沖縄(終戦から日本復帰まで(1945-1972):琉球政府ほか)
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議会官庁資料室 作成
沖縄(1945-1972:琉球政府ほか)
ポツダム宣言受諾の後、日本は連合国に占領されましたが、沖縄県及び北緯30度以南の鹿児島県奄美諸島は、日本政府から行政上分離され米国に占領されました。日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)発効後も、同条約第3条に基づき、沖縄県及び北緯29度以南の鹿児島県奄美諸島は、引き続き、米国により統治されました。その後、奄美諸島が1953年12月25日、沖縄が1972年5月15日に米国から日本へ返還されました。
上記地域は、在沖縄米国政府の下、当初は、奄美大島、沖縄、宮古、八重山の四群島に分割統治され、自治組織として、沖縄群島に沖縄諮詢会、宮古・八重山・奄美大島群島に、支庁が設置されました。その後、自治行政組織として、1946年から1947年にかけて各群島に民政府が設置され、1950年11月に民政府に代わるものとして日本の地方自治法に準拠した制度である群島政府が各群島に設置されました。1951年4月1日に琉球臨時中央政府が設置され、1952年4月1日に琉球臨時中央政府が各群島政府を吸収する形で琉球政府が設置されました。
<在沖縄米国政府>
1950年12月14日まで米国軍政府による軍政が行われていましたが、1950年12月15日に琉球列島米国民政府(The United States Civil Administration of the Ryukyu Islands, USCAR)が設立され、以後、同民政府による統治が行われました。在沖縄米国政府の立法の形式は、布告、布令、指令等でした。
法令集
- "USCAR legislation, 1957. A complete collection of outstanding proclamations, ordinances and directives with amendments thereto issued by the United State Civil Administration of the Ryukyu Islands and its predecessors since 1945. Effective 31 May 1957."【CR7-3-1】
- 『アメリカの沖縄統治関係法規総覧』【CR7-3-6】
- 『琉球法令集』【CR7-3-3】
布告、布令、指令の改廃経過については、以下の資料に一覧表が有ります。 - 『沖縄復帰の記録』【GC311-168】
また、琉球列島米国民政府(The United States Civil Administration of the Ryukyu Islands, USCAR)等の在沖縄米国政府の文書等については、憲政資料室の"Records of the U.S. Civil Administration of the Ryukyu Islands (USCAR) 1945-72"のページをご覧ください。
判例集
上級審を「米国民政府上訴審裁判所」、下級審を「米国民政府刑事裁判所」「米国民政府民事裁判所」とする裁判所(以下「米国民政府裁判所」)が設置されており、(1)米国の安全・財産・利害に影響を及ぼす重大事件、(2)米軍人、軍属、政府職員及び琉球人を除く家族が当事者である事件、などについて在沖縄米国政府が裁判権を行使すべきと判断した事件を扱っていました。
当館での米国民政府裁判所の判例集の所蔵はありません。
<琉球政府などの自治組織>
琉球政府は、在沖縄米国政府の布告・布令・指令に反しない限りにおいて立法権が認められており、立法院で「立法」と呼ばれる法形式の法令を制定していました。
法令資料
公報
(琉球臨時中央政府時代以前(1951年3月以前))
臨時北部南西諸島政庁及び奄美群島政府の公報のみ所蔵しています。
- 『奄美史料. 第23-27巻』【GC294-15(第23-26巻)、CR7-1112-G1(第27巻)】
以下の公報の複製版を収録
『公報』第1号(1947年4月5日)-第88号(1951年1月15日)
『奄美群島公報』第89号(1951年2月5日)-第100号(1952年1月5日)
(琉球政府(1952年4月-1972年5月)) - 『公報』【CR7-2-1】欠多数
当館では網羅的に所蔵をしておらず、また、資料の状態が余り良くないので、インターネット上で閲覧可能な沖縄県公文書館の琉球政府公報のページの利用をお薦めします。以下の機関から発行された公報類を見ることができます。
(民政府)
・沖縄民政府(1946年6月1日-1950年10月27日)
