文化財を調べる

文化財には、文化財保護法(1950年~)とその前身の法律に基づく文化財(以下、国指定文化財と呼びます)や、各自治体の文化財保護条例などに基づく文化財(以下、地方指定文化財と呼びます)があります。
ここでは、国指定文化財を調べるツールを紹介します。地方指定文化財については、リサーチ・ナビ「地方指定文化財を調べる」を参照してください。また、文化財に指定・登録される以前の段階の埋蔵文化財については、リサーチ・ナビ「日本の遺跡を調べる」を参照してください。

書誌事項末尾の【 】内は当館請求記号です。

1. ウェブサイト

以下で紹介するデータベースでは、検索対象に国指定文化財を含み、文化財の画像などを調べることができます。検索できる範囲・機能はそれぞれ異なり、いずれも指定を取り消された文化財は検索できません。また、指定名称と各所蔵機関の登録名称が一部異なる場合があります(「紙本墨画山水図」と「破墨山水図」など)。

※ウェブサイトの最終アクセス日:2022年10月31日

1-1. 単体のデータベース

以下は、複数の指定区分・所蔵機関をまとめて検索できるデータベースです。

指定区分が判明している場合は、2. 指定区分別に調べるも参照してください。所蔵機関が判明している場合は、当該機関のデータベースを検索してください。なお、当館所蔵の重要文化財については、調べ方案内「国立国会図書館蔵の重要文化財」があります。

  • 国指定文化財等データベースLeave the NDL website. (文化庁)
    国が指定・登録・選定した文化財を検索できます。「条件を指定して検索する」では、フリーワード検索のほか、文化財分類(指定区分)、都道府県を選択して絞り込み検索ができます。なお、旧字体では検索できません。画像の利用については「2.ご利用に当たって」Leave the NDL website. を参照してください。
  • ColBaseLeave the NDL website. (国立文化財機構)
    4つの国立博物館(東京、京都、奈良、九州)と奈良文化財研究所が所蔵する作品を検索できます。画像の利用については「利用規約」Leave the NDL website. を参照してください。
  • 所蔵作品総合目録検索システムLeave the NDL website. (国立美術館)
    4つの国立美術館(東京国立近代、京都国立近代、国立西洋、国立国際)が所蔵する作品を検索できます。画像データは著作権の切れた作品を中心に公開しています。文化財指定の有無を条件にした絞り込み検索はできません。
  • 文化財総覧WebGISLeave the NDL website. (奈良文化財研究所)
    国指定・都道府県指定を中心とした全国の文化財の基本情報とその位置情報を地域・種別・時代やキーワードから検索し、地図上に図示することができます。位置情報の無い無形文化財の一部などは登録されていません。

1-2. 複数のデータベースを検索できるもの

以下は、複数のデータベースをまとめて検索できるデータベースです。

  • 文化遺産オンラインLeave the NDL website. (文化庁)
    国内の美術館・博物館の所蔵品情報に加え、国指定文化財等データベースColBase所蔵作品総合目録検索システム のデータをまとめて検索できます(所蔵館別作品情報公開状況Leave the NDL website. )。「地図と条件から検索」では、フリーワード検索のほか、時代、分野、指定区分(「地方指定文化財」も選択可)、画像ライセンスを選択して絞り込み検索ができます。
  • ジャパンサーチLeave the NDL website. (デジタルアーカイブジャパン推進委員会・実務者検討委員会)
    文化遺産オンラインColBase所蔵作品総合目録検索システム を含む多数のデジタルアーカイブをまとめて検索できます(連携データベースLeave the NDL website. )。「詳細検索」では、カテゴリー(「文化財」など)、利用条件(「商用利用」など)、コンテンツ有無(「IIIF対応」など)を選択して絞り込み検索ができます。「画像検索」では、サムネイルから検索する、画像ファイルから検索する、などの機能があります。
  • 国立国会図書館サーチ(国立国会図書館)
    国内の図書館の総合目録に加え、e国宝 を含む複数のデータベースをまとめて検索できます(検索対象データベース一覧)。
検索対象の比較
検索対象データベース
文化遺産オンライン国指定文化財等データベースColBase所蔵作品総合目録検索システムe国宝
文化遺産オンライン×
ジャパンサーチ△ 文化遺産オンラインに含まれる×
国立国会図書館サーチ××××

