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パーリ語仏典

スリランカ、ミャンマー、タイ、カンボジア、ラオスにおいて広く信仰されている上座部仏教では、パーリ語で書かれた仏典集成が用いられています。この仏典集成は、律蔵、経蔵、論蔵の「三蔵」及び三蔵以外の典籍(「蔵外」と呼ばれます。)を含みますが、あわせて「三蔵」と呼ばれる場合もあります。
パーリ語には、単一の文字体系はなく、シンハラ文字、ビルマ文字、タイ文字、クメール文字等の各地域の文字を用いて表記されます。

ここでは、関西館アジア情報室で所蔵するパーリ語の三蔵を紹介します。【 】内は当館請求記号です。
漢訳大蔵経、南伝大蔵経、西蔵大蔵経については、「大蔵経(一切経)を調べる」を参照してください。

1. タイ文字版三蔵

1893年出版。当時のタイ国王ラーマ5世の即位25周年を記念して編纂されたもので、全39冊からなります。パーリ語の内容をタイ文字で表記したものです。
アジア情報室では、この三蔵を2組所蔵しています。

検索方法

国立国会図書館サーチで、仏典名や請求記号(【Y745-T162】~【Y745-T194】)を入力して検索できます。
また、タイ文字版三蔵 書誌情報一覧から全巻の書誌情報を表示できます。

2. ビルマ文字版三蔵(ビルマ第六回仏典結集版)

ミャンマーで1954~1956年にかけて行われたビルマ第六回仏典結集の成果であり、一般に聖典40冊と註釈書類77冊からなる117冊を指します。パーリ語の内容をビルマ文字で表記したものです。
アジア情報室では、聖典40冊、註釈書(アッタカター)50冊(1冊を欠く)、復註書(ティーカー)26冊の116冊を所蔵しています。

検索方法

国立国会図書館サーチで、仏典名や請求記号(【Y746-TS-637】~【Y746-TS-718】)を入力して検索できます。
聖典と註釈書、復註書の対応関係については、「表 ビルマ第六回仏典結集版三蔵経典」(原田正美「ビルマ第六回仏典結集版三蔵経典(パーリ聖典・註釈書・復註書)について」(『アジア情報室通報』20(2) 2022年6月 p.5-6 【Z71-J686】))を参照してください。
また、聖典については、国立国会図書館サーチのキーワード欄に「ဆဋ္ဌသင်္ဂီတိ ပိဋကံ」と入力して検索すると、書誌情報を一覧することができます(「ဆဋ္ဌသင်္ဂီတိ ပိဋကံ」は「第六回仏典結集」の意味です)。

参考文献

原田正美「ビルマ第六回仏典結集版三蔵経典(パーリ聖典・註釈書・復註書)について」(『アジア情報室通報』20(2) 2022年6月 p.2-6 【Z71-J686】)

3. ローマ字版三蔵

2008年出版。タイ王室後援の事業として刊行された三蔵で、全40巻(42冊)からなります。パーリ語の内容をローマ字で表記したものです。

検索方法

国立国会図書館サーチで、仏典名や請求記号(【Y751-T22】~【Y751-T57】)を入力して検索できます。
また、ローマ字版三蔵 書誌情報一覧から全巻の書誌情報を表示できます。

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