憲政資料室の歴史
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憲政資料室 作成
憲政資料室では、憲政資料、 日本占領関係資料、日系移民関係資料の3つのコレクションを収蔵しています。
このページでは、憲政資料室の沿革、来歴や収集経緯に関する文献 をご紹介します。
*資料の内容に関しては、下記の各コレクションのページからお調べください。
◆憲政資料:幕末期から現代に至るまでの政治家、官僚、軍人等が所蔵していた文書類です。収集の淵源は、大日本帝国憲法制定50年を記念しての、「憲政史編纂会」「貴族院五十年史編纂掛」の設置にさかのぼります。
◆日本占領関係資料:海外の諸機関等が所蔵している連合国(主として米国)による日本占領関係の公文書を中心としたコレクションです。昭和52(1977)年、国会において連合国最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)等の占領期の公文書を収集する必要性が議論されたことを契機として、昭和53(1978)年度から収集を開始しました。
◆日系移民関係資料:中南米、北米、ハワイ等において、個人からの寄贈や購入等により収集した日本人移民関係の資料です。 散逸のおそれがある明治以来の日系移民の資料を収集し、海外における日本人の活動記録を後世に伝え、この分野の研究に資することを目的に、昭和59(1984)年度から収集を開始しました。
「憲政資料室」の沿革
大日本帝国憲法制定50年を記念して昭和12(1937)年に「憲政史編纂会」が、昭和13(1938)年に「貴族院五十年史編纂掛」が設置されました。戦後間もない昭和24(1949)年に、中断された資料収集事業を引き継ぐとともに、資料の散逸を防ぐことを意図して、憲政資料蒐集係が国立国会図書館国会分館内に設置されました。
その後、昭和61(1986)年、機構改革により、現代政治史資料室(日本占領関係資料を所管)と合併して、現在の憲政資料室が誕生しました。さらに、平成14(2002)年には、特別資料室の閉室に伴って、「日系移民関係資料」が移管されました。
年月 | 出来事 |
---|---|
昭和12年5月 | 衆議院に憲政史編纂会ができる。 |
昭和13年11月 | 貴族院に貴族院五十年史編纂掛ができる。 |
昭和23年6月 | 国立国会図書館、赤坂離宮(現 迎賓館)を庁舎として開館。 |
昭和23年11月 | 大久保利謙氏の「日本国会史編纂所設置に関する請願」、両院本会議で採択される。 |
昭和24年9月 | 国会分館図書課(国会議事堂内)に憲政資料蒐集係設置(大久保利謙氏嘱託に就任)。憲政資料室のはじまり。 |
昭和32年12月 | 幣原平和文庫開室。 |
昭和36年2月 | 政治史料調査事務局を設置し、政治談話録音事業に着手。 |
昭和36年5月 | 政治談話録音第1回の町野武馬の録音が行われる。 |
昭和36年10月 | 憲政資料室が国会議事堂内から、新築された現庁舎本館に移転。憲政資料が制度的に一般公開される。 |
昭和53年度 | 連合国最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)文書 の収集開始。 |
昭和54年4月 | 幣原平和文庫と日本占領関係資料を併せて現代政治史資料室開室。 |
昭和59年度 | 日系移民関係資料の収集開始(特別資料室で閲覧)。 |
昭和61年6月 | 憲政資料室と現代政治史資料室が合併し、現在の憲政資料室発足。 |
平成4年4月 | メリーランド大学 プランゲ文庫の収集開始 |
平成9年度 | 琉球列島米国民政府(USCAR)文書) の収集開始(沖縄県公文書館と共同事業)。 |
平成14年4月 | 特別資料室閉室に伴い、日系移民関係資料が移管される。 |
憲政資料室の来歴に関する文献リスト
憲政資料
- 「憲政資料室の沿革(憲政資料室ノート1)」藤井貞文『国立国会図書館月報』27、1963.6、pp.17~18
- 「座談会 憲政資料室の資料をめぐって(憲政資料室ノート10)」宇野俊一・大山梓・坂井雄吉・西田長寿・山辺健太郎・藤井貞文・田山茂・大久保利謙(司会)『国立国会図書館月報』42、1964.9、pp.21~25
- 「憲政資料室の歩みと現状」有泉貞夫『びぶろす』22-9、1971.9、pp.13~20
- 「国会図書館憲政資料室のこと」、「憲政資料をあつめる」(「鼎談 政治・外交資料の話」に収録)萩原延寿、原口敬明、今井庄次『現代日本記録全集 7 政治と外交』筑摩書房、1971.11、pp.12~19