・ 臨時北部南西諸島政庁(1947年4月5日-1950年11月10日)
(群島政府)
・沖縄群島政府(1950年11月4日-1952年5月6日)
・八重山群島政府(1951年5月5日-1951年8月20日)
・奄美群島政府(1950年12月15日-1952年1月5日)
(琉球臨時中央政府以降)
・琉球臨時中央政府(1951年7月31日-1952年3月31日)
・琉球政府(1952年4月18日-1972年5月13日)
法令集
- 『琉球現行法規総覧 昭和47年5月13日現在』【CR7-3-4】
- 『現行琉球法規 昭和40年9月10日現在』【CR7-3-5】
判例資料
判例集
上級審を「琉球上訴裁判所」、下級審を「巡回裁判所」「治安裁判所」とする裁判所(以下「琉球政府裁判所」)が設置されていました。琉球政府裁判所では、米国民政府裁判所に管轄が属する事件以外は、原則、裁判権を有するとされました。
なお、琉球政府裁判所は、1968年に上級審を「琉球高等裁判所」下級審を「地方裁判所」「家庭裁判所」「簡易裁判所」に改組されました。
- 『裁判所報』【CR7-771-1】
- 『琉球上訴裁判所判例集』【CR7-2113-2】
- 『琉球高等裁判所判例集』【CR7-2113-1】
- 『琉球下級裁判所裁判例集. 第1-5巻』【CR7-2113-3】
- 『琉球下級裁判所判例集』【CR7-2113-3】
議会資料
立法院(第1回議会(1952年4月1日開会)~第49回議会(1972年5月14日閉会))
立法院は琉球政府における立法機関で、「琉球政府の設立」(1952年2月29日米国民政府布告第13号)により設立されました。
会議録
本会議録
『琉球立法院会議録』【BR7-5-2】
所蔵:第8回議会(1956年4月)~第49回議会 (1972年5月)(欠:第14,15,17,18回議会)
委員会会議録
『琉球立法院委員会議録』【BR7-7-1】
所蔵:第12回議会(1958年6月)~第49回議会(1972年5月)(欠:第17回議会)
LINK
沖縄県公文書館のHPで、第1回からの本会議の会議録を閲覧できます。
立法案
『琉球立法院会議録』【BR7-5-2】
所蔵:第8回議会(1956年4月)~第49回議会 (1972年5月)(欠:第14,15,17,18回議会)
立法案の本文が掲載されています。
『琉球政府立法院議会時報』【BR7-8-1】
所蔵:1号(1954年4月)~27号(1972年)(欠:8号)
各会期の立法案について、発議者、件名、審議結果を掲載。
『議会制定法審議要録』【BR7-5-1】
所蔵:25回(1964年2月)~42回(1970年8月)(欠:第28-30回)
第25回議会から第42回議会における立法案の発議理由・審議経過等を掲載。また、第25回議会から第33回議会については、発議案も併せて掲載。
『資料. 1(改訂版)(第1回議会-第41回議会)』【BR7-8-2】
立法院議事記録部による資料集。立法院が可決した立法案のうち、米国民政府の承認を得られず廃案になったものについて、その拒否理由を掲載。
LINK
沖縄県公文書館のHPで、第1回からの本会議の会議録を閲覧できます。
予算・決算
『予算』【BR7-4-2】(1961年度~1972年度)(欠:1962年度)
『一般会計予算の説明』【BR7-4-3】(1969,1970年度)
『一般会計特別会計歳入歳出決算』【BR7-4-1】(1958年度~1971年度)
議員名鑑
『資料. 1(改訂版)(第1回議会-第41回議会)』【BR7-8-2】
第1回~第8回の立法院議員総選挙選出議員について、選挙区、年齢、所属会派、常任委員会を掲載。
『沖縄県議会史. 第22巻 (資料編 19 議員名鑑)』【AZ-1392-H715】
群島議会議員、立法院議員の氏名を顔写真付きで掲載。また、沖縄諮詢会委員他、非公選議員等の一覧も掲載。
選挙結果
『資料. 1(改訂版)(第1回議会-第41回議会)』【BR7-8-2】
第1回(昭和27年執行)~第8回(昭和43年執行)立法院議員総選挙、行政主席選挙(昭和43年執行)の選挙結果を掲載。
『選挙結果調 : 群島知事、群島議会議員、1952-1960年立法院議員』【Y121-470-267】
群島知事、群島議会議員選挙(昭和25年執行)、第1回(昭和27年執行)~第5回(昭和35年執行)立法院議員総選挙の選挙結果を掲載。
『選挙結果調 : 立法院議員、行政主席、群島知事、群島議会議員』【AR7-251-1】
第8回(昭和43年執行)立法院議員総選挙、行政主席選挙(昭和43年執行)の選挙結果を掲載。付録として、群島知事、群島議会議員選挙(昭和25年執行)、第1回(昭和27年執行)~第7回(昭和40年執行)立法院議員総選挙の選挙結果を掲載。