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文化財の修理報告書を探す

文化財の修理報告書の探し方を紹介します。文化財そのものについて調べる場合はリサーチ・ナビ「文化財を調べる」・「地方指定文化財を調べる」を参照してください。

書誌事項末尾の【 】は当館請求記号です。

1. 概要

国宝・重要文化財を始めとする文化財を修理・修復する際には、記録として報告書が作成・刊行されています。報告書には修理前の調査、修理方法・過程の記録、修理中に判明した知見、写真・図面などが掲載されており、文化財を調査・研究するうえで重要な資料となっています。

特に建造物については戦前から今日まで刊行が続いており、多数の報告書が確認できます。また、絵画・彫刻等の美術工芸品に関しては、戦後から平成にかけて刊行が増えました。近年では地方自治体指定の文化財についても修理・修復時に刊行されることが増えています。

2. 単行の報告書を探す

2-1. 名称から探す

一般的に建造物の場合は「(保存)修理工事報告書」、美術工芸品の場合は「修理報告書」と題することが多いですが、「修復報告書」「修理報告」「修復工事報告書」などこれに当てはまらない例も少なくありません。

  • 国立国会図書館サーチ
    キーワード欄に「(文化財の名称)△修理△報告」あるいは「(文化財の名称)△修復△報告」(△はスペース)と入力して検索すると、見つかることが多いです。
  • 全国文化財総覧外部サイト(奈良文化財研究所)
    文化財の修理報告書等を検索できます。「刊行物詳細検索」から発行機関、報告書種別(「a:報告書類」>お探しの項目中「修理・整備」)を選択して絞り込み検索ができます。一部の資料は、PDFで全文を検索・閲覧できます。

2-2. 件名から探す

国立国会図書館サーチでは、おおむね2000年以降に発行された修理報告書を、「保存・修復」の件名を指定して一括で検索することができます。
絞り込み条件>項目追加をクリック>「件名、ジャンル」の「件名」を追加したあと、件名欄に「保存・修復」を入力して検索してください。さらにキーワード欄に文化財の名称を入力して、検索結果を絞り込むことも有用です。

2-3. 一覧から探す

現在までに刊行された全ての修理報告書を一覧できる資料はありません。いずれも部分的なものですが、以下の資料で報告書の刊行有無・書名を調べることができます。

全般

  • 新藤透, 飯澤文夫 共編『都道府県別地域遺産図書図版目録』(日外アソシエーツ 2026)
    [範囲] 1945年~2025年 図書
    [排列] 分野別
    [索引] 人名、事項名
    [備考] 戦後80年間に国内で発行された、各地の地域遺産(世界遺産、国指定文化材、民俗文化財)の関連図書などを収録しています。修理報告書を含みます。都道府県ごとの分冊になっています。
  • 『郷土の文化財戦後80年都道府県別図書目録』(日外アソシエーツ 2025 【K1-R5】)
    [範囲] 1945年~2024年 図書
    [排列] 都道府県別>分野別
    [索引] 事項名
    [備考] 戦後80年間に国内で発行された、各地の文化財関連図書を収録しています。修理報告書を含みます。
  • 『50年のあゆみ : 公益財団法人文化財建造物保存技術協会』(文化財建造物保存技術協会 2021 【KA6-R11】)
    [範囲] 1971年度~2020年度
    [備考] 「修理事業等一覧(1971年度~2020年度)」(pp.89-198)に、1971年度から2020年度までに完了した文化財建造物保存技術協会の修理事業等の一覧があります。国指定文化財、地方指定文化財等に分類されており、報告書が刊行された事業は「報告書」欄に○が付されています。
  • 『読書案内国宝を知る本』(日外アソシエーツ 2001 【K1-G12】)
    [範囲] ~2001年
    [索引] 事項名
    [備考] 建造物編・絵画編・彫刻編の3巻構成です。2001年時点で指定されている国宝について、各作品の概要および参考図書を紹介しており、修理報告書がある場合には参考図書として挙げられています。