- 「国立国会図書館憲政資料室 (あたらしく歴史学を学ぶ人々へ(特集)) (研究機関をたずねる)」由井正臣>『歴史評論』289、1974.5、pp.76~78
- 「国立国会図書館憲政資料室所蔵文書(古文書解題)」桑原伸介『古文書研究』10、1976.12、pp.49~53
- 「国立国会図書館憲政資料室」桑原伸介『日本古文書学講座. 11』雄山閣出版、1979.4、pp.51~65
- 「特集 憲政資料室の35年」『みすず』276、1983.8-9、pp.47~118
- 「憲政資料室の二十年-上-」桑原伸介『日本古書通信』48-11、1983.11、pp.5~6
- 「憲政資料室の二十年-下-」桑原伸介『日本古書通信』48-12、1983.12、pp.5~6
- 「憲政資料室と大久保先生」伊藤明子『大久保利謙歴史著作集』2.付録、吉川弘文館、1986、pp.7~8
- 「憲政史編纂会の憶い出--戦後近代史研究の先駆として (日本史上の人物と史料<特集>) (思い出を語る)」大久保利謙『日本歴史』500、1990.1、pp.9~11
- 「ごぞんじですか? 国立国会図書館憲政資料室-1-憲政資料」大山礼子『専門図書館』136、1991、pp.37~40
- 「憲政記念館と憲政資料室・国立公文書館一一大正以降のわが国憲政史研究の. 回顧一一」大久保利謙『憲政記念館の二十年』衆議院憲政記念館、1992、pp.1~20
- 「国会図書館憲政資料室と私」伊藤隆『日本近代史 : 研究と教育』伊藤隆、[1993]、pp.238~260
- 「憲政資料室前史-上-」二宮三郎『参考書誌研究』43、1993.9、pp.50~73
- 「憲政資料室前史-中-」二宮三郎『参考書誌研究』44、1994.8、pp.22~46
- 「憲政資料室前史-下-」二宮三郎『参考書誌研究』45、1995.1、pp.18~47
*本文上・中・下合載(PDF) - 『日本近代史学事始め』大久保利謙、岩波書店、1996.1(「憲政資料室とともに」pp.139~182などを収録)
- 「憲政資料室所管「憲政資料」の概要(1995年以降増加分) 連載開始にあたって--憲政資料収集についての小論」『国立国会図書館月報』508、2003.7、pp.25~23
- 「憲政資料収集業務の継承 (特集 図書館における仕事の伝承)」堀内寛雄『図書館雑誌』102(7)(通号1016)、2008.7、pp.456~457
- 「日本の近代政治史料を探る--憲政資料の収集「松下芳男関係文書」を例に」『国立国会図書館月報』580、2009.7、pp.13~17
- 「インターネット環境下における原資料―憲政資料を例に―」堀内寛雄『CPC JOURNAL』2009-第1号(表面)
- 「大久保利謙先生に聞く--近代政治史料収集のあゆみ(1)」国立国会図書館政治史料課・大久保利謙・二宮三郎他『参考書誌研究』73、2010.11、pp.1~28
- 「大久保利謙先生に聞く--近代政治史料収集のあゆみ(2)」国立国会図書館政治史料課・大久保利謙・二宮三郎他『参考書誌研究』74、2011.3、pp.1~35
- 「この人を知る 大久保利謙」藤本守『国立国会図書館月報』606、2011.9、pp.17~19
- 「国立国会図書館憲政資料室と大久保利謙の構想」葦名ふみ『アジア遊学』248、2020.5、pp.183~204
- 当室所蔵「憲政史編纂会収集文書」の紹介ページ
- 当室所蔵「貴族院五十年史編纂掛収集文書」の紹介ページ
日本占領関係資料
- 「米国国立公文書館所蔵の日本占領関係文書について」熊田淳美『国立国会図書館月報』193、1977.4、pp.2~20
- 「GHQ/SCAP資料の一括収集について」泉昌一『アメリカ学会会報』46、1977.9、pp.1~2
- 「現代政治史資料室の開室」『国立国会図書館月報』219、1979.6、pp.16~17
- 「国立国会図書館の日本占領関係資料収集計画--第1年目の成果と利用方法」熊田淳美『びぶろす』30(6)、1979.6、pp.130~134
- 「国会図書館日本占領関係文書について」熊田淳美『歴史学研究』470、1979.7、pp.54~57
- 「現代政治史資料室所蔵 日本占領関係資料の現況」国立国会図書館参考書誌部法律政治課現代政治史資料室『国立国会図書館月報』244、1981.7、pp.25~20
- 「GHQ/SCAP文書収集の周辺」熊田淳美『続・現代史資料』月報4、1983.3、pp.1~5
- 「GHQ/SCAP文書の収集--ワシントン駐在員レポート」枝松栄『国立国会図書館月報』293、1985.8、pp.16~18
