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青少年団体設置要領

昭和20年9月21日 閣議報告

収載資料:文部行政資料 第1集 文部省 国書刊行会 1997.4 pp.51-54 当館請求記号:CZ-613-G4

一 本旨
(一)地域ニ基盤ヲ置キ郷土愛ノ至情ヲ基調トスル社会生活訓練機関タルコト
(二)戦争終結ノ大詔ノ聖旨ヲ奉体シテ新日本ノ建設ニ邁進シ人類文化ニ寄与シ世界平和ニ貢献スベキ資質ヲ啓培スルコト
(三)青少年ノ自発活動、共励切磋ニ依リ運営シ画一ヲ避ケ地方的特色ヲ発揮スルコト
(四)青年、女子青年及少年夫々別個ニ団体ヲ組織セシメ町村長、教職員、宗教家、其ノ他有識者等先輩ノ指導誘掖ノ下ニ於テ純然タル民間団体トシテ運営スルコト
(五)産業方面ニ対スル活動ハ団体内ノ活動トシテ之ヲ実施スルコト
二 組織
(一)青年団体、女子青年団体並ニ少年団体トモ一町村一団体主義ヲ常例トスルモ一町村内ニ国民学校数校アルトキハ各其ノ通学区域ヲ標準トシテ夫々数団体ヲ設置スルコトヲ得ルコト
団ニ分団及班ヲ置クコト
地域単位ヲ本体トスルモ例外トシテ職域単位ヲ認ムルコト
(二)一町村内ニ青年団体、女子青年団体並ニ少年団体夫々数個団体設置セラレタルトキハ必要ニ応ジ夫々連合体ヲ組織スルヲ得ルコト此ノ場合一律的、形式的ニ連合体ヲ組織セシムルコトナク自然ノ推移ニ委スコト
(三)郡市、都道府県並ニ全国的ノ連合体ノ結成ハコノ際之ヲ企図セズ今後ノ自然的発達ニ委スコト
三 名称
団体ノ名称ニ付テハ独自性ニ基ク呼称ヲ用フルコトトシ、総括的ニハ青年団体、女子青年団体並ニ少年団体ト称スルコト
四 年齢範囲
(一)青年団体員ハ十四歳以上二十五歳マデトスルコト、但シ女子青年団体員ハ概ネ二十五歳以下ノ未婚者トスルコト
少年団体員ハ主トシテ国民学校在籍児童トスルコト
(二)青年団体ノ幹部タル団員ハ三十歳マデトスルコトヲ得ルコト
五 団員ト在籍学校トノ関係
当該年齢者ニシテ団ノ設置区域内ニ居住スル者ハ在籍学校ノ種別ヲ論ゼズ入団スルヲ得ルコト
六 役員
(一)男女青年団体ノ正副団長以下幹部ハ団員中真ニ指導力アル者ヲ以テ之ニ充ツルコト
(二)男女青年団体ノ正副団長ハ顧問会ノ意見ヲ聴キ分団長会ニ於テ之ヲ推挙スルコト
(三)男女青年団体ノ顧問ニハ町村長、学校教職員、宗教家、各種団体長其ノ他町村有識者等ヲ委嘱スルコト
(四)少年団体ノ長ハ学校教職員ヲ以テ之ニ充ツルコト
七 運営上ノ留意事項
特ニ左ノ諸点ニ留意シ組織的教育的ニ計画ヲ樹立シ実施スルコト
(一)国体護持ノ精神ノ昂揚ヲ図ルコト
(二)正シキ世界観、人生観ノ把持ニ力メ共存共栄ノ実ヲ挙グルコト
(三)法ニ遵ヒ責任ヲ重ンジ自立自営、事ニ処スルノ良習ヲ養ヒテ町村自治ノ振興ニ寄与スベキ基礎的訓練ヲ実施スルコト
(四)国民道義ノ昂揚ニ力メ特ニ躾ヲ重ンズルコト
(五)敏速、正確且能率的ニ責務ヲ遂行スル訓練ヲ積マシムルコト
(六)勤労ト教育、家庭生活ト団生活トヲ直結シ平和郷土ノ建設ニ邁進セシムルコト
(七)科学知識ノ普及ヲ図リ創意工夫ヲ奨励シ生活ノ科学化、科学ノ生活化ヲ図ルコト
(八)情操ヲ豊カニシ明朗濶達ナル気風ヲ馴致スルコト
(九)宗教的情操ノ涵養ニ力ムルコト
(十)団員ノ在籍学校ト連繋ヲ密ニシ教育上齟齬スルコトナキヲ期スルコト
(十一)剛健ナル体育ヲ奨励スルト共ニ神社祭祀等ヲ中心トスル郷土和楽ノ実ヲ挙グルコト
(十二)事上錬磨ノ趣旨ニ則リ郷土ノ開発進展上必要ナル具体的事項並ニ新日本建設ノ為国策遂行上必要ナル事項等ヲ実施シテ修練ニ力ムルコト
八 経費
(一)団員ノ団費、寄附金、事業収入等ヲ以テ之ニ充ツルコト
(二)少年団体ニ在リテハ団費ヲ徴集セザルコトヲ原則トスルコト
九 団体設立準備委員会
(一)本要領ニ規定スル男女青年団体ノ顧問ニ就任スベキ資格該当者ハ優秀ナル青年ト協議シテ準備委員会ヲ結成シ成ルベク青年ノ自発創意ニ依リ団ノ設置ヲ図ルコト
教職員ハ特ニ之ガ推進ニ努ムルコト
(二)少年団体ノ設立ニ関シテハ国民学校教職員ニ於テ主トシテ之ヲ斡旋シ適宜有識者、優秀ナル少年ト協議スルコト