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行政整理に関する件

昭和23年5月25日 閣議決定

収載資料:昭和財政史 終戦から講和まで 第17巻 大蔵省財政史室編 東洋経済新報社 1981 pp.1057-1058 当館請求記号:DG15-19

国内経済態勢を整備して外資の導入を容易ならしめ、以て日本経済を復興するためには、経済部門と密接な関係を有する行政部門を先づ能率化する必要がある。この目的を達するため、この際、政府は大体左の要領により、行政事務の整理再編成と機構の簡素合理化を行う。
一、最近の内外の事態の推移に即応して所管行政事務を再検討し、不急不要事務の廃止と行政機構の整理合理化を行う。
二、各省庁、各部局間における権限と事務の重複をできるだけ排除し、統一的な事務の運営と責任の明確化を図る。
三、地方自治の精神に則り、中央官庁の権限はできるだけ地方に委譲するとともに、既存の地方出先官庁は徹底的に整理し、且つ能う限り地方公共団体に統合する。
四、政府各部局における行政事務の運営については、少人数による能率主義を貫徹するとともに、合理的な人員の配置換えを行うものとする。
五、鉄道、逓信等の国営企業その他これに準ずべきものについては、事業の健全な運営を確立する見地より徹底的合理化を行い、以て独立採算制を採らしめるよう措置する。
六、各省各庁(公団、特別調達庁を含む)は前各号に掲げる方針に従い、昭和二十三年四月一目現在における機構及び人員について徹底的検討を行い、速かにその整理案を作成して内閣に提出するものとする。
七、内閣において前号の整理案を検討の上、これを承認したときは原部局にたいし、その旨を通知し、この通知を受けた原部局においては、速かにその整理案に従い予算上及び官制上整理の確定措置を講ずるものとする。
八、前号による確定措置を完了した部局については、昭和二十二年十月十四日閣議決定による政府職員の定員増加及び人員の減耗補充の抑制措置を解除するものとする。
各省各庁は、前項による抑制措置の解除を認められた後といえども、定員の増加は真にやむをえない場合の外はこれを行わないこととし、常に行政運営の能率化について検討を行うものとする。
九、第七号により整理せらるべき職員は、整理措置確定後四ケ月間はこれを定員外として存置することをうるも、その間逐次これを整理する外、その後における減耗補充、配置転換等に充当し、又必要により臨時に他庁の事務に従事せしめることができる。
一〇、本整理による退官退職者にたいしては、別に定める処により特別の給与を支給することができるものとする。