- 「連合国の日本占領文書に関する研究案内国立国会図書館の収集作業から」星健一『教育改革研究』3、1986.2、pp.33~68
- 「ごぞんじですか?国立国会図書館憲政資料室-2-日本占領関係資料」松尾和成『専門図書館』137、1991、pp.34~39
- 「国立国会図書館日本占領関係文書の収集について--GHQ/SCAP文書を中心に」枝松栄『図書館雑誌』85(9)、1991.9、pp.620~623
- 「戦後日本を知るエンサイクロペディア―GHQ/SCAP(連合国最高司令官総司令部資料―)」政治史料課『図書館協力通信』29、1992.1、pp.4~5
- 「GHQ資料の管理部局と資料解読」荒敬『日本占領史研究序説』柏書房、1994
- 「占領関係文書の利用について」等雄一郎『大学アーカイヴズ』14、1996.3、pp.1~7
- 「日本占領関係文書収集の最近の活動」『国立国会図書館月報』421、1996.4、p.27
- 「アーカイヴス紹介 国立国会図書館憲政資料室所蔵「日本占領関係資料」--収集事業の歩みを中心に」山田敏之『Intelligence』8、2007.4、pp.61~73
- 「追悼・星健一さんーワシントン駐在員の仕事」等雄一郎『占領・戦後史研究会ニューズレター』25、2010.6、pp.23~27
- 「憲政資料室の60年」堀内寛雄『占領・戦後史研究会ニューズレター』25、2010.6、pp.20~23
- 「アメリカにおける日本占領関係資料収集の現在:2010年~2015年 (特集 日本占領関係資料収集の歩み)」藤本守『参考書誌研究』77、2016.3、pp.11~21
- 「占領期資料収集プロジェクト研究会:初期を中心に(第1回) (特集 日本占領関係資料収集の歩み)」熊田淳美・千代正明・枝松栄・政治史料課『参考書誌研究』77、2016.3、pp.23~45
- 「占領期資料収集プロジェクト研究会:初期を中心に(第2回) (特集 日本占領関係資料収集の歩み)」泉昌一・政治史料課『参考書誌研究』77、2016.3、pp.46~55
- 「1970年前後の占領史研究とその周辺 (特集 日本占領関係資料収集の歩み)」天川晃『参考書誌研究』77、2016.3、pp.56~78
日系移民関係資料
- 「ブラジルの日本移民資料 その実態と収集計画」三塚俊武『国立国会図書館月報』279、1984.6、pp.2~9
- 「移民資料収集で渡伯して ブラジルあちこち見てある記」大口欣一『国立国会図書館月報』287、1985.2、pp.24~27
- 「南米における日本移民関係資料を求めて--伯国(ブラジル)とその周辺諸国」花満弘文『国立国会図書館月報』313、1987.04、pp.2~9
- 「南米の日系社会とその資料」和田上英雄『国立国会図書館月報』325、1988.04、pp.2~9
- 「移民関係資料収集の現状と今後の計画」村木栄四郎『国立国会図書館月報』343、1989.1、pp.2~10
- 「中南米諸国における移民資料収集に携わって」一星章文『国立国会図書館月報』387、1993.6、pp.16~21
- 「冊子目録落穂拾い(国立国会図書館特別資料室所蔵 移民関係資料目録)」『参考書誌研究』49、1998.3、pp.47~49
- 「電子展示会「ブラジル移民の100年」--資料の収集から電子展示会の提供まで」『国立国会図書館月報』576、2009.3、pp.15~17
- 「国立国会図書館憲政資料室所蔵 日系移民関係資料 (特集 続・地域関連コレクション--中東・アフリカ・ラテンアメリカ)」眞子ゆかり『アジ研ワールド・トレンド』17(3)(通号 186)、2011.3、pp.29~31
- 「海外に渡った日本人の足跡 憲政資料室所蔵 日系移民関係資料のご紹介」『国立国会図書館月報』618、2012.9、pp.15~22
プランゲ文庫
- Kunio Yamada, "NDL's recent activity to acquire the Occupation of Japan records" NDL Newsletter , 100(August, 1996), pp.12-13*本文(PDF)
- 「プランゲ文庫(新聞および通信)の公開について」『国立国会図書館月報』452、1998.11、pp.31
- 「プランゲ文庫と国立国会図書館 (特集 プランゲ文庫)」池本幸雄『国立国会図書館月報』462、1999.9、pp.3~7
- 「米国メリーランド大学プランゲ文庫新聞プロジェクトに携わって (特集 プランゲ文庫)」藤巻正人『国立国会図書館月報』462、1999.9、pp.8~21
