メタデータ流通ガイドライン:共通編
メタデータ流通ガイドライン<共通編>(Metadata Distribution Guidelines for General Use)では、「タイトル」等、どの資料種別でも共通的に採用される項目を説明します。
また、デジタルアーカイブの分野において必要な項目についても扱います。
資料種別ごとの特徴は、本ガイドライン<資料種別編>を、スキーマごとの項目一覧等は、本ガイドライン別紙を参照ください。
0. 凡例
(2023年10月24日更新)
共通編の各項目の記載は、次のとおりです。
表の見方
番号 項目名 記載内容 a グループ名 各情報の区分を示しています。
※グループ名について:
日本語のメタデータ項目(タイトル、著者等)を項目立てとして採用しています。
メタデータスキーマは、それぞれの特性に応じて使用する語彙・構造に差があります。
そのため、<共通編>の項目は一般的な表現としています。b 項目名 各グループに属する、具体的なデータ項目を示しています。
各項目名からは、それぞれの項目の説明にリンクしています。c 推奨度 メタデータ流通に際して求められる各項目の推奨度を示しています。 - 強く推奨(Strongly Recommended):多くのサービスでの利用が想定され,メタデータやコンテンツの利用にあたって重要です。ぜひ入力いただきたい情報です。
- 推奨(Recommended):可能な限り付与することが望ましい情報です。入力することで、類似資料との識別がしやすくなる等、より活用の幅が広がります。
- 任意(Optional):メタデータをよりリッチにするための情報です。細やかな検索や高度な利活用にも対応でき、専門的な研究にも資することができます。
d DC-NDL(RDF) DC-NDL(RDF)での項目例
※[ ]を付している項目は、改訂前のものです。
※本ガイドラインのスキーマ一覧の表においては@は属性を表します。実際の記入については、各スキーマの例を参照ください。e JPCOARスキーマ JPCOARスキーマでの項目例
※本ガイドラインのスキーマ一覧の表においては@は属性を表します。実際の記入については、各スキーマの例を参照ください。f その他 標準的なメタデータフォーマットに準拠しないデータ項目を採用する場合の項目例 本文の記載(グループ)
項目名 記載内容 説明 各グループの流通の背景、グループの対象範囲等を記載しています。 課題・発展可能性 スキーマに依らない、各グループの課題、今後の検討予定等について説明しています。 本文の記載(各項目)
項目名 記載内容 基本事項 各項目の内容、スキーマに依らない留意事項を記載しています。 流通のポイント スキーマに依らない、メタデータ流通の観点での考慮点等を記載しています。 データ例 対象スキーマの事例を記載しています。 適用状況 対象スキーマの適用状況、改訂予定を記載しています。なお、対象スキーマは次の通りです。 - DC-NDL(RDF)フォーマット仕様(バージョン2.0)
- JPCOARスキーマ(バージョン2.0)
1.タイトル
(2023年10月24日更新)
項番 | 項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|---|
1-1 | タイトル 巻次 部編名 | 強く推奨 | dcterms:title dc:title dcndl:volume dcndl:volumeTitle | dc:title dcndl:volumeTitle | Title |
1-2 | その他のタイトル その他の巻次 その他の部編名 | 推奨 | dcndl:alternative dcndl:alternativeVolume dcndl:alternativeVolumeTitle | dcterms:alternative | Title |
1-3 | シリーズタイトル | 推奨 | dcndl:seriesTitle | jpcoar:relation@relationType=”isPartOf” jpcoar:relation@relationType=”inSeries” | isPartOf |
1-4 | 版 | 推奨 | dcndl:edition | dcndl:edition | edition |
- 課題・発展可能性
古典籍等の特徴的な資料種別の説明は、<資料種別編>を参照してください。
また、読みや別言語の採用方法に関して、スキーマの互換性を整理しガイドラインの案内を充実させます。
1-1.タイトル、巻次、部編名
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
タイトル 巻次 部編名 | 強く推奨 | dcterms:title dc:title dcndl:volume dcndl:volumeTitle | dc:title dcndl:volumeTitle | Title |
基本事項
当該情報資源のタイトルを記録する項目です。サブタイトル(タイトル関連情報)や巻次等の情報は、採用するスキーマの規則にそって記録してください。
流通のポイント
利用者が当該情報資源を識別するために重要であり、特に適切な記述が求められる項目です。
巻次等の共通するタイトルの順序を示す情報は、利用者が情報を探す際の手がかりとして重要です。タイトルは同じでも異なる資料の場合、巻次や版等で識別が可能な形で流通させてください。
また、これらの情報は、並び替え(ソート)等に使用される場合があります。そのため、該当する項目を独立した項目(または、一定の区切り記号により抽出が可能な状態)で流通させることを推奨します。
DC-NDL(RDF)
JPCOARスキーマ
- データ例:タイトル、部編名
- 適用状況:
ver.2.0にて部編名(dcndl:volumeTitle)を新設しました。多巻ものの共通のタイトル(本タイトル)をdc:titleに記入した場合、各巻固有のタイトルはここに収めます。また、一つの逐次刊行物が部又は編に分かれて刊行される時、その部又は編に付けられた部編名もここに収めます。
1-2.その他のタイトル、巻次、部編名
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
その他のタイトル その他の巻次 その他の部編名 | 推奨 | dcndl:alternative dcndl:alternativeVolume dcndl:alternativeVolumeTitle | dcterms:alternative | Title |
基本事項
当該情報資源のタイトルに採用した以外のタイトル、タイトルのその他の言語、別文字等による表示形の情報を記録します。
ローマ字表記等のタイトル情報を、別言語として示すか、読みとするかは、採用するスキーマにそって記録してください。
流通のポイント
カナ読み、ローマ字表記、英語表記等、異なる言語・別文字による情報がある場合は、これらを適切に記録することで、発見可能性を高めることができます。
DC-NDL(RDF)
- データ例:別タイトル、別タイトル部編番号、別タイトル部編名
- 適用状況:
DC-NDLでは、カナ読みをtranscription(読み)としてタイトルと構造化させる表現を採用しています。その他の言語のタイトルについて、英語、ローマ字等の言語属性を示すことはできません。言語属性の採用に関しては、今後検討を進める予定です。
JPCOARスキーマ
- データ例:その他のタイトル
1-3.シリーズタイトル
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
シリーズタイトル | 推奨 | dcndl:seriesTitle | jpcoar:relation@relationType=”isPartOf” jpcoar:relation@relationType=”inSeries” | isPartOf |
基本事項
シリーズタイトル等、複数の情報資源に共通するタイトルを記録します。
流通のポイント
何を「シリーズ」とみなすかは、記録対象となる情報資源の資料種別(出版物か否か)等により判断が必要となります。ここで「シリーズタイトル」として示す範囲は、主に、出版物に対して付与された集合体を指します。
作成された情報資源に対して、提供者が任意に設定した集合体(データベースやコレクション)の名称を記録する場合には、採用するスキーマによっては、別の項目を用意している場合もあるため、流通経路に応じて、どの項目に記録するかを判断することを推奨します。
いずれの場合も、それらの集合体を示す識別子(シリーズのISBN、ISSN、コレクションに付与される識別子、他)を適切に記録することで、他の情報資源との関係性を示すことが可能になります。
DC-NDL(RDF)
- データ例:シリーズタイトル
- 適用状況:
デジタルアーカイブ等で、シリーズに類する集合体とともに対象のURIの記録ができる場合、「10-6.部分」へ記録することができます。
主にデジタルアーカイブの特性に応じたメタデータ流通を可能とするため、アイテムの集合体としてのコレクション単位のメタデータ定義を別途導入する予定です(現在は主にこれらの情報は、注記に記録しています)。
JPCOARスキーマ
- データ例:関連情報、データセットシリーズ
- 適用状況:
