台湾の公文書(档案)を調べる(1)明清~日本統治期
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アジア情報室 作成
台湾では、アーカイブの対象となる文書を一般に「檔案(档案)」と呼んでいます。ここでは、台湾に関係する公文書を中心とする档案資料について、明清期(1368~1895年)、日本統治期(1895~1945年)に分けて、検索や資料画像が閲覧できるデータベースおよび主な当館所蔵資料を中心に紹介します。【 】内は当館請求記号です。
なお、戦後台湾(1945年~現在)の档案については台湾の公文書(档案)を調べる(2)第二次大戦後を、档案を含む資料のデジタルアーカイブについてはアジアの文化機関のデジタルアーカイブ(中国・台湾・韓国)を、台湾の官庁出版物についてはAsiaLinks「政府刊行物 : 中国・香港・マカオ・台湾」などをご参照ください。
1. 台湾で公開されている档案資料
求める档案がどの機関で利用できるか見当がつかない場合は、各種档案を統合的に検索できる以下のウェブサイトで調べることができます。
- 檔案資源整合查詢平台(國家發展委員會檔案管理局)
後述の國立臺灣大學、國史館、中央研究院などを含む31機関が運営する78のデータベースを横断検索できます。全文画像を閲覧できるものもありますが、画像の閲覧に際しては、個別に登録が必要となるものもあります。以下に紹介するウェブサイトは、特に断りの無い限り、このウェブサイトからも検索できるものです。
2. 明清期(1368~1895)の台湾に関する档案資料
清代の皇帝への上奏文である奏摺をはじめとするさまざまな種類の档案の中から、台湾に関するものを抽出した以下のデータベースおよび資料があります。
- 臺灣史料集成編輯委員會 編『明清臺灣檔案彙編』(國立臺灣歷史博物館ほか 2004.3-2009.10 【GE461-C134】)
明代嘉靖年間(1522~1566)から清末まで(~1911年)の台湾関係の档案を収録しています。 - 台灣歷史數位圖書館全文資料庫(臺灣大學數位人文研究中心)
登録して審査を通過すれば、「明清檔案」から明清期の台湾関係の档案約46,000件について検索、全文テキストの閲覧ができます。
※上記「檔案資源整合查詢平台」からは横断検索できないデータベースです。
また、清代の淡水、新竹、台北地区の地方档案である「淡新檔案」については、上記台灣歷史數位圖書館全文資料庫のほか、以下のデータベースおよび資料集があります。
- 國立臺灣大學圖書館數位典藏館(國立臺灣大學)
「淡新檔案」を選択すると、19,246件について全文テキストと原資料の画像イメージを閲覧できます。 - 淡新檔案校註出版編輯委員會編輯『淡新檔案』(國立臺灣大學圖書館ほか 1995.9-2010.5 【AC8-311-C36】)
行政、民事、刑事の3部分からなっています。テキストのみの収録です。
3. 日本統治期(1895~1945)の台湾に関する档案資料
台湾総督府が作成した档案は、主に國史館台灣文獻館と中央研究院臺灣史研究所で公開しています。一部分は「總督府檔案專題翻譯」「臺灣總督府檔案主題選編」などのように、國史館台灣文獻館が中国語に翻訳した資料も刊行されています。
なお、この時期の図書資料を調べるには、台湾所在の植民地期日本関係資料の調べ方をご参照ください。
3-1. 國史館台灣文獻館
國史館台灣文獻館文獻檔案查詢系統(國史館台灣文獻館)
國史館台灣文獻館のデジタルアーカイブです。「臺灣總督府及其他」のカテゴリに、「臺灣總督府檔案」「臺灣總督府專賣局」「臺灣拓殖株式會社」等のサブカテゴリが設けられており、関連する档案の画像を閲覧できます。
なお、台湾総督府档案については、以下の冊子体目録もあります:中京大学社会科学研究所, 国史館台湾文献館 監修 ; 中京大学社会科学研究所台湾総督府文書目録編纂委員会 編集『台湾総督府文書目録』(ゆまに書房 1993.12- 【A111-E91ほか】)
3-2. 中央研究院臺灣史研究所
- 臺灣史檔案資源系統(中央研究院臺灣史研究所)
中央研究院臺灣史研究所檔案館のアーカイブポータルです。個人文書、民間文書、機関档案からなる150種以上の資料群を収録しています。登録して審査を通過すれば、全文画像が閲覧できます。台湾総督府関係では「臺灣總督府時期林業檔案」「臺灣總督府專賣局公文類纂」「臺灣總督府臺南廳公文書」などがあります。
3-3. 國立臺灣大學
- 日治法院檔案資料庫
台北、新竹、嘉義の地方法院の文書など約5,600冊について、検索と全文画像の閲覧ができます。利用には申請書を同大学図書館にメール送付して登録する必要があります。
※上記「檔案資源整合查詢平台」からは横断検索できないデータベースです。