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港湾防空緊急対策要綱

昭和18年8月27日 閣議決定

収載資料:国立公文書館所蔵公文別録 89 ゆまに書房 1997.5 310-312 当館請求記号:YC-98

第一 方針
最近ノ情勢判断ニ基キ港湾ノ空襲目標タルベキ公算多大ナルニ鑑ミ主要港湾ニ付防空体制強化確立ヲ図リ之ガ総合的機能ノ発揮ニ努ムルト共ニ特ニ緊急措置ヲ要スベキ重要事項ニ付之ガ強力ナル実施ヲ図ルモノトス
第二 要領
一 主要港湾ノ防空ニ関シ速ニ地方長官ヲ中心トシ総合防空体制ノ確立ヲ図ルト共ニ各港湾ノ特性ニ即応セル諸般ノ防空施設ノ樹立実施ヲ期スルコト
前項ニ伴ヒ本年三月十一日閣議決定港湾行政ノ総合運営体制確立ニ関スル応急措置ノ件ニ基ク指定港湾ノ範囲ヲ防空ニ付拡大シ左記港湾ニ付テモ地方長官ニ関係特別官庁又ハ官吏ニ対シ港湾防空ニ関スル総合運営上ノ指示ヲ為シ得ルコトトスルト共ニ要スレバ地方長官ニ於テ関係庁ト協議ノ上各港湾毎ニ各庁一致、防空ノ有機的運営ヲ為シ得ル如キ現地組織ヲ設置スルコト

小樽、函館、室蘭、青森、八戸、新潟、伏木、敦賀、広島、博多、長崎
(参考、三月十一日閣議決定ニ基ク指定港湾
北九州(門司及八幡附近)、神戸、大阪、名古屋、横浜、東京)
二 速ニ警報発令時ニ於ケル在港船舶、艀舟等ノ分散要領ヲ設定シ以テ船舶及港湾諸施設ノ空襲被害ノ防除並ニ輸送能率ノ低下防止ヲ図ルコト
三 速ニ港湾荷役労務者、港湾関係業者、船員、船客等ノ待避ニ関スル計画ヲ各港湾ニ於ケル当該責任者ヲシテ策定セシメ右計画ニ基キ待避施設ノ設置及必要ナル訓練ヲ為シ置クコト
四 灯火管制下ニ於ケル荷役能率低下ヲ防止スル為各港湾ニ於ケル灯火管制施設ノ完備ヲ図ルト共ニ許容範囲ノ光度ノ最高効率発揮ニ関シ特別ノ工夫訓練ニ努ムルコト
五 港湾ニ於ケル空襲被害ノ復旧ニ関シテハ速ニ水路(航路)、接岸施設、鉄道、倉庫、上屋等ニ付関係庁各々其ノ業務ニ従ヒ予メ復旧計画ヲ策定スルト共ニ所要ノ訓練ヲ重ネ万遺漏ナキヲ期スルコト

備考
本件ノ細目ニ付テハ別添「港湾防空緊急対策」ニ依ルモノトス