労働に関する統計
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科学技術・経済情報室 作成
労働に関する統計には、以下のようなものがあります。ここでは、労働全般に関する統計のほか、雇用、就業状況、労働災害、労働組合などのテーマ別統計を紹介しています。
賃金や労働時間に特化した統計については、賃金・労働時間に関する統計をご覧ください。
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1.公的統計
国の機関や地方公共団体などが作成する統計のことを公的統計といいます。大規模な調査が多く、客観性・信頼性が高いことが特徴です。調査結果の多くは、それぞれの府省庁や地方公共団体などのホームページで公開されています。例えば、厚生労働統計一覧では、厚生労働省が実施しているおもな統計調査や業務統計について、その調査内容、調査対象、調査周期、公表予定、実施担当部局および集計結果表の掲載場所が紹介されています。
労働に関する総合的な統計書には、以下のようなものがあります。
『労働統計要覧』(厚生労働省 年刊)
厚生労働省が作成した労働関係の諸統計を中心に、各省庁および民間において作成される主要な労働経済統計を加えてまとめています。厚生労働省ホームページ内統計要覧一覧のページに、最新版が掲載されています。『労働統計年報』(厚生労働省 年刊)
日本の労働経済および労働情勢の現状と推移について、厚生労働省が作成した統計をまとめています。そのほか、各省庁および海外の労働統計も掲載されています。厚生労働省ホームページ内統計要覧一覧のページに、最新版、バックナンバーが掲載されています。平成29(2017)年をもって刊行を終了しました。掲載表の一部は、『労働統計要覧』に掲載されます。『ユースフル労働統計 : 労働統計加工指標集』(労働政策研究・研修機構 年刊 【Z71-K780】)*
既存の労働統計から計算した指標集です。労働投入量指数、労働生産性指数、賃金コスト指数、労働分配率などが掲載されています。2021年版をもって、冊子体の刊行を終了しました。労働政策研究・研修機構のホームページ内「ユースフル労働統計」に最新版およびバックナンバーが公開されています。『労働統計40年史』(労働大臣官房政策調査部 1988 【EL34-E20】)*
労働統計行政や個別の調査・業務の概観、戦前、戦後の毎月勤労統計調査など各調査の結果を収録しています。
1-1. 基幹統計
国の行政機関が作成する統計のうち、特に重要な統計は総務大臣によって「基幹統計」に指定されています。この基幹統計を中心として、公的統計の体系的整備が図られています。
労働に関する基幹統計には、以下のようなものがあります。
労働力調査(総務省統計局)
- 概要
- 国内の就業や失業などの状況を明らかにすることを目的として実施されています。「就業者数」や「完全失業率」を調査しています。
- 調査対象
- 標本調査区から選定された世帯および世帯員全員が調査対象です。就業状態については世帯員のうち15歳以上の者を対象として調査しています。
- 調査周期
- 昭和21(1946)年9月から試験的に開始され、昭和22(1947)年7月から本格的に開始されました。現在は毎月実施されています。
- 統計表
- 調査結果は、政府統計の総合窓口(e-Stat)、総務省統計局ホームページ内労働力調査のページで公開されます。
冊子体の報告書は、国立国会図書館サーチで「労働力調査」と「総務省統計局」「総理府統計局」をキーワードにして検索することができます。
就業構造基本調査(総務省統計局)
- 概要
- 国民の就業実態に関する調査です。性別および産業別の就業構造や就業異動の実態、就業に関する希望、世帯類型別の就業構造などを調査しています。
- 調査対象
- 標本調査区に居住する15歳以上の世帯員を対象としています。
- 調査周期
- 昭和31(1956)年から昭和57(1982)年までおおむね3年ごと、昭和57(1982)年以降は5年ごとに実施されています。
- 統計表
- 調査結果は、政府統計の総合窓口(e-Stat)、総務省統計局ホームページ内「○年就業構造基本調査」のページで公開されます。
冊子体の報告書は、国立国会図書館サーチで「就業構造基本調査」と「総務省統計局」「総理府統計局」をキーワードにして検索することができます。
このほか、労働に関する項目がある基幹統計には、以下のようなものがあります。
- 船員労働統計(国土交通省)
船員の報酬、雇用などに関する実態を明らかにするために実施されています。報酬、労働時間、休日および有給休暇などに関連する事項を調査します。 - 国勢調査(総務省統計局)
日本の人口・世帯の実態を把握するための調査です。就業者の産業・職業などの経済的属性に関する調査項目があります。 - 学校基本調査(文部科学省)
「卒業後の状況調査」で、中学・高等学校・大学などの卒業者の就業状況が調査されています。
1-2. その他の公的統計
基幹統計のほか、労働に関する公的統計は、政府統計の総合窓口(e-Stat)内)分野から探す、厚生労働省ホームページ内厚生労働統計一覧のページに一覧で掲載されています。ここでは、そのうち代表的なものを紹介します。
労働経済動向調査(厚生労働省)
