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国絵図・村絵図・郷帳・村明細帳を探す

江戸幕府の命で、諸国の大名に命じて作らせた旧国ごとの絵図を「国絵図(くにえず)」と呼び、石高などを記した帳簿のことを「郷帳」と呼びます。江戸時代には慶長・正保・元禄・天保の4回にわたって全国規模の「国絵図」・「郷帳」の作成が行われました。
また同様に、江戸時代には各地の村で領主・代官の求めに応じて、村方から村の絵図である「村絵図」、村の石高などを記した「村明細帳」が提出されました。
ここでは絵図である「国絵図」・「村絵図」と、帳簿である「郷帳」・「村明細帳」の探し方を紹介します。

書誌事項末尾の【 】内は当館請求記号です。

1.国絵図・村絵図を探す

1-1. 原図(模写図・転写図含む)・デジタル画像を探す

1-1-1. 国立国会図書館の所蔵資料

国絵図・村絵図は東京本館古典籍資料室で所蔵しています。
デジタル化されているものについては国立国会図書館デジタルコレクションでデジタル画像を閲覧できます。
国立国会図書館デジタルコレクションの「古典籍資料(貴重書等)」のページで検索ページに「国絵図」「村絵図」などのキーワードを入力してください。
より詳しい検索方法については、リサーチ・ナビ「国立国会図書館所蔵の近世以前の絵図・古地図」>1.検索方法」を参照してください。

1-1-2. 他機関の所蔵資料

<国絵図>
  • 国絵図研究会 編『国絵図の世界』(柏書房 2005 【GB53-H7】)
    現存する国絵図の所蔵元について、「国絵図所在一覧」(pp.369-399)で調べることができます。

  • 小野寺淳, 平井松午 編『国絵図読解事典』(創元社 2021 【GB341-M38】)
    「国絵図・古地図関連サイト一覧」(pp.305-315)に国絵図や古地図の画像を公開しているウェブサイトの一覧が掲載されています。

以下は、国絵図のデジタル画像をインターネット公開している所蔵機関のウェブサイトです。このほか、リサーチ・ナビ「日本の古地図(江戸期以前)を探す>1-2.ウェブサイト」でも、古地図コレクション所蔵機関のウェブサイトを紹介しています。

<村絵図>

村絵図については各自治体で所蔵していることが多いです。各自治体の公立図書館や博物館などで村絵図のデジタル画像を公開している場合があります。そのため調べたい江戸時代の村が現在のどの地名に該当するのかをまず確認し、その地名の属する自治体の公立図書館や博物館などのデータベースを確認します。地名の調べ方についてはリサーチ・ナビ「日本の地名を調べる」もご参照ください。
一例として村絵図のデジタル画像を公開しているウェブサイトには以下のようなものがあります。

1-2. 複製図・影印を探す

国絵図の複製図・影印が掲載されている主な資料を紹介します。
以下の資料のほか、自治体史などに収録された図版について、『国絵図の世界』の「国絵図研究関連文献リスト【図録等】」(pp.361-364)で確認できます。

<村絵図>

村絵図の複製図・影印については各自治体で編纂された自治体史や、地域の博物館などの図録を個別に調べていく必要があります。

国立国会図書館サーチのキーワード欄に「村絵図」のように入力して資料を検索します。検索欄に調べたい村名や地名を入れることで、より具体的な村絵図を探すことができる場合があります。
また国立国会図書館サーチでは各自治体の図書館や博物館の郷土資料を検索できない場合があります。国立国会図書館サーチだけでなく、調べたい地域の図書館や博物館などの個別のOPACでも検索してみる必要があります。

自治体史や地方史から村絵図を調べていきたい場合は、リサーチ・ナビ「自治体史を探す」「地方史に関する文献を探すには(主題書誌)」もご参照ください。

2. 郷帳・村明細帳を探す

2-1. 原本・デジタル画像を探す

<郷帳>

江戸時代には幕府の命によって、慶長・正保・元禄・天保の4回、全国規模の郷帳が作成されました。このうち慶長・正保の郷帳については原本・写本ともに多くが消失しており、現存しているものは少ないです。また所蔵機関も全国に点在しているため、調べたい地域の自治体史や郷土資料を個別に調べる必要があります。元禄郷帳については写本を、天保郷帳については原本を国立公文書館が所蔵しています。

  • 元禄郷帳Leave the NDL website. (国立公文書館)
    原本は現存していません。写本を所蔵しており、全国分は現存していませんが、17国19冊分が現存しています。国立公文書館デジタルアーカイブで現存している全点のデジタル画像をインターネット公開しています。
  • 天保郷帳Leave the NDL website. (国立公文書館)
    原本を所蔵しており、全国分が現存しています。国立公文書館デジタルアーカイブで全点のデジタル画像をインターネット公開しています。
<村明細帳>

村明細帳については各自治体で所蔵していることが多いです。また各自治体の公立図書館や博物館などで村明細帳のデジタル画像を公開している場合があります。そのため調べたい江戸時代の村が現在のどの地名に該当するのかをまず確認し、その地名の属する自治体の公立図書館や博物館などのデータベースを確認します。地名の調べ方についてはリサーチ・ナビ「日本の地名を調べる」もご参照ください。
一例として村明細帳のデジタル画像を公開しているウェブサイトには以下のようなものがあります。

2-2. 影印・翻刻を探す

郷帳・村明細帳ともに個別の自治体史や地方史に影印や翻刻が掲載されている場合があります。具体的に調べたい地名などから、リサーチ・ナビ「自治体史を探す」「地方史に関する文献を探すには(主題書誌)」を参考に、自治体史や地方史を確認してください。

郷帳・村明細帳を収録した主な影印・翻刻資料には以下のようなものがあります。

<郷帳>

  • 『内閣文庫所蔵史籍叢刊』55巻56巻(汲古書院 1984 【GB22-30】)
    内閣文庫所蔵(国立公文書館所蔵)の元禄郷帳・天保郷帳の影印です。現存している全点分の写本・原本の影印が掲載されています。55巻と56巻に天保郷帳が、56巻に元禄郷帳が収録されています。

<村明細帳>

  • 野村兼太郎 著『村明細帳の研究』
    (有斐閣 1949 【612.1-N932m】)
    「資料篇」(pp.153-1122)に関東地方を中心に全国12か国37群182村の村明細帳の翻刻を収録しています。巻末に「地名索引」や「人名索引」なども付されています。

3.参考文献

関連情報