主にデジタルアーカイブの特性に応じたメタデータ流通を可能とするため、アイテムの集合体としてのコレクション単位のメタデータ定義をver.2.0より導入しました。共通の特徴を有するデータセットシリーズに属するコンテンツで、データセットシリーズにリンクする場合は、relationType= “inSeries”を用います。
1-4.版
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
版 | 推奨 | dcndl:edition | oaire:version datacite:version dcndl:edition | edition version |
基本事項
版次に関する情報を持つ場合、これらの項目に記録することができます。
版次に関する情報を、独立した項目とするか、タイトルに連結させるか等は、採用するスキーマの規則にそって記録してください。
流通のポイント
ほかの情報資源との差異を確認するために、利用者にとって重要な情報です。
デジタルアーカイブ等の媒体変換が行われた情報資源の場合、原資料(デジタル化された元の資料)の版次と、変換後の情報資源(デジタルコンテンツ)に関する版次(バージョン)の情報とが混在しないよう記録することを推奨します。
DC-NDL(RDF)
- データ例:版
JPCOARスキーマ
- データ例:版
- 適用状況:
ver.2.0より主に図書資料の版に関する情報を記入する項目(dcndl:edition)を新設しました。
2.作成者
(2023年10月24日更新)
項番 | 項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|---|
2-1 | 著者・作成者 | 推奨 | dcterms:creator dc:creator dcndl:creatorAlternative dcndl:seriesCreator dcndl:editionCreator | jpcoar:creator | creator |
2-2 | 寄与者 | 推奨 | dcterms:contributor | jpcoar:contributor | contributor |
本ガイドラインでは、<共通編>にて一般的な項目の説明を行っていますので、スキーマ同士の互換性は<別紙5:データ項目一覧(対照表)>、資料種別ごとの特徴は<資料種別編>を参照してください。
著者(作成者)と寄与者の区別についても、採用するスキーマの規則にそってください。
- 課題・発展可能性
今後、読みや別言語の採用方法に関しても、スキーマの互換性を整理しガイドラインの案内を充実させます。
2-1.著者・作成者
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
著者・作成者 | 推奨 | dcterms:creator dc:creator dcndl:creatorAlternative dcndl:seriesCreator dcndl:editionCreator | jpcoar:creator | creator |
基本事項
情報資源の成立に直接的に関与した著者、作成者を記録します。著者の読み、別名、識別子、役割表示等、関連する情報については、採用するスキーマの規則にそって記録してください。
情報資源の成立に対して主要な責任を果たしたと考えられる主体を著者・作成者とし、補助的な役割を果たしたと考えられる主体は寄与者として記録することが可能です。ただし、著者・作成者と寄与者の区別については、採用するスキーマの規則にそってください。
流通のポイント
著者の識別子を記録することで、その著者がかかわるその他の情報資源との関連性を示すことができます。
DC-NDL(RDF)
- データ例:作成者、著者別名、シリーズ著者、版著者
- 適用状況:
DC-NDL(RDF)においては、役割表示を問わず、各メタデータ提供元の判断に準じて作成者(creator)と寄与者(contributor)を格納しています。
JPCOARスキーマ
- データ例:作成者
- 適用状況:
ver.2.0改訂に伴い、作成者の役割を文字列として、creatorType属性に記入できるよう改訂しました。ただし、コンテンツの作成に直接的に関与した者を作成者、間接的に関与した者を寄与者とする原則に変更はなく、特に寄与者の役割として定めた統制語彙(contributorType)に該当する役割を持つ者は寄与者として記入する必要があります。また、作成者姓名にnameType属性を追加し、個人と組織との区別を付けられるように改訂しました。
2-2.寄与者
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
寄与者 | 推奨 | dcterms:contributor | jpcoar:contributor | contributor |
基本事項
情報資源の成立に間接的に関与した寄与者を記録します。寄与者の読み、別名、識別子、役割表示等、関連する情報については、採用するスキーマの規則にそって記録してください。
情報資源の成立に対して主要な責任を果たしたと考えられる主体を著者・作成者とし、補助的な役割を果たしたと考えられる主体は寄与者として記録することが可能です。ただし、著者・作成者と寄与者の区別については、採用するスキーマの規則にそってください。
流通のポイント
識別子を記録することで、その他の情報資源との関連性を示すことができます。
DC-NDL(RDF)
- データ例:寄与者
- 適用状況:
著者の説明に準じます。
JPCOARスキーマ
- データ例:寄与者
- 適用状況:
ver.2.0では、寄与者姓名にnameType属性を追加し、個人と組織との区別を付けられるように改訂しました。なお、ver2.0より新設した「カタログ情報」配下の提供機関(jpcoar:contributor)については、3-2. メタデータ提供者のJPCOARスキーマ適用状況の補足を参照ください。研究データ等のデータ管理者に関する情報については、研究データ編 11. データ管理機関・管理者(場合によっては9.リポジトリ情報)を参照ください。
3.出版・提供
(2023年10月24日更新)
項番 | 項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|---|
3-1 | 出版者 出版地 | 推奨 | dcterms:publisher dcndl:publicationPlace [dcndl:digitizedPublisher] | dc:publisher jpcoar:publisher dcndl:location dcndl:publicationPlace | dc:publisher |
3-2 | メタデータ提供者 | 強く推奨 | [dcndl:bibRecordCategory] [dcndl:bibRecordSubCategory] dcterms:source | provenance irdbProvenance | Provenance |
3-3 | 所蔵機関 | 推奨 | dcndl:holdingAgent | jpcoar:holdingAgent | holdingAgent |
資料・メタデータの成立過程では、当該情報資源の出版者だけではなく、デジタル化の実施者、メタデータの提供者等、情報資源の提供・出版にかかわる情報が様々発生します。
本ガイドラインでは、これら提供に関する情報を、次のように整理しました。
- 課題・発展可能性
古典籍等の特徴的な資料種別の説明は、<資料種別編>を参照してください。
3-1.出版者、出版地
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
出版者 出版地 | 推奨 | dcterms:publisher dcndl:publicationPlace [dcndl:digitizedPublisher] | dc:publisher jpcoar:publisher dcndl:location dcndl:publicationPlace | dc:publisher |
基本事項
出版者、出版地等の出版に関する情報を記録します。
流通のポイント
デジタルアーカイブ等の媒体変換が行われた情報資源の場合、原資料(デジタル化された元の資料)の出版情報と、変換後の情報資源(デジタルコンテンツ)に関する情報が混在しないよう記録することが必要です。
DC-NDL(RDF)
- データ例:出版者、出版地
- 適用状況:
媒体変換が行われた情報資源の場合の出版者の記録方法については、<別紙7:メタデータ構造>を参照ください。
JPCOARスキーマ
- データ例:出版者、出版者情報
- 適用状況:
ver.2.0では出版者に関する情報をより詳細に記述できるようになりました。出版者注記(jpcoar:publisherDescription)、出版地(dcndl:location)、出版地(国名コード)(dcndl:publicationPlace)を記入する場合は、出版者情報(jpcoar:publisher)を使用し、出版者(dc:publisher)に相当する内容を出版者名(jpcoar:publisherName)に記入してください。
