歌詞を調べる
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音楽・映像資料室 作成
主に日本語の歌詞を調べるための、主なツールを紹介します。
【 】内は当館請求記号です。
当館での複写に関する注意
楽譜集・歌詞集に含まれる個々の楽譜・歌詞は、1曲でひとつの著作物となるため、原則として著作権者の許諾なしには、1曲全部の複写はできません。ただし、最新号以外の雑誌・新聞に掲載された楽譜の複写は可能です。詳しくは著作権に関わる注意事項をご覧ください。
1. 曲名がわかっている場合
既に曲名がわかっている場合、その曲を収録している図書・楽譜がないか調べます。
楽譜の探し方については、次の調べ方案内をご覧ください。
また、探している曲を収録しているCDやレコードに、歌詞カードが入っている場合があります。CDやレコードの探し方については、調べ方案内「レコード・カセットテープ・CD」をご覧ください。
※歌詞カードの複写は、原則として著作権者の許諾が必要となります。
2. 「歌い出し」がわかっている場合
歌詞の始まり(歌い出し)がわかっている場合は、曲名がわからなくても、以下に紹介する資料やウェブサイトで曲名や歌詞全体が調べられます。
2-1. 全般
小西潤子「明治期歌資料楽譜目録」(『音楽研究』(23) 2007 pp.129-337 【YH247-268】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
大阪音楽大学音楽博物館の所蔵する明治期発行の楽譜・図書・雑誌から、歌詞のある楽曲を抽出した目録です(PDFファイル)。曲名、作曲・作詞者、歌い出し、掲載資料名等を一覧にしています。小西潤子「大正期「歌」資料楽譜目録」(『音楽研究』(25) 2009 pp.57-264 【YH247-268】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
上記「明治期歌資料楽譜目録」に続く目録です(PDFファイル)。「歌詞の歌い出しから曲を調べる | レファレンス協同データベース」
桐朋学園大学附属図書館の作成した調べ方マニュアルです。唱歌・童謡について当ページと同様の資料を紹介しているほか、英語のデータベースやヨーロッパの歌曲について詳しい案内が載っています。
2-2. 唱歌・童謡
※童謡の楽譜は国際子ども図書館所蔵のものもあります。
※唱歌と童謡は明確に区別されていないことが多いため、両方の参考図書を調べることをおすすめします。
<目録、索引>
歌い出しから、曲名や掲載資料が調べられる冊子やデータベースです(歌詞自体は載っていません)。
『唱歌索引(明治編)1 曲名・歌詞索引』(国立音楽大学音楽研究所 1985 (音楽研究所年報第5集〔昭和58年度〕別冊〔3〕)【KD111-102】)
明治期の唱歌集に掲載された唱歌、約15,000曲を歌い出しから探せます。曲名、作詞・作曲者がわかりますが、掲載図書名は「書名番号」から次の目録で確認します。
『唱歌教材目録 : 明治編』(〔国立音楽大学音楽研究所〕 〔1981〕【KD1-72】)童謡・唱歌索引(国立音楽大学附属図書館ウェブサイト)
大正期から昭和前期に発行された、童謡・唱歌を収録する楽譜・唱歌教材・雑誌を、歌い出しやインチピット(冒頭の旋律)から検索できるデータベースです(歌い出しから検索する場合、検索画面の「検索対象」を「テキスト」に指定します)。
<歌い出し索引付きの資料>
以下に紹介する資料のほか、調べ方案内「童謡・唱歌(国際子ども図書館)」の「歌い出し索引のある童謡・唱歌集」もご覧ください。
〇 唱歌や創作童謡を主に扱っている資料
田村虎蔵[ほか]編『童謡唱歌名曲全集』1-8、続篇、別冊(名著出版 1989 【YM311-1434】)
1931-1932年に刊行された書籍の復刻版です。1-8巻に明治・大正期の童謡・唱歌1412曲が収録されており、別冊に歌い出し索引があります。藤田圭雄[ほか]監修『日本童謡唱歌大系』1-6(東京書籍 1997 【KD319-J68】ほか)
明治から現代までの子どもの歌1300曲が収録されており、第6巻に歌い出し索引があります。安田寛,赤井励,閔庚燦編『原典による近代唱歌集成 : 誕生・変遷・伝播』(ビクター・エンターテインメント 2000 【YU21-210】)