2. 指定区分別に調べる

2-1. 国宝・重要文化財・登録有形文化財

国宝・重要文化財

  • e国宝Leave the NDL website. (国立文化財機構)
    4つの国立博物館(東京、京都、奈良、九州)と奈良文化財研究所が所蔵する国宝・重要文化財の高精度画像を検索できます。画像の利用については「利用上の注意」Leave the NDL website. を参照してください。
  • 建造物修理アーカイブLeave the NDL website. (文化財建造物保存技術協会)
    協会が保存修理した建造物について、写真、図面、指定年月日、構造形式、修理履歴、修理内容などがわかります。名称からの検索のほか、指定区分、時代、建物種別、地域を選択して絞り込み検索ができます。
  • 歴史的建築総目録データベースLeave the NDL website. (日本建築学会)
    建築類型(「民家」、「神社」など)、文化財(「国宝」、「重要文化財」など)を選択して絞り込み検索ができます。
  • 『新指定重要文化財 : 解説版』(毎日新聞社 1980-1984 【K81-70】)
    1950年度から1980年度までに指定されたものと旧国宝で大幅な変更があったものについて、写真・解説を掲載しています。『新指定重要文化財図説』を分野別に再編集したものです。
  • 『国宝・重要文化財大全』(毎日新聞社 1997-2000 【K16-G196】)
    1997年時点で指定されているものを分野別に掲載しています。写真のほか、12巻は建造物の平面図も掲載しています。別巻に名称総索引、所有者別総合目録(2000年6月時点)があります。
  • 『国宝・重要文化財総合目録 美術工芸品編』(ぎょうせい 1999 【K3-G119】)
    1998年6月時点で指定されているものを都道府県順に採録しています。それまでに指定を解除されたものも一覧できます。
  • 『読書案内国宝を知る本』(日外アソシエーツ 2001 【K1-G12】)
    2001年時点で指定されているものについて、各作品の概要および参考図書を紹介する資料です。美術全集など、作品の図版に関する情報を含む場合があります。
  • 『美術作品レファレンス事典 国宝・重文篇』(日外アソシエーツ 2009 【K1-J8】)
    2009年時点で指定されているものを採録しています。指定名称・通称から、どの美術全集に図版が収録されているか、図版がカラーか白黒かなどを調べることができます。
  • 『国宝・重要文化財建造物目録』(文化庁文化財部参事官 (建造物担当) 2012 【KA71-J47】)
    2012年3月時点で指定されているものを採録しています。それまでに指定を解除されたもの、修理履歴も一覧できます。
  • 『国宝事典』(第4版 便利堂 2019 【K2-M2】)
    2018年11月時点で指定されている国宝の写真・解説などを分野別・時代順に掲載しています。巻末に、国宝目録・索引などがあります。
  • 『国宝・重要文化財建造物官報告示』(文化財建造物保存技術協会 1996 【KA71-G7】)
    1897年から1995年までの指定の官報告示を収録しています。旧国宝・特別保護建造物(2-4.)を含みます。通例は官報告示日が指定日ですが、告示日から遡った日付を指定日としている例もあります。

登録有形文化財

  • 『登録有形文化財建造物目録』(文化庁文化財部参事官 (建造物担当) 2014 【KA71-L18】)
    2014年時点で登録されているものを採録しています。それまでに登録を抹消されたものも一覧できます。
  • 文化庁文化財部 編著『総覧登録有形文化財建造物5000』(海路書院 2005 【KA71-H34】)
    2005年9月時点で登録されているものを一覧できます。登録有形文化財制度の概説、代表事例504件の写真・解説を掲載しています。
  • 建造物修理アーカイブLeave the NDL website. (文化財建造物保存技術協会)
    協会が保存修理した建造物について、写真、図面、指定年月日、構造形式、修理履歴、修理内容などがわかります。名称からの検索のほか、指定区分、時代、建物種別、地域を選択して絞り込み検索ができます。
  • 歴史的建築総目録データベースLeave the NDL website. (日本建築学会)
    建築類型(「民家」、「神社」など)、文化財(「国登録文化財」など)を選択して絞り込み検索ができます。

指定を取り消されたもの・登録を抹消されたもの

文化財の修理報告書

調べ方案内「文化財の修理報告書を探す」を参照してください。

2-2. 伝統的建造物群保存地区

2-3. 無形文化財・民俗文化財・文化財保存技術

重要無形文化財、選択無形文化財(記録作成等の措置を講ずべき無形文化財)、重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財、登録有形民俗文化財、選択無形民俗文化財(記録作成等の措置を講ずべき無形民俗文化財)、選定保存技術とそれらの保持者・保持団体を調べるツールを紹介します。
なお、無形文化財と選択保存技術は、保持者が死亡すると認定を解除されます。

2-4. 記念物・文化的景観

史跡、特別史跡、名勝、特別名勝、天然記念物、特別天然記念物、登録記念物、重要文化的景観を調べるツールを紹介します。

  • 『史跡名勝天然記念物重要文化的景観登録記念物指定等目録』(文化庁文化財部記念物課 2021 【GB8-M32】)
    2021年3月時点で指定・登録を受けているもの、それまでに指定を取り消されたり登録を抹消されたりしたものを一覧できます。
  • 『国指定史跡事典』(学生社 2012 【GB11-J8】)
    2012年4月時点の史跡・特別史跡の解説を五十音順に掲載しています。巻末に地方指定史跡一覧があります。
  • 『史跡・遺跡レファレンス事典』(日外アソシエーツ 2013 【GB11-L2】)
    16,864件の史跡・遺跡を都道府県順に採録し、どの事典に収録されているか、図版が掲載されているかなどを調べることができます。巻末に、別称からも検索できる「史跡・遺跡名索引」(五十音順)があります。
  • 『日本の天然記念物 : 自然紀行』(講談社 2003 【M74-H81】)
    2003年時点の天然記念物・特別天然記念物906件と天然保護区域について、地方ごとに位置・基礎データを掲載しており、多数の写真も収録しています。
  • 『事典・日本の自然保護地域 : 自然公園・景勝・天然記念物』(日外アソシエーツ 2016 【M2-L45】)
    名勝・天然記念物を含む6,400件について、地域・登録年月日順に掲載しています。

2-5. 旧国宝・特別保護建造物

古社寺保存法(1897年~1929年)、国宝保存法(1929年~1950年)により指定されたものです。

2-6. 重要美術品

重要美術品等ノ保存ニ関スル法律(1933年~1950年)により認定されたものです。

3. 制度・研究

3-1. 制度

以下のほか、文化財に関連する法令の調べ方については、調べ方案内「日本の法令の調べ方」も参照してください。

3-2. 研究

関連情報