3-2.メタデータ提供者
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
メタデータ提供者 | 強く推奨 | [dcndl:bibRecordCategory] [dcndl:bibRecordSubCategory] dcterms:source | provenance irdbProvenance ※JPCOARスキーマ適用状況を参照 | Provenance |
基本事項
メタデータを提供(作成)した機関またはデータベース等の情報を記録します。
流通のポイント
メタデータが流通すると、複数のデータベースに由来するメタデータが集約されて扱われるようになります。利用者が特定のメタデータを抽出したり、メタデータの由来を確認したりできるようにするために、メタデータ提供者の情報を記録することを推奨します。
DC-NDL(RDF)
- データ例:リポジトリ番号、サブリポジトリ番号
- 適用状況:
メタデータの二次利用条件(「9-1.ライセンス情報」)を記録する際には、その利用条件の設定機関として当該項目の記録が推奨されます。
格納対象の項目については、今後データベース名を格納可能にする等の改訂を行う予定です。
JPCOARスキーマ
データ例:該当なし
適用状況:
JPCOARスキーマとしては項目を設けず、OAI-PMHプロトコルにて規定されているprovenanceおよびIRDBで拡張したIRDB provenanceを使用しています。IRDB利用申請を行った内容がIRDBの出力時にOAI-PMHのprovenanceおよびIRDB Provenanceの該当箇所に設定されます。2024年に対応完了予定のカタログ情報の流通と合わせてJPCOARスキーマガイドラインに対応方法を記載予定です。- 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)へのデータ提供:
https://support.irdb.nii.ac.jp/ja/application/irdb - IRDBカタログ情報:
https://support.irdb.nii.ac.jp/ja/application/irdb/irdb_catalog - OAI-PMH “about” 部の解説:
http://www.openarchives.org/OAI/2.0/guidelines-provenance.htm
https://www.nii.ac.jp/irp/archive/translation/oai-pmh2.0/guidelines-provenance.htm - IRDB ProvenanceのOAI-PMH出力例:
https://irdb.nii.ac.jp//oai/irdbProvenance.xsd
- 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)へのデータ提供:
(補足)データベース提供機関の情報については、ver.2.0において、JPCOARスキーマ上に格納するための項目(カタログ配下のjpcoar:contributor)を新設しました。
3-3.所蔵情報
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
所蔵機関 | 推奨 | dcndl:holdingAgent | jpcoar:holdingAgent | holdingAgent |
基本事項
情報資源を物理的に保持している機関の情報を記録します。デジタル化した資料の場合、デジタルアーカイブ資料の原資料に関する所蔵情報を記録することができます。
流通のポイント
特になし
DC-NDL(RDF)
- データ例:所蔵機関
- 適用状況:
所蔵情報の記載については、メタデータ構造の整理とあわせ、引き続き検討を行っていきます。メタデータ構造の検討状況は<別紙7:メタデータ構造>を参照。
JPCOARスキーマ
- データ例:所蔵機関
- 適用状況:
主にデジタルアーカイブ資料の所蔵機関に関する情報を記入する項目をJPCOARスキーマver.2.0より新設しました。
4.日付
(2023年10月24日更新)
項番 | 項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|---|
4-1 | 出版年月日 | 推奨 | dcterms:date [dcndl:dateDigitized] dcterms:issued | datacite:date@dateType=”Issued” dcterms:date | date issued |
当該情報資源のライフサイクルにかかわる日付は、対象となる情報資源の性質等によって記録方法が異なる場合があります。
本ガイドラインでは、共通編にて一般的な項目の説明を行っていますので、スキーマ同士の互換性は<別紙5:データ項目一覧(対照表)>、資料種別ごとの特徴は<資料種別編>を参照してください。
情報資源の主題に関わる日付は、「5-3.時間的範囲」を参照してください。
- 課題・発展可能性
―
4-1.出版年月日(作成年月日)
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
出版年月日 | 推奨 | dcterms:date [dcndl:dateDigitized] dcterms:issued | datacite:date@dateType=”Issued” dcterms:date | date issued |
基本事項
当該情報資源が出版または作成された日付情報を記録します。
出版・作成に関する項目は、採用するスキーマによって記録する項目が異なるケースが多いため、スキーマごとの規則にそってください。
流通のポイント①
情報資源の性質によっては、統制された方法により記録された日付情報と、情報資源から転記したリテラルによる日付情報を2点合わせて記録することを推奨します。
1点目の統制された方法による日付情報では、W3CDTF等の形式を想定します。日付情報は、一般的に検索その他、システムで用いるために、一定のルールで記録されていることが必要となります。これにより、利用者が統一的に情報資源を探すことが可能となります。また、2点目の情報資源から採用したリテラルによる日付情報では、1点目のように値が統制されたことで落ちてしまった情報を補完することができます。
例えば、1900年代、としか判別ができない場合には、W3CDTFへ統制されると「1900」と変換される可能性があります。この場合でも「1900年代」という情報があることで、1900年に出版されたものとの区別をつけることが可能になります。リテラルによる日付情報は利用者が識別するための補完情報として記録が推奨されます。
流通のポイント②
デジタル化した日等、媒体変換を行った日付を記録する場合は、スキーマの規則に従って、原資料の出版年月日と区別できるようにすることが必要です。
DC-NDL(RDF)
データ例:出版年月日
適用状況:
1)出版年月日の記録について
DC-NDL(RDF)(NDLサーチのフォーマット仕様)では、以下のように情報を記録しています。- issued=W3CDTFで記録または整形された値
- date=リテラルで記録された値
古典籍資料の場合等、厳密には「出版」されていない情報資源に関しても、利用者の利便性のために、上記の情報は統一的に記録できるよう、運用しています。
W3CDTFを採用した場合、範囲(期間)を示すことができないため、他の記録方式の採用等の改善を検討しています。2)デジタル化に固有の項目について
メタデータ構造の変更に伴い、dcndl:dateDigitized等、デジタル化に固有の項目の使用を見直す予定です。
→ 参照<別紙7:メタデータ構造>
JPCOARスキーマ
適用状況:
日付(datacite:date)にはJPCOARスキーマガイドラインの説明に記載されている統制された形式の日付情報を記入してください。日付情報を範囲指定した形式で記述する場合は、RKMS-ISO8601で規定する形式で記入してください。
統制された形式の日付(datacite:date)とは別に、リテラルによる日付を記入できる項目として、「日付(リテラル)」(dcterms:date)をver.2.0改訂に伴い新設しました。統制された方法で記入することができない情報をリテラルに記入し、補完することができます。なお、その場合もdatacite:dateについては、「流通のポイント①」にある通り、統制された形式の日付情報またはリテラルからの機械的な変換によって統制を行った日付情報の格納が推奨されます。
5.主題
(2023年10月24日更新)
項番 | 項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|---|
5-1 | 件名・分類 | 推奨 | dcterms:subject dc:subject | jpcoar:subject | subject |
5-2 | 空間的範囲 | 推奨 | dcterms:coverage dcterms:spatial(@rdf:datatype) | datacite:geoLocation | spatial |