建造物

  • 『建造物調査報告書総目録』(国立文化財機構奈良文化財研究所企画調整部文化財情報研究室 2024 【KA1-R1】)
    [範囲] 1927年~ 図書
    [排列] 都道府県別
    [索引] なし
    [備考] 全国文化財総覧外部サイト(奈良文化財研究所)で本文のPDF版が公開されています。
  • 『煉瓦造建造物の保存と修復』(国立文化財機構東京文化財研究所 2017)
    [範囲] ~2016年
    [備考] 煉瓦造建造物の修理報告書の一覧が巻末(pp.121-123)に掲載されています。(電子ブックはHTML5版が閲覧可能です)
  • 新建築学大系編集委員会 編『新建築学大系』50(彰国社 1999 【NA25-28】)
    [範囲] ~1999年
    [備考] pp.263-270に、刊行時点で修理工事報告書が発行されている国・自治体の文化財建造物名が、「社寺・霊廟建築」「城郭建築」「書院・方丈・庫裏」「民家」「洋風建築」「石造文化財」「その他」の順に都道府県別に記載されています。
  • 日本建築史研究会 編『日本建築史文献目録 1987~1990』(文化財建造物保存技術協会 1996 【KA1-G3】)
    [範囲] 1987年~1990年
    [備考] 「国宝・重要文化財建造物修理工事報告書目録」(pp.103-114)に、都道府県別の報告書の一覧が掲載されています。
  • 太田博太郎 著『日本建築史序説』(増補第3版 彰国社 2009 【KA71-J20】)
    [範囲] ~1988年
    [備考]「日本建築史の文献」(pp.205-292)の建造物類型別の各章に1968年以前に報告書が刊行された建造物の名称のみ列挙されています。1969年から1988年までに刊行された報告書は「国宝・重要文化財建造物修理工事報告書目録補遺」(pp.368-376)として都道府県別に建造物の名称のみ列挙されています。

このほか、建造物の修理報告書のコレクションを持つ図書館のウェブサイトで、所蔵されている報告書の一覧を確認することができます。

3. 複数の修理報告をまとめた資料を探す

複数の修理報告をまとめた資料として以下の資料があります。

3-1. 建造物

  • 『日本の民家重要文化財修理報告書集成』続(海路書院 2007)
  • 『日本の民家重要文化財修理報告書集成』(東洋書林 1999-2001 【KA237-G148】)
    [範囲] 昭和28(1953)年10月~平成18(2006)年12月
    [備考] 重要文化財に指定されている民家の修理報告書を集めた資料(正編は全11巻補遺2巻・続編は全8巻)です。国立国会図書館サーチではキーワード欄に文化財の名称を入力することで、掲載巻を特定することができます。
  • 『文建協通信』(文化財建造物保存技術協会 季刊 【Z71-D367】)
    『協会通信』(文化財建造物保存技術協会 月刊 【Z71-E640】)※1993年をもって刊行終了
    [範囲] 1986年~
    [備考] 「現場レポート」や「新現場紹介」などの記事に、文化財建造物の保存修理事業の現場からの新しい知見や情報がまとめられています。
  • 『国寶・重要文化財建造物修理工事報告書集成』(文生書院 2004-2013)
    [範囲] 1900年~1955年
    [備考] 戦前期に発行された修理工事報告書(全43巻)及び戦後に発行された修理工事報告書(補完6巻)の復刻版です。添付のCD-ROMに図面情報を収録しています。

3-2. 美術工芸品

4. 修理履歴を調べる

修理報告書を調べる際、いつ修理が行われたかという修理の履歴が一つの手がかりになる場合があります。

4-1. 建造物

以下は建造物の修理履歴を調べるためのツールです。

4-2. 美術工芸品

このほか、美術工芸品の修理に携わる団体が修理履歴に関する資料を作成していることがあります。
例えば住友財団は、修理助成を行った文化財のリスト・図録を約10年ごとに発行しています。

2015年度以降の記録は住友財団ウェブサイト外部サイトでも確認できます。

5. 文化財保存・修理と関連する資料

5-1. 修理写真

上記で扱った修理報告書等には修理時の写真が掲載されていますが、それ以外に修理写真等を集成した資料も存在します。

5-2. 現状変更説明

  • 『重要文化財建造物現状変更説明』(奈良文化財研究所 2003-)
    重要文化財の修理の際、復原などの現状変更を行う場合に必要な届出のため、現状変更の内容や経緯をまとめた資料です。

5-3. 図集・設計資料

  • 『国宝・重要文化財(建造物)実測図集』(1967-)
    国宝・重要文化財建造物の実測図面を都道府県ごとに掲載しています。国立国会図書館サーチのキーワード欄に文化財名称を追記して検索すると、掲載巻を特定することができます。
  • 『日本建築史基礎資料集成』(中央公論美術出版 1971-)
    国宝・重要文化財建造物を中心とした重要な建造物について、類型別に調査・研究資料を集成しています。各建造物について写真・図面・解説を掲載しています。全25巻の計画で既刊は14巻です。国立国会図書館サーチでキーワード欄に文化財名称を追記して検索すると、掲載巻を特定することができます。

6. 他機関の所蔵を探す

当館に所蔵が無い報告書でも、各都道府県立図書館や大学図書館等で所蔵している場合があります。国立国会図書館サーチやCiNii Books外部サイトでも2-1.の方法で全国の所蔵を調べることができます。また、多数の報告書を所蔵する代表的な機関として以下があります。

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