錦絵に描かれた京の桜
風景桜
桜前線が日本列島を北上中です。各地で桜が開花してお花見の季節到来ですが、ここでは錦絵に描かれた京都の桜をご紹介しましょう。描かれた場所は、現在でも桜の名所となっている場所が多くあります。訪れた折には、錦絵の描かれた風景と見比べてみるのもまた一興かもしれません。
嵐山
嵐山は平安遷都以来紅葉の名所でした。建長7(1255)年、後嵯峨上皇が吉野から山桜を移植したことがきっかけで、桜の名所としても知られるようになったとされます。
東山
東山では、室町時代に入り8代将軍足利義政が豪華な花見を行いました。江戸時代には一般庶民の間にも花見が広がり、東山界隈に多くの名所が誕生しました。ここでは、清水寺、祇園八坂神社、大谷本廟の錦絵をご紹介します。清水寺の舞台から見下ろす錦雲渓が桜色に染まった様子が描かれています。
京都御所
平安時代には、邸内に桜を植える貴族が現れます。その代表が京都御所にある「左近の桜」といわれています。ここでは京都御所の桜をご紹介します。
御室
京都の桜の最後を彩るのが、遅咲きで知られる仁和寺の「御室桜」です。樹木の高さがやや低いので、桜の花が雲海のように境内を覆います。
京都の桜の名所は、今回ご紹介した以外にも洛西の西山や豊臣秀吉の花見で有名な醍醐寺、山科、宇治川周辺などたくさんあります。
その昔、花見は山野に行って、桜の美しさを鑑賞したため「桜狩」とも呼ばれていました。もとは貴族の遊びでしたが、やがて武士階級に広まり、庶民も楽しむようになりました。山に囲まれた京都には、今でも桜狩の場所がかくされているかもしれません。
参考文献
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