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輸入手続要綱案

昭和24年10月29日 閣議決定

収載資料:昭和財政史 終戦から講和まで 第18巻 大蔵省財政史室編 東洋経済新報社 1982 pp.299-300 当館請求記号:DG15-19

一、本手続は原則として、コマーシャル・アカウントによって輸入せられるものに限る。
二、経済安定本部は、通商産業省、其の他関係官庁から輸入要請に関する資料を、外国為替管理委員会から資金の収支見込に関する資料を、通商産業省から貿易協定等海外市場に関する資料を徴し、四半期別の商品別地域別輸入計画及び貿易外計画より成る予算割当計画(以下輸入計画と称する。)案を作成し、輸入委員会に提出する。
三、輸入に関する事項を審議決定するため、経済安定本部に「輸入委員会」(以下委員会と称する。)を設置する。
(1)委員会は、経済安定本部総務長官を委員長とし、経済安定本部貿易局長、通商産業省通商監、大蔵省代表者、農林省代表者及び外国為替管理委員会委員の五人の委員を以て構成し、委員長事故あるときは、経済安定本部貿易局長たる委員その任に当る。委員会の事務局は経済安定本部貿易局を以てこれに充てる。
(2)委員会は左の事項を審議し、これを承認もしくは決定し、又はこれにつき必要な指示を行う。
(イ)輸入計画。
(ロ)輸入計画の追加及び修正。
(ハ)輸入に関する諸法規及び手続の設定及び指示。
(ニ)予算割当の記録の保持に関する規則。
(ホ)予算割当額の二割を超える輸入の承認に関する方針。
(ヘ)輸入先に関する制限の設定及び当初計画と異る地域からの輸入。
(ト)雑品特別輸入の許可に関する規則。
(チ)事前割当制を採用すべき品目。
(リ)特定商品に対する事前割当の計画。
(ヌ)事前割当制の場合における当初計画と異る地域からの輸入。
(ル)船積書類提出前の支払に対する特別許可。
(ヲ)予定受渡期の六十日以前のLC等発行に対する特別許可。
(ワ)六ケ月以上有効な輸入許可に関しての外国為替銀行に対する承認権の附与。
(カ)その他輸入に関する重要事項。
(3)委員会は関係官庁から輸入実績及び資金の状況等、輸入に関する諸報告の徴収をすることができる。
(4)委員会はその権限に属する事項の実施に必要な規則を制定することができる。
四、通商産業省は委員会の決定した商品輸入計画の内容を、随時公表する。
五、委員会はその定める計画及び方策に基き、特定の重要物資につき、個々の事前割当を行わしめることができる。
六、委員会はその定める計画及び方策に従い、輸入計画保留分の枠内において、計画に商品名の掲上されていない輸出用及び重要国内生産に必要な雑品、操業用補助資材、維持用資材等の特別輸入の許可を行わしめることができる。
七、輸入業者は外国為替銀行に対して輸入許可申請をなす。
八、外国為替銀行は外国為替管理委員会にその保有する資金状況を照会の上、輸入許可書を発給する。