神社を調べる
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人文総合情報室 作成
ここでは、神社の所在地や由緒などが調べられる名鑑、事典などのツールを紹介します。
書誌事項末尾の【 】内は当館請求記号です。
1. 神社名から調べる
1-1. 国立国会図書館サーチ
国立国会図書館サーチのキーワード欄に神社名を入力して検索すると、タイトル、著者、出版者、件名、目次などのいずれかに神社名が含まれる文献を検索できます。
例)キーワード「日吉神社」で検索
→『神戸山王社紀』など ※件名欄に「日吉神社(岐阜県神戸町)」とあり
なお、別称、通称、旧称など複数の名称が存在する場合は、目次などの検索漏れを防ぐため、それぞれ個別に検索します。(例:「多賀大社」と「多賀神社」、「八坂神社」と「祇園社」「感神院」など)。
1-2. 神社名鑑
以下で紹介する神社名鑑のほか、地域別の神社名鑑がある場合もあります。国立国会図書館サーチの絞り込み条件を開き、件名欄を追加して、「神社△都道府県名△名簿」(△はスペース)と入力して検索します。
- 『全国神社名鑒』(全国神社名鑑刊行会史学センター 1977 【HL2-11】)
「著名神社名鑑」で約6,000社の祭神、神紋、社宝、由緒などが調べられます。
「全国神社名鑑」(約84,000社の名簿)、「神宮・元官国幣社の一覧(下巻)」などがあります。 - 『全国著名神社名鑑 : 全国鎮座約二、三〇〇社掲載』(神社新報社 2005 【HL2-H5】)
約2,300社の祭神、例祭日、由緒などが調べられます。
巻末に「全国旧官国幣社・諸国一宮一覧」、「全国神社総目録」があります。 - 教部省 編『特選神名牒』(磯部甲陽堂 1925 【175.2-Ky993t】)(国立国会図書館デジタルコレクション)※複製版【HL61-H179】
『延喜式』所載の式内社について、祭神・神階・祭日・社格・所在などが調べられます。
1-3. 神社事典
以下で紹介する神社事典のほか、地域別の神社事典があります。国立国会図書館サーチの絞り込み条件を開き、件名欄を追加して、「神社△都道府県名△辞書」(△はスペース)と入力して検索します。
- 白井永二, 土岐昌訓 編『神社辞典』(東京堂出版 1979 【HL2-12】)※新装普及版【HL2-G3】
約2,000社を収録しています。
巻末に、概括神社(各地に散在する同名・同系統の神社の一括表記)一覧と都道府県別一覧があります。 - 国学院大学日本文化研究所 編『神道事典』(弘文堂 1994 【HL2-E15】)※縮刷版【HL2-G8】
「神社一覧」(pp.596-694)で、別表神社とおもな単立神社の祭神、例祭日、指定文化財、神事、由緒などが調べられます。 - 安津素彦, 梅田義彦 編集兼監修『神道辭典』(神社新報社 1999 【HL2-H3】)※『神道辞典』【170.33-Si5112】の復刻版
「神宮・(元)官国幣社一覧」(pp.611-623)があります。 - 『神道大辞典』(臨川書店 1981 【HL2-13】)
郷社以上はすべて、村社・無格社は特色のあるものについて掲載しています。官国幣社は社殿配置図も収録しています。 - 薗田稔, 橋本政宣 編『神道史大辞典』(吉川弘文館 2004 【HL2-H2】)
本編の項目はおもに『国史大辞典』から抽出、補訂、採録したものです。
巻末に「官国幣社一覧」、「府県社一覧」、「終戦前の海外神社一覧」、「神社統計表」、「神社規則」があります。 - 矢部善三 著; 千葉琢穂 編著『諸神・神名祭神辞典』(展望社 1991 【HL2-E10】)
「第二部神社祭神辞典」があります。 - 落合偉洲 [ほか]編『全国一宮祭礼記』(新版 おうふう 2004 【YU7-H2286】)
