪地籍地図』(吉江集画堂)
    • 出版時期: 明治末期から大正前期。
    • 対象地域: 大阪市域及び郡部の一部。
    • 掲載項目: 地番、地積、地目、等級、地価、所有者名。
    • 復刻版(『地籍台帳・地籍地図「大阪」』 柏書房 【YQ5-H87~YQ5-H94】)が地図室開架。原本(【407-47】)はデジタル化されています(インターネット公開)。

4. 関連サイト

5. 参考文献

大羅陽一「土地宝典 (地籍地図) について」(『地籍台帳・地籍地図「東京」 第1巻』解題【DM125-E4】