青森県立図書館デジタルアーカイブ(青森県立図書館)

2019年4月から新しく連携を開始させていただきました。
連携を担当いただいた、青森県立図書館奉仕課の原田様にお話を伺いました。
(2020年3月27日書面インタビュー回答)

基本情報(2020年4月時点)
アーカイブ概要青森県立図書館が所蔵する貴重資料や郷土資料をデジタル化して公開するウェブサイト。
https://www.plib.pref.aomori.lg.jp/digital-archive/Leave the NDL website.
※当時URL:https://www.plib.pref.aomori.lg.jp/top/digital/index.html
メタデータ件数494件
連携方式ファイル提供による連携(CSV)
連携調整期間
  • 連携打診:2018年12月頃
  • リリース:2019年4月

NDL:原田様がご自身で開発、保守を担当されていると伺いましたが、アーカイブを構築し、データを提供していく中で意識されていることはございますか?

青森:ベンダ製システムを導入する予算のない中、デジタル化した郷土資料を何とかして公開できないかとの思いから、2015年9月に青森県立図書館デジタルアーカイブ(以下、「青デジ」)を開設しました。
既存のWEBサーバ内に素人が構築したものなので、機能や登録データ件数などはベンダ製システムに及びませんが、公開したデータについてはできるだけ自由に活用してもらえるような仕組みづくりを心がけています。

NDL:「おまけLeave the NDL website. ※」ページや後ほどお伺いするライセンス表示等もその仕組みの一環でしょうか? 仕組みについて、詳しくお聞かせいただければと思います。おまけページ、とても楽しく拝見いたしました。
※当時URL:https://www.plib.pref.aomori.lg.jp/top/digital/gift.html

青森:ありがとうございます。
仕組みといっても、ライセンスの表示や書誌情報オープンデータセットの配布と、「こんなことに使ってもいいんだ」と思っていただけるように「おまけ」を用意したことくらいです。
自由な活用のためにはIIIFの導入が必要だと思いますが、残念ながら青デジでは今のところ対応できていない状況です。


NDL:国立国会図書館サーチ(以下、NDLサーチ)と連携した、きっかけや理由についてお聞かせください。貴館アーカイブでは構築時から、NDLサーチ等、外部データベースとの連携を考えていらっしゃったのでしょうか?

青森:当初から、青デジをより多くの方に活用してもらうためにはNDLサーチ等との連携が必要不可欠だとの思いはありました。ただ、OAI-PMHの実装などの技術的な要件を満たすことができない状況では、諦めざるを得ないだろうとも考えていました。
そのような中、NDLサーチとの連携の可能性について、2018年12月に国会図書館の方からお話をいただき、渡りに船という思いでぜひお願いしたいと回答しました。

NDL:NDLサーチとしましても、今後はAPI連携だけではなく、ファイルでメタデータを提供いただく形の連携も積極的に進めていければと考えているところでした。
NDLサーチの「新規に連携を希望される機関の方へ」というページの記載もこの方針に合わせて変更いたしました。


NDL:連携調整時に苦労された点などはあったでしょうか? 連携調整時の体験談を伺わせて下さい。

青森:マッピング案を国会図書館の方が作成・提示して下さったことに加え、青デジが小さな内製システムということもあり、特に困難な点はありませんでした。その分、国会図書館の方にはお手数をおかけしたことと思いますが、大変感謝しています。

NDL:いえいえ、迅速かつ柔軟にご対応いただき、こちらこそ、誠にありがとうございました!


NDL:NDLサーチとファイル提供の形で連携いただいていますが、これまでに感じた良い点、困った点はございますか?

青森:良い点は、通信プロトコルの実装が難しい場合でも連携が可能なことです。青デジでは書誌情報のcsvファイルをjsonファイルに変換してメタデータとしていますが、このcsvファイルをNDLサーチに提供するファイルに流用できるので助かっています。
困った点(というほどのことでもないのですが…)は、青デジのデータが随時更新なのに対し、NDLサーチに提供するデータの更新が年1回程度に限られるため、利用者から「青デジに掲載されている資料をNDLサーチで検索したが、ヒットしなかった」などの問合せを受けることです。