- 「占領期検閲雑誌の整理・保存事業について (特集 戦時期・占領期の一次資料による研究調査の現在) -- (特集1 プランゲ文庫)」山田邦夫『Intelligence』1、2002.3、pp.26~32
- 「プランゲ文庫(新聞および通信)の全面公開について」『国立国会図書館月報』503、2003.2、pp.29
- 「資料紹介 プランゲ文庫誕生の一コマ--プランゲ博士の書簡紹介を兼ねて」大島康作・藤原夏人・中村淳一『参考書誌研究』60、2004.3、pp.120~135
- 「プランゲ文庫収集事業の現状-メリーランド大学のメディア変換作業を中心に-」『国立国会図書館月報』560、2007.11、pp.1~2
- 「プランゲ文庫児童書マイクロ化プロジェクト現地報告--カラーマイクロ作製の工程 (特集 プランゲ文庫)」『国立国会図書館月報』560、2007.11、pp.3~9
- 「カレッジパークの空に--米国駐在員現地報告 (特集 プランゲ文庫)」加藤祐平『国立国会図書館月報』560、2007.11、pp.10~11
- 「メリーランド大学図書館長チャールズ・ラウリー氏と同大学プランゲ文庫室長坂口英子氏の講演から (特集 プランゲ文庫)」『国立国会図書館月報』560、2007.11、pp.12~13
- 「プランゲ文庫児童書のご利用について (特集 プランゲ文庫)」『国立国会図書館月報』560、2007.11、pp.14~15
- 「プランゲ文庫のメディア変換プロジェクト」藤巻正人『月刊IM』47(10) (通号 453)、2008.10、pp.14~17
- 「プランゲ文庫について―資料の整理、提供を通して」藤巻正人『占領期雑誌資料大系 大衆文化編 第2巻 月報2(付属資料)』、2008.11、pp.5~8
- 「メリーランド大学所蔵プランゲ文庫:占領期出版物は宝の山」『国立国会図書館月報』657、2016.1、pp.6~9
憲政資料室全体の紹介記事
- 「図書館だより 国立国会図書館憲政資料室」広瀬順晧『学士会会報』1988年3号 (通号 780)、1988.7、pp.107~109
- 「政治史料調査事務局沿革」二宮三郎『参考書誌研究』37、1990.3、pp.1~37,90
- 「国立国会図書館憲政資料室のいま」広瀬順晧『歴史評論』495、1991.7、pp.63~66
- 「憲政資料室について」堀内寛雄『月刊IM』36(12) (通号 323)、1997.11、pp.30~31
- 「軍事史関係史料館探訪(31)国立国会図書館憲政資料室」内海和美『軍事史学』38(1) (通巻 149)、2002.6、pp.108~112
- 「公文書館をめぐる国・地方の動き 国立国会図書館憲政資料室の概要」石田暁子・境野由美子『アーカイブズ』17、2004.12、pp.82~85
- 「国立国会図書館・憲政資料室 (新年特集 日本史研究とデータベース) -- (提供者の立場から)」堀内寛雄『日本歴史』740、2010.1、pp.71~73
- 「国立国会図書館憲政資料室のいま」藤田壮介『情報の科学と技術』62(10)、2012.10、pp.434~439
憲政資料室と議会政治展示会
議会開設以後の節目の年を記念して、戦後では、次のとおり議会政治展示会が開催されています。
1961年(議会開設70年記念)、1970年(議会開設80年記念)、1980年(議会開設90年記念)、1990年(議会開設100年記念)、2000年(議会開設110年記念)、2010年(議会開設120年記念)、2020年(議会開設130年記念)。出展された資料のうち、のちに憲政資料室の収蔵に至ったものもあります。
- 『議会政治展示会目録』(いずれも国立国会図書館(編・刊)、 1961、1970、1980、1990、2000、2010、2020年にそれぞれ公刊)
- 議会開設110年記念展の紹介記事として「議会政治展示会について--幕末から昭和までの書・日記・公文書等 (議会開設百十年記念) 」宇津純『議会政治研究』57、2001.2、 pp.45~51
- 議会開設120年記念展(WARP インターネット資料収集保存事業)
- 同展示会目録
- 同展の紹介記事として「120年の蓄積と重み--議会開設百二十年記念議会政治展示会開催に際して (特集 議会開設120年)」季武嘉也『国立国会図書館月報』596、2010.11、pp.4~13
- 議会開設130年記念展(WARP インターネット資料収集保存事業)
- 同展示会目録
- 同展の紹介記事として「議会開設百三十年記念 議会政治展示会 歴史をつくってきた議会、議場 : ビジュアル資料からふりかえる場」『国立国会図書館月報』719、2021.3、pp.5~15