78社の一宮の由緒と祭礼を紹介しています。
巻末に「全国一宮の社名・鎮座地・祭神・年中祭祀要覧」があります。 - 志村有弘, 奥山芳広 編『社寺縁起伝説事典』(戎光祥出版 2009 【HL2-J4】)
社寺の歴史、縁起伝説等が調べられます。神社については422項目収録されています。
1-4. 地名事典
地名事典に神社の所在地や由緒などが掲載されていることがあります。
- 『日本歴史地名大系』(平凡社 1979-2005)
- 『角川日本地名大辞典』(角川書店 1978-1990 【GB11-38】)
1-5. 書誌・文献など
主題書誌や地方史文献で、寺社縁起の有無が確認できる場合や、神社についての記述が見つかる場合があります。
地方史文献については、リサーチ・ナビ「地方史に関する文献を探すには(主題書誌)」を参照してください。当館所蔵の近世以前の寺社縁起については、リサーチ・ナビ「国立国会図書館所蔵江戸期以前寺社縁起関係目録」を参照してください。
- 中野猛 著, 山﨑裕人, 久野俊彦 編『略縁起集の世界 : 論考と全目録』(森話社 2012 【HM111-J146】)
「略縁起集全目録」(pp.179-341)は、全国23機関に所蔵される合綴集約70件から約4,000点の略縁起を分出し、それぞれの標題、内題、刊記などを付して採録しています。そのほか、「『東京市史稿 宗教編』寺社名索引・縁起資料一覧」、「中野猛収集略縁起集目録」(略縁起、本来の縁起、本地物、和歌書を採録)があります。 - 『社寺境内図資料集成』(国立歴史民俗博物館 2001-2002)
境内図を収録しています。
1-6.神社明細帳
明治以降に政府が神社の実態を把握するために作った神社明細帳は、中央官庁(内務省・文部省)と各府県で保管されました。このうち、文部省調査局宗務課が保管していた明細帳については、現在国文学研究資料館に所蔵があります。詳細は、国文学研究資料館ホームページ>電子資料館>収蔵歴史アーカイブズデータベース>【海外その他】>【その他(関係地が複数の資料など)】>「文部省調査局宗務課引継文書」をご参照ください。同資料館所蔵の社寺明細帳(神社明細帳,寺院明細帳,仏堂明細帳などを合わせた総称)の道府県別細目は以下をご参照ください。
- 「社寺明細帳道府県郡都市別残存状況一覧表(史料館所蔵)」(国文学研究資料館史料館 編『社寺明細帳の成立 (史料叢書 ; 7)』(名著出版 2004 【HL51-H13】))
- 文化庁文化部宗務課「行政資料 社寺明細帳について : 国文学研究資料館の所蔵目録」(『宗務時報』121号 2017年3月(文化庁 2017 【Z9-271】))(国立国会図書館デジタルコレクション)※上記の転載
神社明細帳(1879年6月、内務省達乙第31号)を典拠に作成された神社の一覧に『府県郷社明治神社誌料』全3冊(明治神社誌料編纂所 1912 【175.9-M448h】)があります。
国立国会図書館サーチのキーワード欄に、「神社明細帳(または社寺明細帳、神社寺院明細帳など)△地名」(△はスペース)と入力すると、明細帳を検索できることがあります。
1-7.ウェブサイト・データベース
- 神社庁一覧(神社本庁)
各都道府県の神社庁のウェブサイトで検索できる場合があります。 - 新全国神社検索(神社史研究会)
単語、地域、神社名から検索できます。 - 神道・神社史料データベース(古代)(國學院大學)
『延喜式』神名帳に「大社」として記載されている神社、六国史終了時点で神階四位以上に叙されていた神社など古代の神社・約450社が収録されています。 - 神道・神社史料データベース(現代)(國學院大學)
現代神社のうちの旧官国幣社(別格含む)以下、府県社以上の神社、約1500社が収録されています。全地点マップも公開されています。 - 海外神社(跡地)に関するデータベース(神奈川大学 非文字資料研究センター)
