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有卦絵

一風変わった錦絵

今も昔も今後の運勢を占いたい人、来年の運勢を知りたいと思う人はたくさんいます。江戸から明治にかけて、人々は自分の運勢のよい時期を陰陽道で知り祝いました。陰陽道は古代中国の陰陽五行説を基盤にしていますが、日本独自で発達して、江戸時代には庶民の生活全般に入り込んでいました。

陰陽道で干支に基づいた幸運の年回りがあります。これが有卦で、その年に入ると7年間幸運が続くとされていました。有卦に入った人は有卦絵うけえと呼ばれる不思議な絵を飾ったり贈られたりして幸せを願いました。下図は有卦絵です。

「金性ノ人有卦入ル」とありますが、金性ノ人とは陰陽道の五行思想(木・火・土・金・水)に基づいて、生年月日から金の年に属する人のことです。表示された年齢が「金性年齢」で、「来ル二月一日」から有卦に入ることになります。
また錦絵には、縁起を担いで、福に通じる「ふ」が付くものが描かれました。ここでは、福女、藤・福牡丹等が描かれています。

こちらは「火性年齢」の有卦絵です。ここでも福助が福の文字の入った扇を持って踊っています。七福神が乗る宝船が描かれ、船の帆には富士山が、また船荷には二股大根、河豚、福寿草、藤、袋等が描かれています。

幕末の有卦絵です。文久元(1861)年は木性の人が有卦に入る年でした。この絵にも、福助が宝船に乗り、二股大根、筆、笛、ふみ等が描かれています。

色々な有卦絵を紹介しましたが、下の有卦絵で「ふ」の付くものを探してみましょう。まちがい探しならぬ、福探しです。

参考文献

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