「原典印影」1-5巻、「演奏用楽譜」1-4巻、「収録音源データ集」、「解説・論文・索引」及び30枚のCDから構成されており、783曲が収録されています(韓国、台湾、中国の唱歌も含みます)。『明治・大正・昭和のうた』(梧桐書院 2003 【KH14-H4】)
童謡・唱歌155曲のほか、歌謡曲、軍歌、寮歌、校歌等も収録されています。歌い出し索引は童謡・唱歌のみを対象としています。日本童謡協会編『みんなの童謡200』1・2(河合楽器製作所・出版部 2003 【YM311-H193】【YM311-H289】)
戦後、特に1990年代前後の童謡を中心に200曲が収録されています。齋藤基彦編『明治の唱歌 : 復刻』1-4(文憲堂 2015 【KD319-L41】ほか)
明治期の唱歌集等を復刻、収録した資料です。
〇 わらべ歌(伝承童謡)を扱っている資料
『日本わらべ歌全集』1-27(柳原書店 1979-1992 【KD319-66】)
1-26巻のタイトルは、『○○(各都道府県)のわらべ歌』となっています。27巻は、江戸時代のわらべ歌の資料集『近世童謡童遊集』です。北原白秋編『日本伝承童謡集成』1-6(復刻版 三省堂 2003 【KH14-H13】ほか)
第6巻に「総索引」として歌い出し索引が収録されています。
2-3. 民謡
町田嘉章,浅野建二編『日本民謡集』(岩波書店 1960 【767.5-M247n2】ほか)
民謡225曲の歌詞と解説を掲載しています。服部竜太郎編『日本民謡全集 : 320曲の楽譜と解説』(角川書店 1965 【767.5-H343n8】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
民謡320曲の歌詞と解説を掲載しています。多くの曲に楽譜も付されていますが、楽譜のない曲もあります。仲井幸二郎[ほか]編『日本民謡辞典』(東京堂出版 1972 【KG2-G5】ほか)
曲目や分類語彙など約900項目を掲げています。浅野建二編『日本民謡大事典』(雄山閣出版 1983 【KD2-112】)
曲目や分類語彙など約2500項目を掲げています。
2-4. 流行歌
堀内敬三, 町田嘉章編『世界音楽全集 19 明治・大正・昭和 流行歌曲集』(春秋社 1931 【760.9-Se1222】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
明治期から昭和初期までの流行歌162曲が収録されています。曲名と歌い出しを一緒にした索引が付いています(索引の数字がページではなく、曲番号を示している点に注意が必要です)。古茂田信男[ほか]編『日本流行歌史』(新版 社会思想社 1994 【KD841-E1204】)
上巻には1868-1937年の571曲、中巻には1938-1959年の450曲、下巻には1960-1994年の668曲が収録されています。『ベストヒット大全集』1999-2014年版(ブティック社 1998-2013 【Y94-L11980】ほか)
雑誌『月刊歌謡曲/ゲッカヨ』の編集部により毎年刊行されていたムックで、各年版に、直近のヒットソングを含む2000曲以上が収録されています(最後の刊行となった2014年版のみ、2000を下回る1986曲の収録となっています)。
3. 参考となる資料、ウェブサイト
倉田喜弘, 岡田則夫監修『大正期SP盤レコード 芸能・歌詞・ことば全記録』1-11(大空社 1996-1997 【KD355-G8】)
戦前は、レコード会社などが出す文句集という資料に、歌詞を含むレコードの内容が掲載されていました。この書籍には、大正期の複数の文句集が復刻、収録されています。「インターネットで文献探索2022年版」6.1 歌詞と楽譜を探す
歌詞の全文検索が可能なウェブサイトを紹介しています。『インターネットで文献探索 2022年版』(伊藤民雄著 日本図書館協会 【UL41-M18】)のインターネット公開版です。歌ネット(株式会社ページワン)
歌詞の全文検索が可能なウェブサイトで、2023年6月末時点で336,000曲以上、約34,500アーティストの歌詞情報が収録されています。ジャンルはJ-POP、歌謡曲、演歌、アニメソング、童謡・唱歌などを幅広くカバーしています。