DC-NDL(RDF)フォーマット仕様ver.3.0の主な変更点(予定)
1. 改訂の概要
国立国会図書館サーチが扱うデータの範囲や、連携経路の拡張等に対応するため、データベースの由来情報や、個体情報(dcndl:Item)の項目追加などを行っています。
今回の改訂により、今後、様々な利用形態に応じた情報の格納を容易にすることを目指しています。
本ページでは、改訂の主な変更点をご案内しています。
2. 主な変更点
(1)個体情報(dcndl:Item)の項目拡張
(2)利用条件・権利に関する項目の変更
(3)資料形態に関する情報を記録する項目の追加
(4)関連性を示す情報(関連指示子)の採用開始
(5)データベース情報(メタデータの提供者)に関する情報の拡張
(6)コレクション情報を格納する項目の新設
(7)一部項目での言語属性を示す情報の格納開始
(1)個体情報(dcndl:Item)の項目拡張
書誌情報(dcndl:BibResource)と個体情報(dcndl:Item)の定義を見直し、主に、個体情報(dcndl:Item)の項目拡張を行います。
書誌情報(dcndl:BibResource)は、基本的に利用形態によって変更されない共通的な情報を格納するものとして項目を選定し、利用形態に固有の情報(その資料がどこでどう利用できるかを示す情報)は、個体情報(dcndl:Item)側に寄せるよう検討しました。
これに伴い、次の項目は使用を停止します。
項目名 | 停止後の運用 |
---|---|
デジタル化した出版者 dcndl:digitizedPublisher | dcndl:Item配下で、次の項目を使用 ・dcterms:publisher デジタル化に限らずその利用形態のコンテンツを出版した者を記録する |
デジタル化した日 dcndl:dateDigitized | dcndl:Item配下で、次の項目を使用 ・dcterms:date ・dcterms:issued デジタル化に限らずその利用形態のコンテンツが出版または作成された日付情報を記録する |
参照先:
「メタデータ流通ガイドライン 共通編」>「3-1. 出版者、出版地」
「メタデータ流通ガイドライン 共通編」>「4-1.出版年月日(作成年月日)」
なお、一部項目について、書誌情報(dcndl:BibResource)と個体情報(dcndl:Item)とで重複している場合があります。
また、ドラフト版では一部項目について未実装です。正式公開(2026年4月予定)までに実装します。
(2)利用条件・権利に関する項目の変更
コンテンツやメタデータの利用に関する項目を新設しました。この他の権利情報に関連する項目の出力階層についても検討中です。
項目名 | 記録する階層 | 変更点 |
---|---|---|
二次利用条件(ライセンス情報) dcndl:rights | dcndl:BibAdminResource dcndl:Item | メタデータや対象のコンテンツの利用条件を示す条件を記録する項目として新設 |
アクセス制限 dcterms:accessRights | dcndl:Item | 記録する階層を変更 |
参照先:「メタデータ流通ガイドライン 共通編」>「9.利用条件・権利」
(3)資料形態に関する情報を記録する項目の追加
国立国会図書館サーチやみなサーチで統一的に付与している資料形態や資料種別のため、NDLタイプ語彙を使用します。
ver.2.0 注記 < dcterms:description>資料形態 : デジタル</ dcterms:description>
ver.3.0 NDLタイプ語彙 < dcndl:materialType>デジタル</dcndl:materialType>
参照先:本項目に出力される値
参照先:「メタデータ流通ガイドライン 共通編」>「8.種別・形態」
(4)関連性を示す情報(関連指示子)の採用開始
各項目に記載された情報と、コンテンツとの関係性を示す情報として記録されるメタデータの実績が増えつつあることや、コンテンツの由来を示す目的のため、一部項目について関連性を示す情報の格納を開始します。
・dcterms:creator(著者) 著者、翻訳等の役割を示す語彙を格納
・dcterms:publisher(出版者) 発売、印刷等の情報を注記として格納
・dcndl:holdingAgent(所蔵機関) デジタル化の場合の現物(原資料)やデジタルコンテンツ(デジタル化された画像情報自体)など、何を所蔵している機関なのかの情報を格納
なお、いずれの場合も、連携先のデータで記録されているなど、判明している場合に限り格納されます。国立国会図書館サーチ一律で記録される情報ではない点にご留意ください。
参照先:「メタデータ流通ガイドライン 共通編」>「3-3.所蔵情報」
(5)データベース情報(メタデータの提供者)に関する情報の拡張
dcndl:BibAdminResource(管理情報)配下に、dcterms:provenance(データベースに関する情報)を新設し、データベース名、データベースの提供機関名等の格納を開始します。
なお、dcndl:BibAdminResource(管理情報)配下に記録されたdcndl:rights(二次利用条件)は、当該のデータベース提供機関が定めたメタデータの二次利用条件であることを示します。
また、dcterms:provenance(データベースに関する情報)は繰り返し格納可能です。これにより、IRDB等のアグリゲータを経由して連携される個々のデータベースに関する情報を格納可能となります。
参照先:「メタデータ流通ガイドライン 共通編」>「3-2.メタデータ提供者」
(6)コレクション情報を格納する項目の新設
アイテムの集合体としてのコレクション単位のメタデータ定義として、dcndl:collection(コレクション)を新設します。
参照先:「メタデータ流通ガイドライン 共通編」>「1-3.シリーズタイトル」
(7)一部項目での言語属性を示す情報の格納開始
DC-NDLでは、カナ読みをtranscription(読み)としてタイトルと構造化させる表現を採用しています。そのため、全体的に言語属性を示す項目を格納する改訂は行いません。ただし、以下の一部項目については、元データが言語属性を持つ場合に限り、格納できるよう項目を改訂します。
・dcterms:provenance(データベースに関する情報/データベース名)
・dcndl:alternative(別タイトル)
・dcndl:holdingAgent(所蔵機関/所蔵機関名)
※なお、本改訂は一部項目で試行的に適用を開始するものであり、正式版時に変更または採用を見送る場合があります。