旧満州の都市地図1 総論
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問合せの多い旧満州の都市地図について、東京本館地図室に開架している資料を中心にご紹介いたします。
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1. 資料紹介
1-1. 満州総覧
- 『満洲分省地図 : 地名総覧』(国際地学協会編, 国書刊行会 1980.12 【YP7-100】:目次情報)(地図室・アジア開架・国立国会図書館デジタルコレクション:図書館・個人送信)
省別の地図と地名索引があります。また各省について、行政官庁、企業、その他主要機関の所在地一覧が掲載されています。「全国市街名一覧」(市、街は行政区画)と「全国並びに関東州駅名索引」があります。市街の詳しい様子は判別できませんが、該当する都市の位置関係を把握するのに便利です。
元資料である『満洲帝国分省地図並地名総攬 : 満洲建国十周年記念』(国際地学協会, 昭和17 【428-125】)は、国立国会図書館デジタルコレクションでログインせずに内容をご覧いただけます。
1-2. 都市地図集
市街の様子が分かる地図としては、以下のものがあります。
- 『近代中国都市地図集成』(地図資料編纂会編, 柏書房 1986.5 【YP7-130】:目次情報)(地図室・アジア開架)
北京、台北など主要35都市の1920年代から1930年代までの市街図を収録しています。鞍山(1918年)、瀋陽(旧奉天)(1934年)、大連(1918、1922、1931年)、長春(旧新京)(1934年)、吉林(1938年)、哈爾濱(1939年)、撫順(1927年)の市街図が掲載されています。 - 『中国商工地図集成』(地図資料編纂会編, 柏書房 1992.10 【YP7-158】:目次情報)(地図室・アジア開架)
昭和4年〜昭和11年に刊行された『大日本職業別明細図』を復刻集成しています。第229号(長春・奉天・哈爾濱・撫順・吉林)、第471号(奉天)、第485号(鞍山)、第234号(旅順・大連)などが収録されています。 - 『近代アジア・アフリカ都市地図集成』(中川浩一編, 柏書房 1996.6 【YP7-167】:目次情報)(地図室・アジア開架)
瀋陽(1913;1920年、ともに縮尺2万分1)、大連(1913年;3万、1917年;1.5万、1920年;2万)、吉林(1920年、3万)、長春(1913年;1.4万、1920年;4万)、哈爾濱(1913年;4万、1920年;3万)、旅順(1913年;1.5万、1920年;4万)、の都市地図が収録されています。 - 『中国城市地図集』(中国地図出版社 1994 【G71-C2】) 上册 / 下册 (地図室・アジア開架)
中国の450の都市の地図が掲載されています。最近の市街の状況を確認できます。 - 『南満洲鉄道沿線主要市街略図』(関東庁 1929 【292.251-Ka481m】) *禁電子式複写 *
瓦房店(8千分1)、熊岳城(1万2千分1)、蓋平(1万2千分1)、大石橋(1万分1)、営口(1万5千分)、鞍山(2万5千分1)、遼陽(1万5千分1)、遼寧(奉天)(1万5千分1)、撫順(1万2千分5百分1)、鉄嶺(1万5千分1)、開原(1万5千分1)、昌図(1万2千分1)、四平街(1万5千分1)、郭家店(9千分1)、公主嶺(1万5千分1)、范家屯(6千分1)、長春(1万分1)、本溪湖(1万分1)、鷄冠山(9千分1)、安東(2万分1)の市街図が掲載されています。
1-3. 地形図集
市街の詳しい様子は判別できませんが、都市とその周辺の位置関係などを確認できる地形図類を集めた地図帳として、以下の資料があります。
- 『中国大陸二万五千分の一地図集成』(科学書院 1989.6 【YP7-143】)
1 / 2 / 3 / 4 / 索引図 (地図室・アジア開架)
20世紀初頭-1945(昭和20)年に旧陸軍参謀本部陸地測量部が測量・製版した2万5千分の1地形図(正式の地形図に先立つ略図も含む)を原寸で複製したものです。旧満州の一部地域についても収録されています。索引図はデジタル化済みです(図書館・個人送信)。また、別冊として『中国大陸地図総合索引 1』【G62-H3】(地図室・アジア開架)があります。 - 『旧満州五万分の一地図集成』(陸地測量部〔作製〕, 科学書院 1985.9 【YP7-151】)(地図室開架)
1932-1935年に旧陸軍参謀本部陸地測量部と関東軍が測量・製版した5万分の1地形図(正式の地形図に先立つ略図も含む)と、1935年以降に旧陸軍参謀本部陸地測量部等が作成した5万分の1地形図を原寸で複製したものです。別冊として『中国大陸五万分の一地図集成 索引図』【YP7-129】(地図室・アジア開架・国立国会図書館デジタルコレクション:館内限定)、『中国大陸地図総合索引 1』【G62-H3】(地図室・アジア開架)がありますので、詳細は索引図でご確認ください。 - 『中國大陸十萬分の一地圖集成 1-3』(中國地圖資料研究會編, 科学書院 [2006] 【YG17-M13-1】)(地図室開架)
旧帝国陸軍陸地測量部が刊行した10万分の1地形図の複製版を集成したものです。1-3巻が満州編として刊行されています。
1-4. 参考資料
単体の地図ではありませんが、当時の各都市の様子を知る上で参考となる資料をご紹介します。
- 『世界地理風俗大系 第1巻 満州』(新光社 1930 【290.8-Se1222-S】)(国立国会図書館デジタルコレクション:図書館・個人送信)
戦前の満州の地理案内書です。主な都市については、挿図として市街図が掲載されています。資料保存のため、ご利用いただけるのはデジタル化資料のみです。 - 『満鉄附属地経営沿革全史』(龍渓書舎 1977)【DK55-32】
昭和14(1939)年に南満州鉄道株式会社が発行した経営史の複製版です。中巻と下巻の各部の冒頭に、各管内の鉄道附属地(所有地)の大縮尺の市街図が収録されています。資料保存のため、ご利用いただけるのはデジタル化資料のみです。(上巻、下巻:図書館・個人送信、中巻:館内限定) - 『南満州鉄道旅行案内』(南満州鉄道)
- 1917年版 【GE357-H55】(国立国会図書館デジタルコレクション)
- 1924年版 【96-524ロ】(国立国会図書館デジタルコレクション)
- 1929年版 【GE357-78】(国立国会図書館デジタルコレクション)
当時の旅行案内です。満州鉄道の各駅について解説しており、挿図として市街図などが掲載されている場合があります。資料保存のため、ご利用いただけるのはデジタル化資料のみです。
1-5. その他の資料
上記以外に、一枚ものの都市地図(市街図)や地形図(「外邦図」の項参照)も所蔵しています。
また、当該都市に関する案内記、歴史写真帳、個人の回想録などの図書資料に挿図として市街図が掲載されている場合もあります。
いずれも国立国会図書館サーチにて所蔵を確認できます。キーワード欄に都市名を入力して検索してください。
2. 利用方法
開架資料については、各閲覧室内にてご自由に手にとってご覧いただけます。
その他の資料はすべて閉架資料です。閲覧に際しては、国立国会図書館サーチから検索の上、お申込み下さい。閲覧申込画面で必ず資料の「受取場所」をご確認ください。
関連情報
- 旧満州の地名
- 旧満州の都市地図2 奉天(現・瀋陽)
- 旧満州の都市地図3 新京(現・長春)
- 旧満州の都市地図4 旅順
- 旧満州の都市地図5 撫順
- 旧満州の都市地図6 哈爾濱
- 旧満州の都市地図7 斉斉哈爾
- 旧満州の都市地図8 牡丹江