寺院を調べる
更新
人文総合情報室 作成
寺院の所在地や由緒などが調べられる名鑑、事典などのツールや、調べ方を紹介します。
書誌事項末尾の【 】内は当館請求記号です。
1. 名鑑・事典
1-1. 全般
- 『全国寺院名鑑』(全日本仏教会寺院名鑑刊行会 1969 【HM2-19】)
「宗派概観」に各宗派事務所の所在地、由緒沿革、教義、本尊・経典など、「寺院名鑑」に本尊、建物、寺宝、由緒沿革など、「全国寺院名簿」に約75,000件の寺院の宗派、所在地を採録しています。アメリカ、カナダ、ブラジルの寺院を含みます。 - 堀由蔵 編『大日本寺院総覧』(明治出版社 1916 【347-42】)
堀由蔵 編『大日本寺院総覧』(名著刊行会 1974 【HM2-10】)※上記の複製版
約71,000件の寺院について、宗派、所在地、沿革(一部)などを採録しています。台湾、朝鮮の寺院を含みます。 - 圭室文雄 編『日本名刹大事典』(雄山閣出版 1992 【HM2-E47】)
約5,000件の寺院について、所在地、宗派、山号、院号、本尊、寺史、江戸期から明治初期の本末帳・明細帳などに記載の石高、古文書、寺宝、参考文献などを採録しています。巻末に宗派別の寺院名索引があります。 - 金岡秀友 編『古寺名刹大辞典』(東京堂出版 1981 【HM2-90】)
約1,050件の古寺・名刹について、宗派、所在地、山号、院号、由緒沿革、宝物、御詠歌などを採録しています。巻頭に都道府県別目録、巻末に参考文献と索引(人名、寺院名、寺院俗称)があります。 - 『日本寺院総鑑 2000年版』(寿企画 2000 【HM2-G58】)
都道府県別の行政区ごとに、約78,000件の寺院について、宗派名、寺院名、住所、本尊名などを採録しています。巻末に「全国仏教系宗教団体数」、「宗派一覧」等があります。由緒の解説はありません。 - 『寺院大鑑』(久遠出版 1994 【HM2-E60】)
都道府県別の行政区ごとに、宗派名、寺院名、住所などを採録しています。別巻に都道府県別の寺院名索引、「宗派の寺院・信者数一覧」、「日本仏教宗派一覧」などがあります。由緒の解説はありません。 - 『市町村区分による全国寺院大鑑』(法蔵館 1991 【HM2-E40】)
都道府県別の行政区ごとに、約80,000件の寺院について、宗派名、寺院名、住所、代表者などを採録しています。別巻に寺院名索引、「仏教関係諸団体一覧」、「都道府県別宗派数一覧」などがあります。由緒の解説はありません。
1-2. 宗派別
国立国会図書館サーチの絞り込み条件を開き、件名欄を追加して「寺院△○○宗」、「○○宗△名簿」、「○○宗△辞書」(△はスペース)などと入力して検索します。
1-3. 地域別
国立国会図書館サーチの絞り込み条件を開き、件名欄を追加して「寺院△○○県」(△はスペース)などと入力して検索します。
そのほか、自治体史や地名事典に記述がある場合があります。自治体史については、リサーチ・ナビ「自治体史を探す」を参照してください。地名事典には、例えば以下のものがあります。
リサーチ・ナビ「日本の地名を調べる」も参考にしてください。
- 『日本歴史地名大系』(平凡社 1979-2005)
- 『角川日本地名大辞典』(角川書店 1978-1990 【GB11-38】)
2. 寺社縁起・本末帳・寺院明細帳
2-1. 寺社縁起
近世以前の寺社縁起で、寺院の草創・沿革や廃寺(現存しない寺院)について調べられることがあります。当館所蔵の近世以前の寺社縁起については、リサーチ・ナビ「国立国会図書館所蔵江戸期以前寺社縁起関係目録」を参照してください。
2-2. 本末帳
本寺・末寺の関係を登録した帳簿で、江戸時代に幕府が諸宗本山に命じて作成させたものです。末寺帳と呼ばれることもあります。
本末帳には以下のものがあります。
- 『江戸幕府寺院本末帳集成』(第2版 雄山閣出版 1999 【HM111-G164】)
本末帳の影印を収録しています。下巻に寺院名索引があります。 - 東京大学史料編纂所 編纂『諸宗末寺帳』(東京大学出版会 1998 【HM111-G131】)
1632(寛永9)年から1633(寛永10)年に各寺院から幕府に提出された本末帳の翻刻を収録しています。下巻に索引があります。国立公文書館デジタルアーカイブでデジタル画像が公開されています。
2-3. 寺院明細帳
明治以降に政府が寺院の実態を把握するために作らせた明細帳のうち、明治3年7月28日の太政官布告により作製が命じられた「本末寺号其外明細帳」は、国立国会図書館が所蔵する『社寺取調類纂』([教部省]【218-1】)に含まれています。
「本末寺号其外明細帳」の記載内容は、本山、所在地、寺名、住職名、境内坪数、檀家数、元朱印地高・反別、徐地山林反別などです。
また、以下の資料に「本末寺号其外明細帳」等の影印が収録されています。
- 圭室文雄 監修・解説『明治初年寺院明細帳』(オンデマンド版 アルヒーフほか 2008-2018)
国立国会図書館所蔵の『社寺取調類纂』([教部省]【218-1】)に収録されている「本末寺号其外明細帳」等の影印を収録しています。各巻末に寺名索引、地名索引があります。
明治12年に調製され、宗教団体法の施行(昭和15年4月1日)までその制度が持続した内務省および文部省所管の「寺院明細帳」は、当館では所蔵していません。
寺院明細帳は中央官庁(内務省・文部省)と各府県で保管されました。このうち、中央官庁で保管されていた寺院明細帳(中央庁本)は、現在、国文学研究資料館が所蔵しています。
詳細は、国文学研究資料館ホームページ>電子資料館>収蔵歴史アーカイブズデータベース>【その他(関係地が複数の資料など)】>「文部省調査局宗務課引継文書 」をご参照ください。