ブラティスラヴァ世界絵本原画展
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1. 概要
ブラティスラヴァ世界絵本原画展(Biennial of Illustrations Bratislava: BIB)は、スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァにおいて隔年(西暦奇数年)で開催される、世界最大規模の絵本原画展です。1965年にユネスコと国際児童図書評議会(IBBY)の提唱により創設、1967年に第1回が開催され、2015年には第25回目で、50周年を迎えました。現在、ユネスコとIBBYの後援により、スロヴァキア共和国文化省の協力を得て開催され、スロヴァキア国際児童芸術館(BIBIANA)が主催しています。
ボローニャ国際絵本原画展が絵本画家への登竜門であるのに対し、BIBはすでに活躍している画家のコンクールです。日本は1967年の第1回から出展しており、近年は国内数か所の美術館等で、巡回展が開催されています。
2. 出展および選考方法
審査対象は絵本として実際に刊行された原画に限られています。この原画コンクールは、一つの国から最大15名の画家しかエントリーできないため、IBBYないしユネスコの各国支部を通じて出展することになっています。日本では、一般社団法人日本国際児童図書評議会(JBBY)が任命する画家、編集者、美術館学芸員等による国内審査員が審査に当たっています。
その後、国ごとに選ばれた画家の作品がノミネートされ、専門家、研究者、イラストレーター、出版関係者、図書館関係者等からなる、出版国・大陸・文化も様々な国際審査員による審査が行われます。最終審査で11名に絞られ、まず「グランプリ(Grand Prix)」1名が選ばれ、残りの10名より「金のりんご賞(BIB Golden Apple / Zlaté jablko BIB)」5名を選出し、残り5名が「金牌(BIB Plaque / Plaketa BIB)」となります。
そのほかにも傑出した出版活動に対して出版社に授与する「出版社賞(Honorary Mention BIB to the Publisher / Čestné uznanie BIB vydavateľstvu)」等があります。また、1992年からスロヴァキアに住む子どもたちによって選ばれる「子ども審査員賞(BIB Children's Jury Award / Cena Detskej poroty BIB)」が、2013年からスロヴァキアのイラストレーションを奨励するためにスロヴァキアの若手イラストレーターに贈る「ブラティスラヴァ市長賞(Award of the Mayor of the capital city Bratislava / Cena primátora hl. mesta Bratislavy)」が加わりました。
3. 過去のおもな日本人画家受賞作品
3-1. グランプリ
- 1967年 瀬川康男『ふしぎなたけのこ』(福音館書店 1963)【Z32-210】
- 1999年 中辻悦子『よるのようちえん』(福音館書店 1998)【Y17-M98-847】
- 2003年 出久根育『あめふらし』(パロル舎 2001)【Y18-N02-321】
3-2. 金のりんご賞
- 1969年 田島征三『ちからたろう』(ポプラ社 1967)【Y17-114-[5]】
- 1971年 丸木位里・丸木俊『日本の伝説』(第1巻、第2巻)(講談社 1970)【Y7-2028】
- 1973年 梶山俊夫『かぜのおまつり』(福音館書店 1972)【Z32-210】
- 1977年 安野光雅『あいうえおの本』(福音館書店 1976)【Y17-4723】
- 1979年 安野光雅『旅の絵本Ⅱ』(福音館書店 1978)【Y17-5181】
- 1979年 谷内こうた『のらいぬ』(至光社 1978)【Y17-8356】
- 1981年 谷内こうた『つきとあそぼう』(至光社 1979)【Y17-8427】
- 1983年 藤城清治『銀河鉄道の夜』(講談社 1982)【Y17-9151】
- 1989年 瀬川康男『絵巻平家物語 清盛』(ほるぷ出版 1987)【Y8-4892】
- 1997年 梶山俊夫『わらべうた』(福音館書店 1997)【Y18-12526】
- 1997年 北見隆『聖書物語』(ほるぷ出版 1997)【Y18-12760】
- 1999年 関屋敏隆『オホーツクの海に生きる』(ポプラ社 1996)【Y18-11787】
- 2001年 高部晴市『やまのじぞうさん』(架空社 1999)【Y17-N00-169】
- 2013年 きくちちき『しろねこくろねこ』(学研教育出版 2012)【Y17-N12-J191】
- 2013年 はいじまのぶひこ『きこえる?』(福音館書店 2012)【Y17-N12-J368】
- 2015年 ミロコマチコ『オレときいろ』(WAVE出版 2014)【Y17-N14-L1018】
- 2017年 荒井真紀『たんぽぽ』(金の星社 2015)【Y11-N15-L223】
4. 関連資料
- 『「ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)」日本国内巡回展 : 図録』(日本国際児童図書評議会 2000【KC511-H22】)
1967年から1999年までの歴代受賞者リストおよび1967年から1997年までの日本からの歴代出展画家と作品リストも載っています。 - 『「ブラティスラヴァ世界絵本原画展とスロヴァキア絵本芸術の巨匠たち」日本国内巡回展図録』(日本国際児童図書評議会 2002【KC511-H7】)
1967年から2001年までの歴代受賞者リストおよび1967年から1999年までの日本からの歴代出展画家と作品リストも載っています。 - 『ブラティスラヴァ世界絵本原画展 : 広がる絵本世界』(うらわ美術館 c2004 【KC511-H60】)
- 『ブラティスラヴァ世界絵本原画展 : 世界の絵本がやってきた』(美術館連絡協議会 c2006【KC511-H81】)
- 『ブラティスラヴァ世界絵本原画展 : 歴代グランプリ作家とその仕事』(美術館連絡協議会 c2008 【KC511-J20】)
1967年から2007年までの日本人歴代受賞者のリストも載っています。 - 『ブラティスラヴァ世界絵本原画展 : 世界の絵本がやってきた』(美術館連絡協議会 c2010 【KC511-J78】)
- 『ブラティスラヴァ世界絵本原画展 : 広がる絵本のかたち : 特別展示 : 日本のしかけ絵本』(美術館連絡協議会 c2012 【KC511-J111】)
- 『ブラティスラヴァ世界絵本原画展 : 絵本をめぐる世界の旅』(読売新聞社 c2014 【KC511-L64】)
- "Príbeh BIB : polstoročie Bienále ilustrácií Bratislava vo faktoch a obrazoch = Story of BIB : half-a-century of Biennial of illustrations Bratislava in facts and images" (Bibiana 2015 【YZ-B3265】)
事務局であるBIBIANAが、50周年を記念して、次の関連資料とともに出版。1996年から2015年までの全ての受賞作品が、作品の写真とともに掲載されています。 - "Príbeh BIB : polstoročie Bienále ilustrácií Bratislava v spomienkach = Story of BIB : half-a-century of Biennial of illustrations Bratislava in memoirs" (Bibiana 2015 【YZ-B3266】)
- 『ブラティスラヴァ世界絵本原画展 : 絵本の50年これまでとこれから : BIB 50周年』(読売新聞社 c2016 【KC511-L116】)
5. 関連サイト
- Biennial of Illustrations Bratislava
事務局であるBIBIANAの公式サイトで、スロヴァキア語版と英語版のページで構成されています。また、過去の受賞作品を、画家名、受賞名や受賞年、国ごと等で調べられます。 - 児童文学賞一覧(海外の主な児童文学賞)
国際子ども図書館ウェブサイトで、ブラティスラヴァ世界絵本原画展賞についての記載があります。