海外神社に関する図面・調査表・現状写真と古写真・古絵葉書などを検索できます。 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
国が指定・登録・選定した文化財等を検索できます。神社名で検索すると、写真や時代、構造、簡単な解説などが見られます。
2. 祭神名、神徳(御利益)から調べる
- 梅田義彦 編著『大日本神名辞書』(新訂増補 堀書店 1972 【HL2-7】)
「神宮・官国幣社所祭神代諸系統一覧」(pp.付16-付19)、「官国幣社中祭神又ハ系譜未詳ノ神々」(p.付20)、「官国幣社所祭天皇並ニ皇族」(p.付21)、「官国幣社所祭人臣」(p.付22)、「別格官幣社祭神表」(p.付23)、「神徳一覧」(pp.付64-付70)があります。 - 『全国神社名鑒』(全国神社名鑑刊行会史学センター 1977 【HL2-11】)
下巻に「神徳の一覧」があります。 - 『日本神名辞典』(増補改定 神社新報社 2001 【HL2-H1】)
- 川口謙二 編著『日本神祇由来事典』(柏書房 1993 【HL2-E14】)
「記紀神話の神々」、「民俗の神様・神社」があります。 - 三橋健, 白山芳太郎 編・著『日本神さま事典 新装ワイド版』(大法輪閣 2016 【HK73-L62】)
「生命を産み、育み、護る神々」、「職業・技芸の守護神たち」などがあります。 - 『日本の祭神事典 : 社寺に祀られた郷土ゆかりの人びと』(日外アソシエーツ 2014 【GB12-L13】)
3. 神職を調べるには
3-1. 神社名から調べる
- 『全国神社名鑒』(全国神社名鑑刊行会史学センター 1977 【HL2-11】)
当時の宮司名が調べられます。
3-2. 人名から調べる
- 『戦後神道界の群像』(神社新報社 2016 【HL2-L4】)
1945年8月15日時点に存命かつ2015年3月時点の物故者(一部、要職にある現任含む)の評伝を収録しています。肖像があります。 - 『神道人名辞典』(神社新報社 1986 【HL2-18】)
おもな活躍時期により、「第一篇」(~1945年)、「第二篇」(1945年~)に分けて収録しています。肖像はありません。 - 國學院大學日本文化研究所 編『神道人物研究文献目録』(弘文堂 2000 【HL1-G6】)
1996年までの物故者の略歴と文献を収録しています。 - 国学院大学日本文化研究所 編『神道事典』(弘文堂 1994 【HL2-E15】)※縮刷版【HL2-G8】
「人物」(pp.492-542)に、戦前に活躍した人物を収録しています。一部、肖像があります。 - 安津素彦, 梅田義彦 編集兼監修『神道辭典』(神社新報社 1999 【HL2-H3】)※『神道辞典』【170.33-Si5112】の復刻版
「人名編」(pp.66-135)があります。 - 『神道大辞典』全3巻(臨川書店 1981 【HL2-13】)
著名神官・神職、神道学者(物故者)を収録しています。 - 薗田稔, 橋本政宣 編『神道史大辞典』(吉川弘文館 2004 【HL2-H2】)
神道家、国学者を収録しています。 - 『神社協会雑誌』(複製版 国書刊行会 1984-1985 【Z9-678】)※原資料:『神社協会雑誌』(神社協会事務所 [1902]-[1938] 【雑2-8】、マイクロ【YA-2174】)
神職の叙任・辞令に関する情報が掲載されています。 - 国学関連人物データベース(國學院大學)
慶長年間より明治36年末までに物故した神道家などを検索できます。 - 国立公文書館デジタルアーカイブ
神職の名前で検索すると、神職の叙位等を検索できる場合があります。