上海新華書店旧蔵書
更新
アジア情報室 作成
概要
このコレクションは、上海新華書店が保管していた中国書の見本約17万冊からなっており、1930年代から1990年代初めまでの、上海を中心とする地域の代表的出版物を多く含んでいます。
上海新華書店は、1937年に延安で創業した新華書店の分店の一つで、1949年に設立されました。
新華書店ははじめ解放軍に従い解放区に分店を開設して販路を拡大していきました。 全国の都市および農村に販売網を持つ国営の新華書店は、1950年代から1970年代にかけての中国国内の書籍の発行 (取次・販売) の中枢として機能しており、上海新華書店は、その華東地区における拠点的役割を果たしていました。
このコレクションは、1930年代から1990年代にかけての出版物の一大見本コレクションとして、 当館所蔵の中国語資料を補うばかりか、 当時の出版状況を知る上でも貴重な資料となっています。
(画像をクリックすると国立国会図書館公式Youtubeチャンネルの動画が表示されます)
蔵書構成
翻訳を含む文芸書、 毛沢東やレーニン、 マルクス・エンゲルスなどの著作集、 啓蒙書、 実用書、 古典、 連環画など、 ほぼ全分野にわたっています。 出版社は上海のものが最も多く、 次いで北京のものが多く含まれています。
利用提供
約15万冊の遡及入力が終了し、関西館アジア情報室で利用可能です。
請求記号
「XP」 は 「上海新華書店旧蔵書」 を表す当館の分類記号、続くA~Dは大きさを表しています。
- 縦20㎝未満の資料: XP-A-1~
- 縦20㎝以上27㎝未満の資料:XP-B-1~
- 縦27㎝以上32㎝未満の資料:XP-C-1~
- 縦32㎝以上または横24㎝以上の資料:XP-D-1~
検索方法
国立国会図書館サーチで検索可能です(ただし、タイトルの読みについては〈本タイトルのピンイン読み〉のみで検索可能です)。
なお、このコレクションの目録データは、資料の表記が簡体字か繁体字かにかかわらず、原則として簡体字に変換して入力を行っていますが、全体の1%程度、繁体字で入力されている書誌データが含まれています。ただし、どちらの字体でも検索が可能です。
書誌データ
国立国会図書館HP「オープンデータセット」のページで書誌全件(約14万件)のデータを公開しています。(国際子ども図書館で所蔵している児童書(分類記号YXP)は除きます。)
ご利用にあたり、出典の表示は不要です。
ただし、コレクションとしての上海新華旧蔵書の性格を踏まえてデータ分析を行い、研究発表等をされる場合は、同コレクションは関西館に所蔵されている点にも触れていただければ幸いです。
アジア情報室関連ページ
- 「上海新華書店旧蔵書 (当館の蔵書から 22 )」『国立国会図書館月報』(2003年月3号 504号)
- 「上海新華書店旧蔵書遡及入力の終了について」『国立国会図書館月報』(2006年10月号 547号)
- 「国立国会図書館関西館所蔵中国連環画書名一覧」『アジア情報室通報』9(4)(2011年12月)
- 中野徹「上海新華書店旧蔵書と中国の連環画」『アジア情報室通報』10(1)(2012年3月)
- 中村元哉「関西館アジア情報室が所蔵する上海新華書店旧蔵書について」『アジア情報室通報』18(3)(2020年9月)
- 「書誌データから見る上海新華書店旧蔵書コレクション ―データセットを利用した分析事例(前編)」『アジア情報室通報』18(3)(2020年9月)
- 「書誌データから見る上海新華書店旧蔵書コレクション ―データセットを利用した分析事例(後編)」『アジア情報室通報』18(4)(2020年12月)
- 周俊「「上海新華書店旧蔵書」に含まれる内部図書について」『アジア情報室通報』22(3)(2024年9月)
- 研究会「新たな現代中国研究の推進―国立国会図書館関西館及び東洋文庫の所蔵資料をめぐって―」(2021.4.17)