5-3 | 時間的範囲 | 推奨 | dcterms:coverage dcterms:temporal(@rdf:datatype) | dcterms:temporal | temporal |
本ガイドラインでは、共通編にて一般的な項目の説明を行っていますので、スキーマ同士の互換性は<別紙5:データ項目一覧(対照表)>、資料種別ごとの特徴は<資料種別編>を参照してください。
- 課題・発展可能性
―
5-1.件名・分類
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
件名・分類 | 推奨 | dcterms:subject dc:subject | jpcoar:subject | subject |
基本事項
当該情報資源の件名・分類に関する情報を記録します。
件名、キーワード、分類等、該当する情報の記録方法は、採用するスキーマの規則にそってください。
流通のポイント
主題に関する情報が記録されていることで、利用者が情報資源の中身を推測することができ、また、発見可能性を高めることができます。
各種の標準的な件名や分類の記録方法があり、これらが採用されることが望まれるが、各館により独自に付与された主題情報に関しても、メタデータに記録し、流通経路に載せることで、メタデータを取得した機関等が適切なデータ変換を行える場合もあります。主題情報は、まずは記録、出力することが推奨されます。値の統制や標準化を重視した結果、出力しないという判断になるよりは、どのような形でもまずは出力いただくことで、データ利用者側が工夫して活用する余地が生じます。
DC-NDL(RDF)
- データ例:件名・分類
- 適用状況:
DC-NDLでは、NDCについて、NDC10版、9版、8版等、版次によって異なる属性を設定しています。これを採用しているDC-NDL(RDF)では、メタデータを利用する際にNDCによる網羅的なデータ抽出が行えない点について改善を検討しています。
JPCOARスキーマ
- データ例:主題、主題(カタログ情報)
- JPCOARにおける格納方法:
個別のアイテムに対する主題は、すべてjpcoar:subjectに格納します。アイテムの集合体としてのコレクションの内容を表す件名・分類は、データベース単位の情報を記録する「カタログ情報」配下のjpcoar:subjectに格納します。 - 適用状況:
ver.2.0改訂に伴い、主題の属性(subjectScheme)の語彙に「e-Rad_field」と「JEL」を追加し、e-Radの研究分野(大分類)とJELの分類コードにも対応した記述を可能としました。スキーマ説明では、研究データのメタデータの推奨例も記載しています。さらに、「カタログ情報」にデータベースの内容を表す件名・分類を記入する項目(「カタログ情報」配下のjpcoar:subject)も新設しました。
5-2.空間的範囲
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
空間的範囲 | 推奨 | dcterms:coverage dcterms:spatial(@rdf:datatype) | datacite:geoLocation | spatial |
基本事項
当該情報資源に関する場所、地理的な情報を記録します。
例えば、北海道で出版された、沖縄の写真集であれば、出版地は北海道、空間的範囲は沖縄となります。当該情報源の出版または作成地域に関する情報は、「3-1. 出版者・出版地」を参照してください。
流通のポイント
緯度経度の情報等、統制された形式で記録されていることで、地図情報としての表示等、情報資源の利活用の可能性が広がります。
DC-NDL(RDF)
- データ例:時空間範囲・空間的範囲
- 適用状況:
地図の縮尺等、現在は注記としている関連情報の記録の充実について検討を行っています。
JPCOARスキーマ
- データ例:位置情報
5-3.時間的範囲
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
時間的範囲 | 推奨 | dcterms:coverage dcterms:temporal(@rdf:datatype) | dcterms:temporal | temporal |
基本事項
当該情報資源の年代等時間に関する情報を記録します。
例えば、2000年代に出版された、江戸時代の地図の複製版であれば、出版年は2000年代、時間的範囲は江戸時代となります。当該情報資源の出版または作成地域に関する情報は、「3-1. 出版者・出版地」を参照してください。
流通のポイント
統制された形式で記録されていることで、情報資源の利活用の可能性が広がります。
DC-NDL(RDF)
- データ例:時間的範囲
JPCOARスキーマ
- データ例:時間的範囲
6.内容
(2023年10月24日更新)
項番 | 項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|---|
6-1 | 目次情報 | 推奨 | dcndl:partInformation dcterms:tableOfContents(@rdf:parseType) | datacite:description@descriptionType=”TableOfContents” | tableOfContents |
6-2 | 要約・抄録 | 推奨 | dcterms:abstract | datacite:description@descriptionType=”Abstract” | abstract |
6-3 | 注記 | 推奨 | dcterms:description | datacite:description@descriptionType=”Other” | description |
本ガイドラインでは、共通編にて一般的な項目の説明を行っていますので、スキーマ同士の互換性は<別紙5:データ項目一覧(対照表)>、資料種別ごとの特徴は<資料種別編>を参照してください。
- 課題・発展可能性
―
6-1.目次情報
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
目次情報 | 推奨 | dcndl:partInformation dcterms:tableOfContents(@rdf:parseType) | datacite:description@descriptionType=”TableOfContents” | tableOfContents |
基本事項
当該情報資源の目次・記事タイトル等を記録します。スキーマによっては目次・記事タイトルの著者も併せて記録することができます。
流通のポイント
目次情報は、資料発見のための有用な情報です。タイトル以外に、これらの情報が記録されていることで、利用者が情報資源の中身を推測することができ、発見可能性を高めることができます。
DC-NDL(RDF)
JPCOARスキーマ
- データ例:内容記述、内容記述(カタログ)
- JPCOARにおける格納方法:
個別のアイテムに対する目次情報は、すべてdatacite:description(@descriptionType=”TableOfContents”)に格納します。アイテムの集合体としてのコレクションについての情報は、データベース単位の情報を記録する「カタログ情報」配下のdatacite:description(@descriptionType=”Other”)に格納します。 - 適用状況:
ver.2.0改訂に伴い、「カタログ情報」にデータベースの内容を示す情報を記述する項目(「カタログ情報」配下のdatacite:description)をも新設しました。
6-2.要約・抄録
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
要約・抄録 | 推奨 | dcterms:abstract | datacite:description@descriptionType=”Abstract” | abstract |
基本事項
当該情報資源の要約、抄録、あらすじ、解説等、内容を示すため作成された情報を記録します。
要約、抄録、あらすじ、解説等は、スキーマによっては個々に異なる項目を用意している場合があります。採用するスキーマの規則にそってください。
流通のポイント
要約・抄録等の各種情報は、資料発見のための有用な情報です。タイトル以外に、これらの情報が記録されていることで、利用者が情報資源の中身を推測することができ、発見可能性を高めることができます。
DC-NDL(RDF)
- データ例:要約・抄録
- 適用状況:
現在、DC-NDL(RDF)では、要約、抄録、あらすじ、解説等はすべて「dcterms:abstract」へ格納しています。今後のニーズに応じて、解説、解題等について個別項目の用意を検討します。
JPCOARスキーマ
- データ例:内容記述、内容記述(カタログ)
- JPCOARにおける格納方法:
個別のアイテムに対する目次情報は、すべてdatacite:description(@descriptionType=”Abstract”)に格納します。アイテムの集合体としてのコレクションについての情報は、データベース単位の情報を記録する「カタログ情報」配下のdatacite:description(@descriptionType=”Other”)に格納します。 - 適用状況:
