国立国会図書館所蔵の内務省交付本
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人文総合情報室 作成
書誌事項末尾の【 】内は当館請求記号です。
1. 内務省交付本(内交本)とは
1875(明治8)年に、納本事務を文部省から内務省へ移管する旨の太政官布告が発布されて以来、1945(昭和20)年の終戦まで、国内で出版された図書は内務省へ納入(納本と呼びます)されていました。
内務省に納本された図書の一部は、帝国図書館に移管され、帝国図書館の蔵書となりました。それらの図書を、内務省交付本(以下、内交本)と呼びます。
帝国図書館で押された受入登録印に、「内務省交付」略して「内交」の文字が見られるものがあります(おもな印影はリサーチ・ナビ「国立国会図書館の蔵書印と受入登録印」>2. 受入登録印など補助印について参照)。
1936(昭和11)年ごろからは、「納本」の印が押されるようになりました。
2. 戦前期の納本制度に関する参考文献
- 岡田温「旧上野図書館の収書方針とその蔵書(国立国会図書館の収書 第二部 歩み・研究)」(『図書館研究シリーズ』5号 1961年12月 pp.199-212 【Z21-127】)
- 小林昌樹「国立国会図書館にない本 内務省納本雑誌との出会い」(『国立国会図書館月報』673号 2017年5月 pp.7-11 【Z21-146】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
- 田中久徳「旧帝国図書館の和雑誌収集をめぐって―「雑誌」メディアと納本制度」(『参考書誌研究』36号 1989年8月 pp.1-21 【Z21-291】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
p.7の表には、新聞紙法(1909年)と出版法(1893年)の納本対象、納本時期、納本先部数があります。 - 桜井保之助「我国の納本制度について(国立国会図書館の収書 第二部 歩み・研究)」(『図書館研究シリーズ』5号 1961年12月 pp.117-135 【Z21-127】)
- 国立国会図書館支部上野図書館 編『帝国図書館年報』(国立国会図書館 1974 【UL214-3】)
東京書籍館、東京府書籍館、東京図書館など国立図書館系列の各年報草案の翻刻です。
各年次に「図書増加表」があり、「文部省交付」、「内務省交付」、「購求」、「寄贈」など(時代によって名称は異なる)、受入手段別の冊数がわかります。