NDL:ありがとうございます! ファイル連携の場合、更新にタイムラグがありご迷惑をおかけしております。なんとか改善できるように努めていきたいです…。


NDL:貴館アーカイブではライセンスの表示やデータセットの公開を進められていますが、その検討経緯等について差し支えない範囲でご教示ください。

青森:
(1) 画像について
開設当時は「図書館資料は県の財産。第三者の不適切な使用により問題が発生した場合はどうするのか」といった懸念の声が館内に強くあったことから、二次利用についてはやむを得ず事前申請を求めることとしました。
その後、オープンデータ化の一環として、二次利用については申請不要とすることを改めて提案して館内の了解を得、2017年12月の青デジのリニューアルに合わせてライセンスの表示を開始しました。
当館が著作権を有しているものについては「CC BY」、既に著作権保護期間が満了したものについてはパブリックドメインマークを表示しています。
(2) 書誌情報について
NDLサーチとの連携のお話をいただいたことをきっかけに、2018年12月からデータセット※を公開しています。
※当時URL:https://www.plib.pref.aomori.lg.jp/top/digital/about.html#0302
当初は「CC0」とする予定でしたが、「記述に誤りがある場合など、それらが出典不明のまま一人歩きしてしまうのは好ましくないのでは」との考えから、最終的に著作権者の表示を求める「CC BY」としました。

NDL:画像の二次利用について、オープンデータの一環として改めて提案されたとのこと。最初の懸念の声を伺うと調整のハードルが高い…と感じました。どのようにクリアされたのでしょうか?了承を得られるためにどのようなご説明をされたかなど、よろしければもう少しお聞かせください。

青森:2016年12月施行の官民データ活用推進基本法、2017年5月策定のオープンデータ基本指針などを例に挙げ、県が保有するデータについても、今後は原則として二次利用可能な形での公開が求められるようになるので、早いうちに対応しておくべきではないかと提案しました。


NDL:ライセンス表示やデータセットの公開を進めたことによる影響はございましたでしょうか?

青森:画像については、以前よりも書籍やテレビ番組等に使用される機会が増えたことから、ライセンスを表示することによって活用しやすくなったのではないかと考えています。また、申請不要としたことにより当館の業務量の削減にもつながりました。
一方、書誌情報データセットについては、ダウンロードされているものの、その影響については残念ながら把握できていません。

NDL:画像について、利活用が増えたのですね!書誌情報自体の利用状況の把握は、NDLサーチとしても課題と考えています。


NDL:NDLサーチと連携した後に、何か影響などはありましたでしょうか?

青森:連携後約1年間の青デジの利用状況を調べたところ、NDLサーチを経由して青デジにアクセスした件数は全体の約2割に上ることが分かりました。
このことから、NDLサーチとの連携は、青デジの周知・活用の促進に大きな効果があったものと考えています。

NDL:具体的なアクセス件数も調査くださりありがとうございます。実際の効果を知ることができ、嬉しく思います!今後も連携先機関にとってもメリットのある連携となるように、サービスを改善していきたいと考えています。利用状況などは、定期的に調査されているのでしょうか?

青森:各コンテンツへのアクセス件数などの利用状況については、Google アナリティクスを使って毎月統計をとっています。


NDL:貴館アーカイブの今後の発展として、お考えのことがありましたら教えてください。

青森:青デジは維持管理作業の属人化や機能・サーバ容量の不足などの問題を抱えていることから、今後は何とか予算を確保してベンダ製の本格的なシステムに移行し、より利用しやすいデジタルアーカイブにしたいと考えています。

NDL:貴館アーカイブの益々の発展を楽しみにしております。これまで、ファイル連携は継続的に連携を維持することが難しいと考えていましたが、連携先システムでもオープンデータセットを公開していただくなど、ファイル連携でも運用が可能である新しい連携事例ができたと感じております。

NDL:NDLサーチの今後に期待することがありましたら、ぜひ伺わせて下さい。

青森:図書館にとって、NDLサーチは、レファレンス・資料整理・相互貸借などの日常業務に欠かせない存在であると同時に、図書館以外の様々な機関と連携し、IIIFの導入や書誌情報のオープンデータ化にいち早く取り組むなど、これからの図書館サービスの方向性を示す存在でもあると思っています。
今後も、引き続き全国の図書館サービスを支え、リードして下さることを期待します。

NDL:これからも、皆様にとって便利なサービスを提供できるよう、邁進してまいります。ご回答いただき、ありがとうございました!今後ともよろしくお願いいたします。


※原田様には、第22回図書館総合展フォーラムでも、NDLサーチとの連携についてご報告いただきました。
以下のページに資料を掲載しています。