- 概要
- 景気の変動、労働力需給の変化などが、雇用、労働時間などに及ぼしている影響や、今後の見通しについて、四半期ごとに調査しています。
- 報告書
- 『労働経済動向調査報告』(厚生労働省 年刊 【Z41-705】)
雇用動向調査(厚生労働省)
- 概要
- 主要産業における入職・離職の状況や、その個人別の事情を調査しています。雇用労働力の産業、規模、職業および地域間の移動の実態を明らかにすることを目的としています。
- 報告書
- 『雇用動向調査報告』(厚生労働省 年刊 【Z41-667】)
雇用の構造に関する実態調査(厚生労働省)
- 概要
- その時々の雇用情勢に応じ、毎年テーマ(対象)を替えて実施しています。
- 報告書
- 『就業形態の多様化に関する総合実態調査報告』(厚生労働省 不定期刊)
- 『パートタイム労働者総合実態調査報告』(厚生労働省 不定期刊)
- 『派遣労働者実態調査報告』(厚生労働省 不定期刊)
- 『若年者雇用実態調査報告』(厚生労働省 不定期刊)
- 『転職者実態調査報告』(厚生労働省 不定期刊)
障害者雇用実態調査(厚生労働省)
- 概要
- 身体障害者、知的障害者および精神障害者の雇用者数や賃金、労働時間、職業などを調査する事業所調査と、障害者本人の職場環境、相談相手、将来の不安などを調査する個人調査から構成されていましたが、平成30(2018)年度からは事業所調査のみ行われています。調査は5年ごとに実施されています。
- 報告書
- 『障害者雇用実態調査結果報告書』(厚生労働省 5年に1回刊)
外国人雇用状況の届出状況について(厚生労働省)
- 概要
- 国籍別・在留資格別外国人労働者数や、都道府県別、産業別、事業所規模別の外国人雇用事業所数などを毎年調査しています。
一般職業紹介状況(職業安定業務統計)(厚生労働省)
- 概要
- 新規学卒者以外の公共職業安定所における求人、求職、就職の状況を取りまとめています。
雇用均等基本調査(厚生労働省)
- 概要
- 男女の雇用均等問題に係る雇用管理の実態を把握するため、毎年実施されています。
- 報告書
- 『雇用均等基本調査結果報告書』(厚生労働省 年刊)
労働災害動向調査(厚生労働省)
- 概要
- 主要産業における労働災害の発生状況を明らかにすることを目的として、事業所調査は年1回、総合工事業調査は半期ごとに実施されています。労働者の延べ実労働時間数、労働災害による労働不能程度別死傷者数など調査されています。
- 報告書
- 『労働災害動向調査報告』(厚生労働省 年刊 【Z41-920】)
労使関係総合調査(労働組合基礎調査)(厚生労働省)
- 概要
- 労働組合および労働組合員の産業、企業規模、加盟上部組合別の分布など、労働組合組織の実態を明らかにすることを目的として、毎年実施されています。
- 報告書
- 『労働組合基礎調査報告』(厚生労働省 年刊 【Z41-749】)
労使関係総合調査(実態調査)(厚生労働省)
- 概要
- 日本の労働組合、労使関係に関する基礎的な調査です。毎年テーマを変えて実施されています。
- 報告書
- 『労使間の交渉等に関する実態調査報告 : 労使関係総合調査』(厚生労働省 不定期刊)
- 『労使コミュニケーション調査報告 : 労使関係総合調査』(厚生労働省 不定期刊)
- 『労働組合活動等に関する実態調査報告 : 労使関係総合調査』(厚生労働省 不定期刊)
- 『労働組合活動実態調査報告 : 労使関係総合調査』(厚生労働省 不定期刊)
労働争議統計調査(厚生労働省)
- 概要
- 労働争議の発生件数、参加人数、要求事項別件数、産業別件数などを毎年調査しています。
- 報告書
- 『労働争議統計調査年報告』(厚生労働省 年刊 【Z41-716】)
2.民間統計
民間の機関が刊行する、労働に関する統計をまとめた情報源には、以下のようなものがあります。
- 『活用労働統計』(日本生産性本部生産性労働情報センター 年刊 【Z41-81】)*
労働経済関連の統計を包括的にまとめています。雇用、賃金、労働組合、国際比較データなど、一部の長期時系列データも含め、幅広く取り扱っています。
3. 海外の統計
『データブック国際労働比較』(労働政策研究・研修機構 年刊)*
日本と諸外国の労働統計を比較してまとめています。労働政策研究・研修機構ホームページ内データブック国際労働比較に最新版、バックナンバーが掲載されています。ILO(国際労働機関)(国立国会図書館リサーチ・ナビ)
ILOでは、世界の労働、雇用に関する各種統計を作成しています。統計表はILOSTATで検索できるほか、冊子体でも発行されています。OECD(経済協力開発機構)(国立国会図書館リサーチ・ナビ)
OECD加盟国の経済・社会・教育などに関する統計を紹介しています。労働、雇用に関する統計も紹介しています。統計表はOECD Data Explorerで検索できます。
このほか、海外の統計に関する資料には、以下のようなものがあります。
- "Handbook of U.S. labor statistics"(Bernan Press 年刊 【Z61-H64】)
- "Employment, hours, and earnings, states and areas"(Bernan Press 年刊 【Z61-J440】)