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昭和15年度ニ置ケル予算実行方ニ関スル件

昭和15年3月30日 閣議決定

収載資料:閣議決定書集録 外務省文書 Reel No. S 427 pp.193~194 当館請求記号:憲政資料室

昭和十五年度ニ於ケル一般会計及各特別会計並ニ臨時軍事費追加ノ予算ハ最近ニ於ケル諸般ノ情勢ニ顧ミ其ノ実行上物価、物資、労力、資金等ノ関係ニ細心ノ注意ヲ払フノ要アリト認メラルルニ依リ各省協力シテ左記方針ヲ厳守シ苟クモ国民経済ノ運営ニ悪影響ヲ及ボシ戦時国民生活ノ確保ニ支障ヲ生ゼシムルガ如キコトナキヲ期シ以テ現下緊要ナル事変処理目的ノ達成ニ努メントス

一、予算ノ実行ニ当リテハ施設ノ緩急要否ニ付慎重ナル再検討ヲ遂ゲ極力冗費ヲ節約シ殊ニ情勢ノ変化ニ伴ヒ不要トナルベキ経費ニ付テハ釐毫ノ末ニ至ルマデ之ガ使用ヲ避ケ出来得ル限リ経費ノ不要額ヲ生ゼシムル様努ムルコト
二、新規増加ニ係ル経費ノ使用ハ物価情勢等ニ鑑ミ特ニ慎重ヲ期シ其ノ効率ヲ昂グルニ付予メ慎重熟慮ヲ遂ゲタル上之ヲ使用スルコト
三、物資需給ノ大勢ニ順応シ施設ノ為ニ必要トスル物資ノ全数量ヲ獲得シ得ルノ見込確実ナラザル限リ之ガ着手ヲ見合ハスコト
四、諸般ノ施設ニ要スル人員ノ配備ニ付テハ既存定員ノ利用ニ付更ニ一段ノ工夫ヲ凝ラシ新規増員ノ抑制ニ努ムルコト
五、補助費ニ付テハ成ルベク被補助者側ニ於テ物資、労務等ノ関係上所期ノ効果ヲ挙ゲ得ルコト確実ナル場合ニ非ザレバ指令ヲ発セザルコト
六、支払予算ハ原則トシテ予算定額ノ四分ノ一以内ニ於テ之ヲ調製スルコトトシ歳出義務ノ負担ハ成ルベク右ノ範囲内ニ於テ之ヲ為スコト