特許番号から特許原文献を入手する(その1)~特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)~

1. はじめに

特許原文献を入手するには、工業所有権情報・研修館が運営する特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)Leave the NDL website. の、「特許・実用新案番号照会/OPDLeave the NDL website. 」、「簡易検索Leave the NDL website. 」または「特許・実用新案検索Leave the NDL website. 」で検索します。

それぞれの検索方法の特徴は以下のとおりです。

下記の「3. 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)での特許の探し方」では、これらの検索方法のうち、「特許・実用新案番号照会/OPD」で特許番号から特許原文献を入手するための具体的な方法を説明します。

2. 特許公報について

特許を審査する特許庁Leave the NDL website. は、原則として出願から1年6か月後に公開特許公報を発行し、特許案件を公開します。また、特許として登録された後、特許公報(狭義の特許公報)によって公開されます。

なお、「特許公報」という用語は、公開特許公報も含めた、特許庁が発行する公報全般を指す場合もあります(広義の特許公報)。本記事でも、注釈がない場合、「特許公報」は特許庁の発行する公報全般を指します。

・特許公報の利用について

現在、独立行政法人 工業所有権情報・研修館が運営する特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)Leave the NDL website. で、ほとんどの特許公報を閲覧することができます。「1. はじめに」や「3. 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)での特許の探し方」を参考にご利用ください。
国立国会図書館では、公開特許公報などの特許公報を、関西館で所蔵しています。現在特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)に掲載されていない特許公報についても所蔵しているものがあり、これらについては利用可能※1です。
国立国会図書館サーチで所蔵情報を確認し、ご利用ください。
※1 なお、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)に掲載されているものについては、原則利用できません。また、利用可能なものについては、関西館での利用となります(東京本館への取寄せはできません。)。

・特許公報の種類

ここでは、図書館でよく尋ねられる3種類の特許公報を紹介します。同一の特許案件であっても、特許公報ごとに、それぞれ異なる番号が付与されます。

この3種類以外の特許公報も多数存在します。また、年代により、発行されていた特許公報の名称や内容が異なります。

  • 公開特許公報
    昭和46(1971)年以降、現在まで発行されています。特許出願から原則1年6か月後に公開される公報です。特許出願人や発明者の情報(氏名、住所など)、特許請求の範囲、発明の詳細な説明や図面などが掲載されます。なお、公開後、特許庁による審査を通ったもののみが特許として認められるため、この時点ではまだ特許として登録されているわけではありません。
    公開特許公報に掲載される際に付与される番号が公開番号です。
    【番号体系】
    平成12(2000)年以前  特開(昭|平)XX-XXXXXX  (例)特開昭46-000001
    平成12(2000)年以降  特開XXXX-XXXXXX    (例)特開2000-000100
  • 公告特許公報
    大正11(1922)年から平成8(1996)年まで発行されていました。平成8(1996)年の特許法改正で出願公告制度が廃止されたことに伴い、廃止されました。
    出願公告制度とは、審査官が権利化を認めた出願について、公告公報によって公衆に知らせ、特許異議申立ての機会を与える制度です。大正11(1922)年から昭和24(1949)年までの公告特許公報には、特許の明細のうち抄録および図が掲載されています。特許の詳細を確認したい場合は、特許発明明細書を閲覧してください。
    公告特許公報に掲載される際に付与される番号が公告番号です。
    【番号体系】
    大正11(1922)年から平成8(1996)年まで   特公(平|昭|大)XX-XXXXXX  (例)特公平04-075274
  • 特許公報
    平成8(1996)年に公告特許公報が廃止されたことに伴い、新たに発行されるようになった公報です。特許庁の審査を通過し、特許として登録されたもののみが掲載されています。
    特許が登録された際に付与される番号が特許番号です。
    【番号体系】
    特許XXXXXXX(例)特許2500001

出願から登録までの流れと、公開される特許公報を整理すると下図のようになります。

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3. 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)での特許の探し方

