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輸入物資に対する補給金調整に関する件

昭和24年5月25日 閣議決定

収載資料:昭和財政史 終戦から講和まで 第18巻 大蔵省財政史室編 東洋経済新報社 1982 p.331 当館請求記号:DG15-19

為替レート三百六十円の設定による輸入補給金の不足額の調整については補給金の増額によることなく輸入補給金及び安定帯補給金の総額の範囲内において左の要領により措置するものとし、これにより輸入補給金総額は別紙のとおり、一応八百十八億円に止め、既定額に対し若干の留保額を設けることとする。なお本年度内においても今後更に操業度及び需給状況の改善、実質賃金の状況並びに国際価格水準等を総合的に勘案して極力補給金の減額に努めるものとする。
一、左の物資については輸入補給金を削る。
パーム油、骨粉、黄麻、椰子繊維、クラフトパルプ、黒鉛、
二、石炭及び銑鉄については所要の補給金を安定帯補給金の節約額より支出する。これがため、鉄鋼の消費者価格を高次企業の段階において吸収し得る限度まで引上げ、国際価格に近づける等の措置を考慮する。
三、石綿については、現行払下価格を国際正常価格まで引上げるものとし、これに対する輸入補給金を節約する。
四、硫化鉱、工業用加里については、新に所要の輸入補給金を支出する。
五、その他の輸入物資にして既定の輸入補給金の支出対象であるものについては、取りあえず三百六十円レート設定による所要額につき輸入補給金を支出する。
(別紙省略―編者)