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昭和19年度国家資金計画策定ニ関スル件

昭和19年8月4日 閣議決定

収載資料:国家総動員史 資料編 第2 石川準吉著 国家総動員史刊行会 1975 pp.981-982 当館請求記号:AZ-668-5

第一 昭和十九年度国家資金計画ハ物資動員計画其ノ他ノ国家諸計画ニ照応シ戦争当面ノ急需ヲ充足スルニ遺憾ナカラシムルト共ニ資金ノ使用及動員ヲ適正ナラシメ生産ノ計画的遂行ヲ促進シ国民生活ニ不安ナカラシムヲ主旨トシテ之ヲ策定セルモノナリ
第二 而シテ本計画達成ノ成否ハ他ノ国家諸計画ノ円滑ナル遂行ト彼此関連スルモノナルヲ以テ関係各庁協力ノ下ニ強力ニ其ノ実現ヲ期スルモノトシ之ガ為既ニ決定セル事項ノ外特ニ左記事項ノ実施ヲ図ルモノトス
一、財政及産業資金ノ供給又ハ使用ニ当リテハ所要物資及労務ノ配当トノ適合ヲ期スルコトトシ之ガ為配当見込ニ関スル証明等ヲ一層確実ナラシムルコト
二、企業ト金融機関トノ連繋ヲ緊密ナラシムルト共ニ必要ニ応ジ金融機関ノ職員ノ技能ヲ活用スル如ク措置スルコト
右ト関連シ金融機関ノ公的性格ヲ更ニ強化スルコト
三、運転資金ノ供給ニ関シテハ実績ニ依ル統制方式ヲ改メ之ヲ適正ナラシムルコト
四、産業資金供給ノ経路ハ出来得ル限リ之ヲ一元化スル主旨ノ下ニ前金払制度ノ運用ヲ合理化スルコト
五、物価及賃金ニ関スル統制ヲ強化シ特ニ軍官民ノ□□価格(請負ノ場合ヲ含ム)ノ決定ニ当リ適正価格ヲ厳守スルト共ニ自由労務者賃金ヲ適正ナラシムル為ノ措置ヲ講スルコト
右ニ関連シ要スレバ物価政策特ニ現行公定価格及公定賃金ニ付再検討ヲ加フルコト