中国の歴史上の人物を調べる
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アジア情報室 作成
中国の歴史上の人物を調べるための主な情報源を紹介します。
現代の人物や台湾の歴史上の人物については、調べ方案内「中国の現代の人物を調べる」「台湾の歴史上の人物を調べる」もご参照ください。
*【 】内は当館請求記号です。
1.日本語の辞典類
1-1.全時代
- 『中国人名事典 古代から現代まで』(日外アソシエーツ 1993 【GE12-E7】)
古代から現代までの中国大陸、香港、マカオ、台湾の人物9,405名について、生没年、本名・別名、出生地、本籍、経歴、家族構成などを収録しています。排列は五十音順。 - 『中国人名辞書』(東出版 1996 【GE12-G3】)
『支那人名辞書』(啓文社 明治36年刊)の復刻版。古代から清末(1903年まで)の中国人約24,000名を収録しています。排列は五十音順で、筆画索引および字号索引を収録。 - 『東洋人物レファレンス事典』(日外アソシエーツ)
本編【GE12-43】のほか、文芸篇【GE12-L1】、政治・外交・軍事篇【GE12-L2】、美術・音楽・芸能篇【GE12-L4】、女性篇【GE12-M1】が刊行されています。中国の人物も多数収録。 - 『東洋人名・著者名典拠録』(日外アソシエーツ 2010.10 【GE12-J5】)
中国、コリア、香港、台湾など漢字文化圏の人物32,500名を収録しています。各項目には生没年、国籍、職業、別名等を掲載。索引【GE12-J6】は筆画順。
1-2.近代(1840-1949年)
- 『近代中国人名辞典 修訂版』(霞山会 2018 【GE12-L7】)
清末から中華人民共和国成立までの時期を中心に活動した人物約1,100名を収録しています。各項目にその人物に関する参考文献が掲載されています。排列はピンイン順で、五十音順の索引があります。 - 『中国人名資料事典』(日本図書センター 1999 【GE12-G6】)
『現代支那名士鑑』(1913年)、『東三省官紳録』(1924年)、『現代中華民国満州国人名鑑』(1932年)、『満州国名士録』(1934年)など1913年から1939年の間に出版された中国人の人名辞典、人名録が収録されています。 - 『日本人物情報大系11-20. 満州編1-10』(皓星社 1999 【GB12-G22】)
『満洲紳士録』(1907年)、『満洲国官吏録』(1941、1942年)、『満洲紳士録』(1937、1940、1943年)、満鉄の『社員録(職員録)』(1907年)など旧満洲在住日本人の人名録、人名辞典を収録しています。
※下のサイトで当該資料の索引データベースが公開されており、人物ごとの掲載ページが分かります。
皓星社データベース
1-3.その他
人名辞典以外にも、人物調査に有用なツールがあります。
- 『大漢和辞典 修訂第2版』(大修館書店 1989-1990 【KF4-E18】)
親字約5万字、人名、地名等を含む熟語約50万を収録しています。語彙索引は熟語が現代かなづかいの五十音順に配列されており、人名検索にも便利です。 - 『中国学芸大事典』(大修館書店 1978 【GE8-55】)
文学、思想など中国の諸般の学術に関わる人物を調べることができます。 - 『中国文化史大事典』大修館書店 2013 【GE8-L2】)
中国の歴史、哲学、宗教、文学、言語、芸能、美術、科学技術などの分野に関わる人物を調べることができます。 - 『アジア歴史事典』(平凡社 1962 【220.033-A983-H】)(平凡社、1985(新装復刊)【GE8-81】)
アジアの歴史に関する事項、地名、人名等を収録しています。中国の人物も多数収録し、生没年、経歴、参考文献などを掲載しています。
2.中国語の辞典類
2-1.全時代
- 『中国历代人名大辞典』(上海古籍出版社 1999 【GE12-C75】)
古代から辛亥革命(1911年)までの中国の歴史上の人物約54,500名を収録しています。排列は筆画順。 - 『中国人名大词典 历史人物卷』(上海辞书出版社 1990 【GE12-C27】)
古代から1949年までの14,000名の人物を収録しています。排列は筆画順。 - 『中國人名大辭典』(上海书店 1984 【GE12-C3】)
1921年発行の影印版。古代から清末までの人物約4万名を収録しています。排列は筆画順。 - 『中華大典 : 歷史典 人物分典』(上海古籍出版社 2016 【UR11-C60】)
正史(各王朝の公式歴史書)その他の史料などに掲載された、古代から辛亥革命(1911年)までの中国の歴史上の人物約730名の伝記を収録しています。
なお、近代以前には別名や号を持つ人物も多数います。一般的な人名辞典で見つからない場合、次のような異称辞典で見つかることがあります。
- 『中国人名异称大辞典』(山西人民出版社 2002 【GE12-C78】)
古代から1949年までの約5万名の字、号、筆名などの異称約10万件を収録。排列は筆画順。生没年、出生地、略歴などが掲載されています。综合卷で人名から、検索巻の異称索引で異称から検索できます。 - 『古今人物別名索引』(國家圖書館出版社 2010 【GE12-C143】)
1937年刊の影印です。古代から中華民国期までの人物の別名、字、号、諡号など約7万件を収録しています。
2-2.近現代(1840年以降)
- 『中國現代史辭典. 人物部分』(近代中國出版社 1985 【GE12-C7】)
