資料が語る関東大震災
大正12(1923)年9月1日午前11時58分、神奈川県西部を震源とするマグニチュード7.9の地震が発生しました。関東地方の広い範囲に大きな被害をもたらしたこの地震は、当時「大正大震災」「大正大震火災」と呼ばれ、現在では関東大震災と呼ばれています。この地震での死者・行方不明者の総数は10万5000人余に上り、そのうち約9万2000人は火災によると推定されています。住宅の被害総数は全半壊・焼失を含め、37万2659棟、うち焼失は21万2353棟でした。
今回の展示では、当時の出版物を中心とした資料から関東大震災の姿に迫ります。
関東大震災調査報告 地震篇 1(中村左衛門太郎)
関東大震災調査報告 地震篇 1(中村左衛門太郎)
様々な出版物
震災の直後から、災害の様子を伝える様々な出版物が刊行されました。新聞や雑誌以外にも、画報、絵葉書といった当時のメディアが日本中に災害の様子を伝える役割を果たしました。
こうした出版物は、震災から100年を迎える現在に当時の様子を伝える貴重な資料となっています。
画報
写真を中心として編集した画報(画報誌)が、新聞社などにより出版されました。
※上記の画報は、国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。リンク先から、全てのページをご覧いただけます。
雑誌
女性誌・少年誌などの雑誌でも震災の特集が組まれ、写真や文章で震災の様子を伝えています。
※上記の雑誌は国立国会図書館デジタルコレクションでは館内限定公開です。
地図
被災状況を伝える地図も出版されました。
關東大震災圖 : 東京横濱罹災地圖詳報
震災燒失區域明細東京市全圖 最新調査改訂版
關東震災全地域鳥瞰圖繪
※上記の画像は国立国会図書館デジタルコレクションには掲載されていません。右クリックなどで画像をダウンロードすると、比較的精細な画像でご覧いただけます。なお、より正確な被災状況については、リサーチ・ナビ「関東大震災の被災状況がわかる地図」や、後述の公的な記録をご覧ください。
絵葉書
当時流行していた絵葉書も多く刊行されました。
※国立国会図書館の絵葉書の所蔵はごく少数です。また、国立国会図書館デジタルコレクションには掲載されていません。
参考:絵はがきを探す
画集
関東大震災を描いた画集も出版されました。
公的な記録
省庁や各自治体による震災の記録も数多く刊行されています。
省庁による記録
- 社会局 編『震災調査報告』(社会局 1924)
- 内務省社会局 編『大正震災志 上』(内務省社会局 1926)
- 内務省社会局 編『大正震災志 下』(内務省社会局 1926)
- 内務省社会局 編『大正震災志 附図』(内務省社会局 1926)
- 『大正大震火災誌』(警視庁 1925)
- 中央気象台 編『関東大震災調査報告 気象篇(藤原咲平)』(中央気象台 1924)
- 中央気象台 編『関東大震災調査報告 地震篇 1(中村左衛門太郎)』(中央気象台 1924)
各自治体の記録
- 東京市 編『東京震災録 前輯』(東京市 1926)
- 東京市 編『東京震災録 中輯』(東京市 1926)
- 東京市 編『東京震災録 後輯』(東京市 1926)
- 神奈川県 編『神奈川県震災誌 : 神奈川県震災誌附録付 詔書,御沙汰書』(神奈川県 1927)
- 神奈川県 編『神奈川県震災誌 : 神奈川県震災誌附録付 附録』(神奈川県 1927)
- 横浜市市史編纂係 編『横浜市震災誌 第1冊』(横浜市市史編纂係 1926)
- 横浜市市史編纂係 編『横浜市震災誌 第2冊』(横浜市市史編纂係 1926)
- 横浜市市史編纂係 編『横浜市震災誌 第3冊』(横浜市市史編纂係 1926)
- 千葉県安房郡 編『安房震災誌』(安房郡 1926)
- 埼玉県北足立郡役所 編『埼玉県北足立郡大正震災誌』(昭文堂 1925)
- 静岡県 編『静岡県大正震災誌』(静岡県 1924)
展示パネル
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