ver.2.0改訂に伴い、「カタログ情報」にデータベースの内容を示す情報を記述する項目(「カタログ情報」配下のdatacite:description)を新設しました。
6-3.注記
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
注記 | 推奨 | dcterms:description | datacite:description@descriptionType=”Other” | description |
基本事項
他の項目に採用できない情報を、注記として記録します。
流通のポイント
メタデータを異なるスキーマ間で交換する場合、必ずしも同様の意味をもつ項目に、情報を格納できるとは限りません。しかし、システム、サービス、その他のスキーマでの使用等を考慮して、注記に格納することで、情報を流通させることができます。
注記に格納した場合、情報の意味の判別が困難になるため、導入句を付しておくことが推奨されます。これは今後新たな項目が追加された場合に導入句を元に振り分けるといった事態も想定しています。
なお、注記への記録は、一般的な用語や表現である場合に、検索のノイズ等にもつながる可能性もあるため、どの程度の記録が必要かは、利用するサービスの方針に応じて判断が必要です。
DC-NDL(RDF)
- データ例:注記
- 適用状況:
現時点では注記に記録されている地図の縮尺等、個別の項目に記録されることが望ましい情報については、今後の必要性に応じて、項目の追加を検討します。
JPCOARスキーマ
- データ例:内容記述、内容記述(カタログ)
- JPCOARにおける格納方法:
個別のアイテムに対する目次情報は、すべてにdatacite:description(@descriptionType=”Other”)に格納します。アイテムの集合体としてのコレクションについての情報は、データベース単位の情報を記録する「カタログ情報」配下のdatacite:description(@descriptionType=”Other”)に格納します。 - 適用状況:
ver.2.0改訂に伴い、「カタログ情報」にデータベースの内容を示す情報を記述する項目(「カタログ情報」配下のdatacite:description)をも新設しました。
7.言語
(2023年10月24日更新)
項番 | 項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|---|
7-1 | 言語 | 推奨 | dcterms:language dcndl:originalLanguage | dc:language dcndl:originalLanguage | language |
本ガイドラインでは、共通編にて一般的な項目の説明を行っていますので、スキーマの仕様は各ガイドラインを、スキーマ同士の互換性は別紙、資料種別ごとの特徴は<資料種別編>を参照してください。
- 課題・発展可能性
―
7-1.言語
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
言語 | 推奨 | dcterms:language dcndl:originalLanguage | dc:language dcndl:originalLanguage | language |
基本事項
当該情報資源の記述言語に関する情報を記録します。
流通のポイント
統制されたコード値を用いることで、異なるシステム、サービスにおいても、統一的に検索または表示等に情報を用いることができます。
DC-NDL(RDF)
JPCOARスキーマ
8.種別・形態
(2023年10月24日更新)
項番 | 項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|---|
8-1 | 資料種別 | 強く推奨 | dcndl:materialType | dc:type | type |
8-2 | 記録形式 | 推奨 | dcterms:format | jpcoar:format jpcoar:mimeType | format |
8-3 | 大きさ 容量 | 推奨 | dcterms:extent | dcterms:extent jpcoar:extent | extent |
メタデータ流通とコンテンツの活用促進という観点から、ユーザが情報資源の利用に必要な情報を記録します。
特に、デジタル化等の媒体変換が行われている場合、原資料に対する記録形式と媒体変換後の記録形式を混在させないよう記録する事が必要です(デジタルアーカイブのメタデータであれば、デジタル化資料に関する記録形式を記録)。
- 課題・発展可能性
古典籍等の特徴的な資料種別の説明は、<資料種別編>を参照してください。
8-1.資料種別
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
資料種別 | 強く推奨 | dcndl:materialType | dc:type | type |
基本事項
当該情報資源の資料種別に関する情報を記録します。採用するスキーマにより資料種別の情報を選択してください。
なお、「デジタルで閲覧可能」「冊子体」「DVD」「点字」等の記録形式(利用形態)に関する情報は、資料種別とは分けて、記録することが推奨されます。
流通のポイント
標準的なスキーマでは、資料種別に類する定義を行っていますので、採用されるスキーマに応じて資料種別を選択し、付与されることが推奨されます。
標準的なスキーマを採用されない場合においても、自館の情報資源の種別を示す何らかの情報を出力されることを推奨します。これらの判別情報があれば、メタデータを取得した先で適用している種別に変換して格納することが可能になります。
DC-NDL(RDF)
- データ例:資料種別
- 適用状況:
DC-NDLで採用しているNDLタイプ語彙とJPCOARスキーマの資源タイプの互換性を整理します。この両スキーマの互換性を整理したうえで、順次ガイドラインの別紙を種別ごとに拡張していきます。
なお、NDLの各システム(NDLオンライン、NDLサーチ)では、資料種別をそれぞれ独自に定義しています。これらの情報とNDLタイプ語彙との互換性も順次整備し、検索、API等でのメタデータ利用に際して利用しやすい形を目指します。
JPCOARスキーマ
- データ例:資源タイプ
- 適用状況:
JPCOARスキーマの資源タイプはオープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が策定したResource Typesの統制語彙を採用しています。COARが実施したResource Types Version3.0への改訂に伴い、研究データや特許に関する語彙をver.2.0で拡張しました。
8-2.記録形式
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
記録形式 | 推奨 | dcterms:format | jpcoar:format jpcoar:mimeType | format |
基本事項
「冊子体」、「マイクロフィルム」、「デジタル資料」等の当該情報資源が記録されている媒体形式を記録します。
同一の情報資源に対して、異なる記録形式を持つ場合は、「10-7.別の記録形式」に記録します。
流通のポイント
当該情報資源の記録形式、及び、異なる記録形式を持つ場合の関連性の記録をともに記録することで、利用したい形式を任意に選択しやすくでき、コンテンツの発展可能性を高めます。
標準的なスキーマを採用されない場合においても、自館の情報資源の種別を示す何らかの情報を出力されることを推奨します。これらの判別情報があれば、メタデータを取得した先で適用している種別に変換して格納することが可能になります。
DC-NDL(RDF)
- データ例:記録形式
- 適用状況:
資料形態に関する情報を統一的に付与できるよう、NDLタイプ語彙等を整備します。
※「8-1.資料種別」の項も参照ください。
JPCOARスキーマ
- データ例:物理的形態、ファイルフォーマット
- 適用状況:
情報資源の物理的な記録形式をリテラルに記入する項目として「物理的形態(jpcoar:format)」を新設しました。コンテンツのファイル形式を記入する項目は名称を「ファイルフォーマット(jpcoar:mimeType)」に変更しています。
8-3.大きさ、容量
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
大きさ 容量 | 推奨 | dcterms:extent | dcterms:extent jpcoar:extent | extent |
基本事項
情報資源の大きさ・容量等の情報を記録します。値の意味は資料や機関によって様々であるため、導入句あるいは単位と共に出力することを推奨します。
物理的な大きさ等だけではなく、デジタルコンテンツのファイル容量等もここに記録します。
流通のポイント
特になし
DC-NDL(RDF)
- データ例:大きさ・容量等
JPCOARスキーマ
- データ例:大きさ、サイズ
- 適用状況:
