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出版人を調べる

書籍・雑誌の制作・流通に関わる出版・書店関係者などいわゆる「出版人」(しゅっぱんじん)を調べるツールを紹介します

書誌事項末尾の【 】内は当館請求記号です。

1. 人名事典類から探す

1-1. 専門人名事典

1-2. 業界人名録

人名録に没年は記載されていませんが、人名事典として使えるので復刻されることがあります。活躍年代を想定し、その時代の人名録を検索します。

1-3. 業界人の列伝

代表的なものとして以下の資料があります。また、こうした資料の中には「件名」として、「編集者」といった職業名や「-- 伝記」といった件名細目が付与されているものがあり(例えば「出版 -- 伝記」、「出版 -- 日本 -- 伝記」)、国立国会図書館サーチではこれらの件名から検索することができます。

一部の史料は、当館作成の日本人名情報索引(人文分野)に人物名が採録されています。

1-4. 専門書誌から伝記を探す

2. 出版社から調べる

2-1. 業界別人名録

以下のような出版社を対象とする会社録には社長の略歴が掲載されています。

石川巧 編『高度成長期の出版社調査事典』全8巻(金沢文圃閣 2014-2016 【UE4-L1ほか】)は以上の資料と『出版社要録』(東京産経興信所 1959 当館未所蔵)を合わせた復刻版です。

近年出版されたものとして以下の資料があります。

  • 文化通信社 編『新聞人・出版人』(文化通信社 2020- 【Z72-T976】)
    新聞・出版・書店・取次等各社の代表者のプロフィールが掲載されています。

2-2. 会社紹介リスト

社史が出版されていない会社の場合、会社紹介の類で、創業者の情報などがわかる場合があります。

  • 日本著作権協議会 編『文化人名録』(日本著作権協議会 1951-2001 【281.03-B97-Nほか】)
    別書名『著作権台帳』。昭和30年代までの版には、「加盟団体名簿」「維持会員名簿」「会友名簿」に出版社ごとの沿革、事業(主な出版物)、組織、資本金、従業員数、役員名などを記載しています(昭和30年版で約90社)。
  • 『日販三十年のあゆみ』(日本出版販売 1980 【UE111-48】)
    「出版社紹介(及び業界団体紹介)」に、約500社の自社紹介記事があります。
  • 『東京組合四十年史』(東京都書店商業組合 1982 【UE3-19】)
    別冊「業界各社・各団体の歴史と現状」に、158社の自社紹介記事があります。
  • 塩澤実信 著『出版社大全』(論創社 2003 【UE57-H19】)
    『日販通信』連載記事を単行本化したものです。120社を紹介しています。
  • 日外アソシエーツ編集部 編『地方・小出版事典』(日外アソシエーツ 1997 【UE4-G1】)
    会社によっては代表者・創業者のプロフィールが掲載されています。
  • 田中治男 著『書店人国記』(1977-1992)
    『書店経営』【Z21-169】連載記事を単行本化したもので、各県の書店とその関係者を紹介しています。第1巻(沖縄・宮城・静岡・香川)・第2巻(埼玉)・第3巻(福岡)・第4巻(広島・三重)が刊行されています。『書店経営』にはこのほか、新潟県・兵庫県・千葉県が連載されました。

3. 機関誌、業界誌、専門誌などを通覧する

人名の総索引が付いた雑誌はほとんどありませんが、あらかじめ没年月が判明していれば、通覧して訃報記事、追悼記事などを見つけることができます。(以下は大まかな年代順)

  • 『出版通信・出版同盟新聞』全11冊(復刻版 新文化通信社 2001 【Z99-1055】)
    当館所蔵は142号(1932年11月30日)~1113号(1943年6月10日)です。索引はありません。
  • 『日本古書通信』(日本古書通信社 1934- )
    1号(1934年1月25日)~[146号(1941年10月)] 【Z21-1776
    12巻1号(1947年6月)~14巻9号復刊28号(1949年9月) 【VH1-N349
    14巻1号復刊20号(1949年1月)~ (欠多し) 【Z21-160
    1984年刊の総目次【VG1-377】に物故者索引「日本古書通信掲載忌辰録索引1934-1983」(pp.17-33)があります。上述の『明治新聞雑誌関係者略伝』は本誌の連載をまとめたものです。
  • 『古書月報』(東京都古書籍商業協同組合 隔月刊 【Z21-178】)
    当館所蔵はNo.61(1953年6月)からです(欠多し)。なお、戦前の『公認東京古書籍商組合月報』は当館未所蔵です。
  • 東京堂編『出版年鑑』(文泉堂出版 1977-1978 【UP3-10】)
    昭和5年版~昭和23年版の複製です。戦前版は「逝ける人々」欄を1930年版(1929年没)から1941年版(1940年没)まで掲載しており、国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できます。(例:昭和7年版
  • 『出版新報』(出版新報社 1948-1964 【YB-1624】)
  • 『帆刈出版通信』(帆刈出版研究所)
    69号(1947年5月8日)~191号(1949年9月29日) 【VH3-H56
    259号(1951年1月4日)~356号(1952年11月27日)、396号(1953年9月10日)~399号(1953年10月1日) 【Z21-1034
  • 『新文化』(新文化通信社 [1950.12.21]- 週刊 【Z86-84】)
    当館所蔵は1968年12月12日号からです。1972年以降分には縮刷版【Z99-92】があります。後述の『出版クラブだより』に掲載されない小売業界(新刊書店)の訃報が載っています。また、1970年代の連載記事「出版交友録」には、プロフィールが載っています。
  • 『出版クラブだより[復刻版]』(日本出版クラブ [19--]-2007 【Z79-B350】)
    当館所蔵は1号(昭和30年3月1日)~6号(昭和32年6月1日)、復刊1号(昭和39年3月30日)~[復刊]no. 500 (平成18年10月1日)。出版社、取次関係者の訃報が載っています。上述の『日本の出版界を築いた人びと』の続き(第2部)が連載されています。

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