特許公報のほとんどは、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)Leave the NDL website. で検索・閲覧できます。特許番号や公告番号などの番号から特許公報を探す際は、「簡易検索Leave the NDL website. 」または「特許・実用新案番号照会/OPDLeave the NDL website. 」を検索します。ここでは、「特許・実用新案番号照会/OPDLeave the NDL website. 」での検索方法をご紹介します。

(1)特許番号から特許を探す
年代によって、検索の手順が異なります。特許番号からおおよその年代が分かります。

番号年代探し方閲覧可能な公報
特許1~
特許216017※1
明治18年~
昭和30年頃
種別:特許番号(B)・特許発明明細書番号(C)
番号:特許番号のうち数字のみを入力する。
特許発明明細書
特許216018~
特許484921
昭和30年頃~
昭和40年頃
種別:特許番号(B)・特許発明明細書番号(C)
番号:特許番号から、先頭の「特許」を削除し、数字のみを入力して検索。
リンク付きの公告番号が、
・表示される場合→リンク先から本文を見ることができます。
・表示されない場合→特許番号からは探せません。公告番号など、他の番号で検索してください。ここでリンク付きの公告番号が得られれば、リンク先から本文を見ることができます。
お手元の特許番号に対応する公告番号が分からない場合、関西館資料案内(電話:0774-98-1341)にご相談ください(直接、関西館内の「総合案内カウンター」にお越しいただいても結構です。)。特許番号によっては対応する公告番号を調べることが可能です。
公告特許公報
特許484922~
特許2129250
昭和40年頃~
平成8年頃
種別:特許番号(B)・特許発明明細書番号(C)
番号:特許番号から、先頭の「特許」を削除し、数字のみを入力する。
ここでリンク付きの公告番号が得られれば、リンク先から本文を見ることができます。
公告特許公報
特許2500001以降平成8年以降種別:特許番号(B)・特許発明明細書番号(C)
番号:特許番号から、先頭の「特許」を削除し、数字のみを入力する。
特許公報(狭義の特許公報)

※1 特許45571から特許49999まで、特許50000から特許60000までの間に欠番があります。これは、関東大震災後に登録の回復をなさなかったものや、そもそも特許登録がなされなかったもののようです。

(2)公告番号から特許を探す
公告番号から公告特許公報を探す方法は以下のとおりです。ただし、昭和24(1949)年までの公告特許公報には、特許の明細は抄録および図のみが掲載されています。特許の詳細を確認するには、特許発明明細書を閲覧してください。

番号探し方
特公大11-000001~
特公平08-034772※1,※2
種別:公告番号(B)
番号:公告番号から、先頭の「特公」を削除し、年号の部分をアルファベット(大→T 昭→S 平→H)に変換または西暦に直して入力する。
特公昭02-000183の場合
 →「S02-000183」または
  「1927-000183」と入力する。

※1 特公大12-50000から特公大12-51482までの間で、大正12(1923)年12月24日までに登録された特許案件は、公告番号と特許発明明細書の番号が同一です。

※2 昭和18(1943)年12月10日から昭和21(1946)年11月15日までは戦時特例により出願公告制度が停止していました。

(3)公開番号から特許を探す
公開番号から、公開特許公報を探す方法は以下のとおりです。

番号探し方
特開昭46-000001以降種別:公開番号・公表番号(A)
番号:公開番号から、先頭の「特開」を削除し、年号の部分をアルファベット(大→T 昭→S 平→H 令→R)に変換または西暦に直して入力する。
特開昭46-000001の場合
 →「S46-000001」または
  「1971-000001」と入力する。
ここでリンク付きの公開番号、公告番号や特許番号が得られれば、リンク先で特許発明明細書などの本文を見ることができます。

(4)出願番号から特許を探す
出願番号とは、特許を出願した際に付与される番号です。

番号探し方
特願大10-003318以前番号から検索することはできません。
特願大10-003319以降種別:特許出願番号
番号:出願番号から、先頭の「特願」を削除し、年号の部分をアルファベット(大→T 昭→S 平→H 令→R)に変換または西暦に直して入力する。
ここでリンク付きの公開番号、公告番号や特許番号が得られれば、リンク先で特許発明明細書などの本文を見ることができます。

4. インターネット情報源

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