情報資源の大きさ、付属資料など、形態に関する情報をリテラルに記入するための項目として大きさ(dcterms:extent)を新設しました。また、複数の形態に関する情報を表現する必要がある場合も、ここに収めます。現在はファイルサイズ、分量等の情報などは容量を記入する項目として、サイズ(jpcoar:extent)を使用します。
9.利用条件・権利
(2023年10月24日更新)
項番 | 項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|---|
9-1 | ライセンス情報 | 強く推奨 | [license] | dc:rights jpcoar:license | license |
9-2 | アクセス制限 | 推奨 | dcterms:accessRights | dcterms:accessRights | accessRights |
9-3 | 著作権情報 | 推奨 | dcterms:rights | dc:rights | rights |
9-4 | 著作権者名 | 推奨 | dcterms:rightsHolder | jpcoar:rightsHolder | rightsHolder |
本章では、ライセンス情報や著作権情報等、コンテンツやメタデータの利用に際しての各種条件に関わる情報を記録します。
資料・メタデータの成立過程では複数の個人・機関が関係し、様々な権利が発生する場面があり、その態様は複雑になります。そこで本ガイドラインでは、利用条件・権利に関する情報を次のモデルで整理しました。
権利に関して記述できる内容は図のとおり多岐にわたるため、各種の利用条件・権利に関する情報を、メタデータ上ではどの単位で表現するか(青枠内)整理しました。
メタデータ流通とコンテンツの活用促進という観点から、利用に際して必要な条件が集約されるよう、メタデータ及びコンテンツの利用に際して提供者が定めている二次利用条件を「ライセンス情報」と整理し、推奨度を設けています。
まずは、ユーザが利用に必要な条件という観点から「ライセンス情報」を整備いただき、必要に応じてそれ以外の権利に関する項目を出力することをご検討ください。
- 課題・発展可能性
ライセンスの付与及び流通は、現状のニーズに応じて情報の粒度・推奨度を整理していますが、サムネイル画像のライセンス等、対応検討中の項目もあります。今後のフィードバックや新たな利用形態の出現に対応して改訂を検討します。
9-1.ライセンス情報
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
ライセンス情報 | 強く推奨 | [license] | dc:rights jpcoar:license | license |
基本事項
当該メタデータ及び当該情報資源に関する二次利用条件を記録します。本ガイドラインではライセンス情報を付与する対象として次の2パターンを想定しています。
- メタデータに対するライセンス
- コンテンツに対するライセンス
メタデータやコンテンツの利用にあたって、「ライセンス情報」を確認するだけで対象の利用条件が理解できるように記録してください。
また、メタデータのライセンス管理主体はメタデータ提供者であると見なします。ライセンスの格納に際しては、何に対してのライセンスなのかが、項目名や構造化等の手段によって識別可能な形で出力されていることが必要です。
流通のポイント
ライセンス情報の記録は、汎用的な形式で出力いただけると利便性が高まります。
権利区分の種類について以下のようなページも参照ください。
- 参考)ジャパンサーチ デジタルコンテンツの二次利用条件表示について
https://jpsearch.go.jp/policy/available-rights-statements
メタデータのライセンス情報は、流通上必須の項目であり、原則CC0と設定されることが推奨されます。
メタデータのオープンなライセンスは直接のメタデータ連携機関だけでなくその先のすべての利用者に対して利用の可能性を開くものです。ライセンスが付与されていない、または、ライセンスがオープンではない場合、メタデータの利用は直接のメタデータ連携機関に限られるものとなり、メタデータの利活用につながりません。仮にメタデータをオープンデータにできない場合でも、利用者のためには何らかのライセンス情報を付与することが推奨されます。
コンテンツのライセンス情報についても、情報資源の利用を促進する観点から付与することが推奨されます。
DC-NDL(RDF)
- データ例:該当なし
- 適用状況:
次回改訂で、以下の仕様を適用予定です。
コンテンツとメタデータのライセンス情報に関する、新規の語彙を用いて表現します。
コンテンツのライセンス情報はitem(個別資料)の階層に、メタデータのライセンス情報はBibAdminResource(管理)の階層に格納し、構造化により2種類のライセンス情報を表現します。
DC-NDL(RDF)では、原則としてメタデータに対するライセンス情報は、包括的にBibAdminResourceの階層に1つのみ付与可能としています。
また、コンテンツのライセンスは、itemの階層に記述します。
JPCOARスキーマ
- データ例:権利情報、ライセンス(カタログ情報)
- JPCOARにおける格納方法:
JPCOARでは、個別のアイテムに対するライセンス情報はdc:rightsに格納します。アイテムの集合体としてのコレクションに対するライセンス情報は、データベース単位の情報を記録する「カタログ情報」配下のjpcoar:licenseに格納します。 - 適用状況:
DC-NDLとの互換性を維持するため、ver.2.0改訂に伴い、データベース単位の情報を記録する「カタログ情報」、その配下の項目として「ライセンス」を新設しました。これによって、アイテムの集合体としてのコレクションのメタデータおよびサムネイルに対して、一括してライセンス情報を記述できるようになりました。なお、データの流通先や助成機関が推奨するライセンスの語彙を使用することを推奨します。
9-2.アクセス制限
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
アクセス制限 | 推奨 | dcterms:accessRights | dcterms:accessRights | accessRights |
基本事項
記述対象とする情報資源へのアクセスを制御するための情報を収めます。
例えば、デジタルアーカイブで提供される各種コンテンツ(一次資料)に対する「Web公開」、「館内限定公開」といったアクセス情報を格納します。
※メタデータへのアクセス制限についても実質記録は可能ですが、メタデータ流通の観点から、記録は想定しません。
流通のポイント
デジタルコンテンツを提供する各種サービスでは、公開範囲を指定したファセット等の機能を用意する場合があります。
その際に、情報資源へのアクセスに関する情報をメタデータに格納し流通させることで、複数のデータベースのメタデータを扱う各種サービスにおいても、利用者に対して適切な機能を提供できるようになります。
例)ジャパンサーチ
例)国立国会図書館サーチ
DC-NDL(RDF)
- データ例:アクセス権、アクセス権(カタログ情報)
- 適用状況:
次回改訂で、本仕様を適用予定です。
JPCOARスキーマ
- データ例:アクセス権、アクセス権(カタログ情報)
- JPCOARにおける格納方法:
個別のアイテムに対するコンテンツのアクセス状態はdcterms:accessRightsに格納します。データベースのアクセス状態については、データベース単位の情報を記録する「カタログ情報」配下のdcterms:accessRightsに格納します。 - 適用状況:
ver.2.0改訂に伴い、データベース単位の情報を記録する「カタログ情報」、その配下の項目として「アクセス権」を新設しました。これによって、データベースのアクセス状態を記述できるようになりました。
アクセス権として統制語彙のみ入力可能です。
9-3.著作権情報
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
著作権情報 | 推奨 | dcterms:rights | dc:rights | rights |
基本事項
著作権に関する情報を記録する項目です。
※ライセンス情報との違い
ライセンス情報は、メタデータやコンテンツの流通・利用のために、最低限必要な情報を汎用的かつ端的に表現する項目です。
一方で、著作権情報は、著作権の状態を表現することを目的とした項目です。
利用の観点から、ライセンス情報を推奨度としては高く設定しています。
流通のポイント
著作権は、メタデータ、情報資源(原資料)、媒体変換後の個別資料等、対象ごとに存在する可能性があるため、その著作権の対象とするものが明確になるよう出力することが必須です。
上述のとおりライセンスに関する情報があれば流通に支障はありません。ライセンス情報のうち、またはライセンス情報とは別に、著作権の状態を記録できる場合において本項目の記録を推奨します。
DC-NDL(RDF)
- データ例:著作権情報
- 適用状況:
次回の改訂で、本仕様を適用予定です。
著作権情報を記述した階層に応じて、記述された権利情報が対象とする物と、権利情報を、組み合わせて表現できます。書誌の階層に格納した場合は対象作品の著作権状態を意味します。個別資料の階層に格納した場合はファイル単位での著作権状態を示します。