1894年から1984年の中国の重要な中国人、外国人を収録しています。排列は筆画順。 - 『民國人物大辭典』(河北人民出版社 2007 【GE12-C125】)
1912年から1949年までの著名人物約17,000名を収録。排列は筆画順。 - 『民國人物資料專輯 1』(上海書店出版社 2018 【GE12-C125】)
中華民国期に出版された名人録、伝記集など60タイトルの影印を収録し、同時期の重要人物約23,000名を調べることができます。筆画順に排列された「人名索引」巻があります。 - 『中国百年女性人物辞典』(人民出版社 2020 【GE12-C203】)
1915年から2015年までの中国人女性約1,500名を収録しています。排列は分野別にピンイン順。
3.伝記目録(中国語)
著名な人物の調査には伝記の利用も有効です。次の資料では伝記や年譜を探すことができます。
- 『中国图书大辞典 : 1949-1992. 历史地理卷(下)』(湖北人民出版社 1997【UP5-C18】)
1949年から1992年に中国で出版された主要図書約10万冊について、解題を付しています。著名人物は「索引巻」から探すことができます。人物関係の図書は「历史地理卷(下巻)」に分野別に掲載されており、分野ごとの収録ページは次のとおりです。
「中国人物总传」(pp.500-517)、「氏族谱系」(pp.517-520)、「中国哲学人物传」(pp.520-523)、「中国军事人物传」 (pp.523-549)、「中国经济人物传」(pp.549-552)、「中国文化、教育、体育人物传」(pp.552-566)、「中国语言学人物 传」(pp.566-567)、「中国文学人物传」(pp.567-596)、「中国艺术人物传」(pp.596-621)、「中国历史地理人物传」 (pp.621-623)、 「中国科技人物传」(pp.623-636)、「中国社会政治人物传」(pp.636-728) - 『中国年谱辞典』(百家出版社 1997 【GK1-C1】)
先秦から現代までの人物について、1993年までに刊行された2,431名分の年譜4,115タイトルが検索できます。
その他、『二十四史人名索引』(中华书局 1998 【GE12-C59】)、『二十五史紀傳人名索引』(上海古籍出版社:上海書店、1990 【GE12-C35】)などで、正史(史記、漢書など)の人物の記述を調べることもできます。『宋人伝記索引』(東洋文庫、1968 【GE12-2】)(日本語)など、時代ごとの伝記資料索引もあります。
4.その他の探し方
1~3で紹介した資料では調査できない場合、人名辞典の探し方の例として次のようなものがあります。また、インターネットで検索や閲覧ができるデータベースについてもご紹介します。
そのほか、族譜や家譜でも人物情報を調査できます。詳しくは調べ方案内「族譜(家譜)の所蔵の調べ方」をご覧ください。
4-1.当館所蔵資料
国立国会図書館サーチの詳細検索画面で、検索項目を「分類」に指定し、「GE12」(アジアの人名辞典類)で検索します。「本文の言語コード」を「日本語(jpn)」「英語(eng)」「中国語(chi)」などに指定すると、それぞれの言語の人名辞典だけを検索できます。
また、当館が所蔵する人名辞典のうちデジタル化済みの資料は、「国立国会図書館デジタルコレクション」などで全文検索することができます。全文検索の詳細については、「全文検索を活用するには」をご参照ください。
4-2.参考図書の事典
- 「当館〔国立国会図書館〕所蔵中国人検索のための工具書--和漢書(稿)」(『アジア・アフリカ資料通報』 22(12) [1985.03] pp.17-36 【Z8-985】)
- 『人物工具书辞典』(吉林科学技术出版社 1989 【UP41-C4】)
伝記、年譜、人物辞典など828種の参考図書を紹介しています。 - 『中国社会科学工具书检索大典』(北京图书馆出版社 1999 【UP41-C71】)
人物辞典に関する情報は、「中国人物」(下巻pp.1223-1245)に掲載されています。 - 『デジタル時代の中国学リファレンスマニュアル』(好文出版, 2021 【GE8-M4】)
第10章「人をしらべる」で歴史的な人物の伝記情報を調べるための参考図書やウェブサイトを紹介しています。
4-3.インターネット情報源
- 中国历代人物(CBDB)/ China Biographical Database(哈佛大學費正清研究中心ほか)(中・英)
ハーバード大学フェアバンク中国研究センター等が運営する、中国人物データベースです。主に7世紀から19世紀までの約53万人につき、生卒年、別名、官職、親族、著作といった人物情報を収録しています。有料のデータベースですが、各項目5件までは無料で閲覧することができます。 - 人名規範資料庫 / Buddhist Studies Person Authority Databases (法鼓文理學院)(中・英)
約47,000名の東アジアの佛教関係の人物が検索できます。著名な人物には略伝を記すほか、CBETA(中華電子佛典協會)大蔵経目録の検索結果などへの関連リンクも示しています。 - 近現代人物資訊整合系統(中央研究院近代史研究所) (中・英)
清代中葉から中華民国期の中国と日本統治期の台湾の人名録約60種の全文画像を閲覧できます。約135,000件の人名を検索できますが、検索結果から人物情報の全文を閲覧するには利用者登録が必要です。 - 人名權威-人物傳記資料庫(中央研究院歷史語言研究所) (中)
明清代の人物約44,000名について、別名、伝記の出典、官職歴などを収録しています。