DC-NDL(RDF)が想定するメタデータ構造は<別紙7:メタデータ構造>をご参照ください。
JPCOARスキーマ
- データ例:権利情報、権利情報(カタログ情報)
- JPCOARにおける格納方法:
JPCOARでは、個別のアイテムに対する権利情報はdc:rightsに格納します。アイテムの集合体としてのコレクションに対する権利情報は、データベース単位の情報を記録する「カタログ情報」配下のdc:rightsに格納します。 - 適用状況:
ver.2.0改訂に伴い、データベース単位の情報を記録する「カタログ情報」、その配下の項目として「権利情報」を新設しました。これによって、アイテムの集合体としてのコレクションに一括して権利情報を記述できるようになりました。
権利者の情報は権利者情報(jpcoar:rightsHolder)に格納します。
9-4.著作権名
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
著作権者名 | 推奨 | dcterms:rightsHolder | jpcoar:rightsHolder | rightsHolder |
基本事項
「9-3.著作権情報」で記録した情報に応じて、著作権者名を記録します。
流通のポイント
特になし
DC-NDL(RDF)
- データ例:著作者情報
- 適用状況:
次回改訂で、本仕様を適用予定です。
JPCOARスキーマ
- データ例:権利者情報
- 適用状況:
権利者名はjpcoar:rightsHolderNameに格納します。権利者名には属性として言語の情報を持たせることが可能です。
また、権利者識別子が存在する場合jpcoar:nameIdentifierに格納可能です。
10.関連情報
(2023年10月24日更新)
項番 | 項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|---|
10-1 | をも見よ | 強く推奨 | rdfs:seeAlso(URI) dcterms:identifier(リテラル) | jpcoar:identifier | identifier |
10-2 | 由来 | 推奨 | 原資料: dcterms:source dcndl:sourceIdentifier | ~の別の記録形式である: jpcoar:relation@relationType=”isFormatOf” ~は以前から存在していた別の記録形式である: jpcoar:relation@relationType=”hasFormat” | source |
10-3 | 関連 | 推奨 | dcterms:relation | jpcoar:relation | relation |
10-4 | 異版 | 推奨 | 異版である: dcterms:isVersionOf 異版を持つ: dcterms:hasVersion | ~の異版である: jpcoar:relation@relationType=”isVersionOf” ~は異版である: jpcoar:relation@relationType=”hasVersion” | isVersionOf hasVersion |
10-5 | 置換 | 推奨 | 改題前誌: dcterms:replaces 改題後誌: cterms:isReplacedBy | ~を置き換えている: jpcoar:relation@relationType=”replaces” ~によって置き換えられている: jpcoar:relation@relationType=”isReplacedBy” | replaces isReplacedBy |
10-6 | 部分 | 推奨 | 掲載誌情報: dcterms:isPartOf 目次・記事: dcterms:hasPart | ~の一部分である: jpcoar:relation@relationType=”isPartOf” ~を一部分として持つ: jpcoar:relation@relationType=”hasPart” | isPartOf hasPart |
10-7 | 記録形式 | 推奨 | 別の記録形式である: dcterms:isFormatOf 別の記録形式である: dcterms:hasFormat | ~の別の記録形式である: jpcoar:relation@relationType=”isFormatOf” ~は以前から存在していた別の記録形式である: jpcoar:relation@relationType=”hasFormat” | isFormatOf hasFormat |
情報資源同士の関連性を示す情報は、メタデータ流通の過程においてコンテンツの利便性を高めるため重要です。情報資源がURIによって関係性を示せていれば、詳細な情報、利用方法等を、メタデータの利用者側で選択できます。
これら関連情報を示す項目で共通的に採用可能な識別子の種類については、<別紙6:データ項目一覧(識別子)>を参照ください。
- 課題・発展可能性
現状のニーズに応じて情報の粒度・推奨度を整理しています。今後のフィードバックや新たな利用形態の出現に対応して改訂を検討します。
10-1.をも見よ
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
をも見よ | 強く推奨 | rdfs:seeAlso(URI) dcterms:identifier(リテラル) | jpcoar:identifier | identifier |
基本事項
当該情報資源がもつ、識別子やURI等の情報を記録します。関連する識別子等は、関連等個々の情報に記録します。
採用するスキーマにより、リテラル、URIの採用方法は異なるため、スキーマの定義にそってください。
流通のポイント
識別子をURIで示すことで、情報資源同士の関係性を参照しやすくなり、利便性が高まります。また、識別子は継続性の担保が重要であるため、システムリニューアルによって維持できなくなる等がないよう留意されることが推奨されます。
複数の情報資源に共通の識別子は、hasPart(「10-6.部分」参照)等適切な項目への記録が必要です。これらが意識されていないと、情報資源の適切な同定や識別が困難となります。
識別子は、情報資源を特定する重要な情報であるため、一度流通すると、情報を探す利用者に対しての担保が必要となります。誤識別子に対しても注記等により参照が可能になるよう、対応が推奨されます。
識別子に関するデータ項目は、<別紙6:データ項目一覧(識別子)>を参照ください。
DC-NDL(RDF)
JPCOARスキーマ
- データ例:識別子
10-2.由来
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
由来 | 推奨 | 原資料: dcterms:source dcndl:sourceIdentifier | ~の別の記録形式である: jpcoar:relation@relationType=”isFormatOf” ~は以前から存在していた別の記録形式である: jpcoar:relation@relationType=”hasFormat” | source |
基本事項
当該情報資源が作成された源となった情報がある場合に記録します。
例えば、デジタル化、点字、マイクロ、マイグレーション等により媒体変換等が行われた場合に、その変換前の情報資源を記録します。
流通のポイント
異なる情報資源をURIで示すことで、利用者が求める利用方法(記録形式)を選択しやすくなり、コンテンツの発見可能性が高まります。
DC-NDL(RDF)
- データ例:原資料へのリンク、原資料のレコード番号・標準番号
- 適用状況:
DC-NDL(RDF)では、原資料が明らかである場合に、「source」を付与しています。今後、異なる記録形式への参照情報を充実させるため、別の記録形式を持つ場合、統一的に「isFormatOf」を採用することを検討しています。
JPCOARスキーマ
- データ例:関連情報
- 適用状況:
将来的な汎用性(例:ボーンデジタル資料からオンデマンド印刷された冊子が派生する等)を考慮し、デジタル化資料と原資料間のリンクを記述する場合は、関連情報の属性(relationType)として「isFormatOf」または「hasFormat」の使用を推奨します。
10-3.関連
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
関連 | 推奨 | dcterms:relation | jpcoar:relation | relation |
基本事項
当該情報資源と関連する情報資源との間に、置換、異版、部分等のより適切な関係を特定できない場合に、関連として記録します。
メタデータ流通の上では、関連性が示されていることが一番重要と考えています。適切な関係を特定できない場合でも、必要に応じて本項目への格納を検討ください。
流通のポイント
異なる情報資源をURIで示すことで、利用者が求める情報を選択しやすくなり、コンテンツの発見可能性が高まります。
DC-NDL(RDF)
JPCOARスキーマ
- データ例:関連情報
10-4.異版
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
異版 | 推奨 | 異版である: dcterms:isVersionOf 異版を持つ: dcterms:hasVersion | ~の異版である: jpcoar:relation@relationType=”isVersionOf” ~は異版である: jpcoar:relation@relationType=”hasVersion” | isVersionOf hasVersion |
基本事項
当該情報資源の異版があるとみなせる場合に、その情報を記録します。
メタデータ流通の上では、関連性が示されていることが一番重要と考えています。適切な関係を特定できない場合でも、必要に応じて本項目への格納を検討ください。
流通のポイント
異なる情報資源をURIで示すことで、利用者が求める情報を選択しやすくなり、コンテンツの発見可能性が高まります。
DC-NDL(RDF)
JPCOARスキーマ
- データ例:関連情報
10-5.置換
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
置換 | 推奨 | 改題前誌: dcterms:replaces 改題後誌: cterms:isReplacedBy | ~を置き換えている: jpcoar:relation@relationType=”replaces” ~によって置き換えられている: jpcoar:relation@relationType=”isReplacedBy” | replaces isReplacedBy |
基本事項
改題等により、情報資源が置換されたとみなせる場合に、その情報を記録します。
流通のポイント
異なる情報資源をURIで示すことで、利用者が求める情報を選択しやすくなり、コンテンツの発見可能性が高まります。
DC-NDL(RDF)
- データ例:改題前誌、改題後誌
- 適用状況:
DC-NDL(RDF)では、URIを持つ場合にのみこれらの項目を採用しています。
リテラルでの記録には、「6-3.注記」の項目を参照してください。
なお、必ずしも雑誌(継続刊行物)のみに限定した運用ではありません。図書等の場合にも当該項目を使用できます。
JPCOARスキーマ
- データ例:関連情報
10-6.部分
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
部分 | 推奨 | 掲載誌情報: dcterms:isPartOf 目次・記事: dcterms:hasPart | ~の一部分である: jpcoar:relation@relationType=”isPartOf” ~を一部分として持つ: jpcoar:relation@relationType=”hasPart” | isPartOf hasPart |
基本事項
当該情報資源が記事である場合の掲載誌の情報、または当該情報資源が記事等独立した構成部分を持つ場合に記録します。
流通のポイント
異なる情報資源をURIで示すことで、利用者が求める情報を選択しやすくなり、コンテンツの発見可能性が高まります。
DC-NDL(RDF)
- データ例:掲載誌情報、目次・記事
- 適用状況:
DC-NDL(RDF)では、URIを持つ場合にのみこれらの項目を採用しています。
リテラルでの記録は、別途「1-3.シリーズタイトル」、「6-1.目次情報」の項目を参照してください。
なお、掲載誌情報という日本語で項目名を定義していますが、とくに雑誌(継続刊行物)のみに対象を限定していません。図書等の場合にも当該項目を使用できます。
JPCOARスキーマ
- データ例:関連情報
10-7.別の記録形式
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
記録形式 | 推奨 | 別の記録形式である: dcterms:isFormatOf 別の記録形式である: dcterms:hasFormat | ~の別の記録形式である: jpcoar:relation@relationType=”isFormatOf” ~は以前から存在していた別の記録形式である: jpcoar:relation@relationType=”hasFormat” | isFormatOf hasFormat |
基本事項
当該情報資源が紙・マイクロ・点字・デジタル(オンライン)等、異なる情報資源を持つ場合に、その情報資源を記録します。
流通のポイント
異なる情報資源をURIで示すことで、利用者が求める利用方法(記録形式)を選択しやすくなり、より利便性が高まります。
DC-NDL(RDF)
- データ例:別の記録形式である、別の記録形式を持つ
- 適用状況:
DC-NDL(RDF)では、原資料が明らかである場合に、「source」を付与しています。
今後、異なる記録形式への参照情報を充実させるため、別の記録形式を持つ場合、統一的に「isFormatOf」を採用することを検討しています。
JPCOARスキーマ
- データ例:関連情報
11.コンテンツ
(2023年10月24日更新)
項番 | 項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|---|
11-1 | IIIFマニフェスト | 推奨 | rdfs:seeAlso@rdf:type=”http://iiif.io/api/presentation/2#Manifest”/ | jpcoar:URI@objectType=”iiif” | seeAlso |
11-2 | サムネイル | 強く推奨 | 資料のサムネイル画像URL: foaf:thumbnail | jpcoar:URI@objectType=”thumbnail” | thumbnail |
11-3 | 本文情報(一次資料) | 推奨 | 一次資料へのリンクURL: owl:sameAs | jpcoar:URI@objectType=”fulltext” | sameAs |
コンテンツに関する各種情報は、メタデータ流通の過程においてコンテンツの発見可能性を高めるため重要です。
- 課題・発展可能性
現状のニーズに応じて情報の粒度・推奨度を整理しています。今後のフィードバックや新たな利用形態の出現に対応して改訂を検討します。
11-1.IIIFマニフェスト
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
IIIFマニフェスト | 推奨 | rdfs:seeAlso@rdf:type=”http://iiif.io/api/presentation/2#Manifest”/ | jpcoar:URI@objectType=”iiif” | seeAlso |
基本事項
情報資源の画像がIIIFに対応している場合は、IIIFのマニフェストURIを記録します。
流通のポイント
IIIFマニフェストURIは特にデジタルアーカイブ分野において重要度が高まっている項目です。IIIFに対応したビューアで一律に扱うことができる特性を持ち、異なるデジタルアーカイブの画像を並べて比較する等の活用例があります。必ずしも必須ではありませんが、実装いただくことで利便性は相当程度高まるため推奨としています。
DC-NDL(RDF)
- データ例:IIIFマニフェストURI
JPCOARスキーマ
- データ例:本文URL
- 適用状況:
本文URLの属性(objectType)にIIIFマニフェストURIを示す語彙(iiif)を追加し、IIIF対応であることを明示した上でマニフェストURIを記述できるように変更しました。
11-2.サムネイル
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
サムネイル | 強く推奨 | 資料のサムネイル画像URL: foaf:thumbnail | jpcoar:URI@objectType=”thumbnail” | thumbnail |
基本事項
サムネイル画像のURLを記録します。
流通のポイント
サムネイル画像のURLがメタデータ項目として記録されていると、利用するシステム・サービスでサムネイル画像を表示させることができます。
これにより利用者はより具体的に情報資源を参照・識別できるため、発見可能性を高めることができます。
DC-NDL(RDF)
- データ例:サムネイル画像URL
JPCOARスキーマ
- データ例:本文URL
11-3.本文情報(一次資料)
項目名 | 推奨度 | DC-NDL(RDF) | JPCOARスキーマ | その他 |
---|---|---|---|---|
本文情報(一次資料) | 推奨 | 一次資料へのリンクURL: owl:sameAs | jpcoar:URI@objectType=”fulltext” | sameAs |
基本事項
オンライン上で参照可能な情報資源の場合に、その本文情報・一次資料に関するURIを記録します。
本文情報に関するURIが複数存在する場合は、hasPart(「10-6.部分」参照)に記録します。
流通のポイント
コンテンツの利用条件が対象とするのは、この本文情報が示すコンテンツとみなします。
DC-NDL(RDF)
- データ例:一次資料へのリンクURL
JPCOARスキーマ
- データ例:本文URL