Jump to main content

昭和25年度補正予算に伴う税制改正に関する要綱

昭和25年11月23日 閣議決定

収載資料:昭和財政史 終戦から講和まで 第18巻 大蔵省財政史室編 東洋経済新報社 1982 pp.223-224 当館請求記号:DG15-19

昭和二十五年度補正予算に関連し次のとおり税制の改正を行う。
一 所得税
(一)所得税一般の改正は昭和二十六年四月一日から行うこととし、とりあえず、昭和二十六年一月一日から同年三月三十一日までの間の支払に係る給与に対する所得税の源泉徴収について、
(1)基礎控除 年三万円(現行二万五千円)
(2)扶養控除 年一万五千円(現行一万二千円)
(3)税率   課税所得金額
五万円以下の金額   百分の二十(現行同上)
五万円をこえる金額  百分の二十五(現行五万円をこえる金額 百分の二十五
現行八万円をこえる金額 百分の三十)
十万円をこえる金額  百分の三十(現行十万円をこえる金額 百分の三十五
現行十二万円をこえる金額 百分の四十)
十五万円をこえる金額 百分の三十五(現行十五万円をこえる金額 百分の四十五)
二十万円をこえる金額 百分の四十(現行二十万円をこえる金額 百分の五十)
三十万円をこえる金額 百分の四十五(現行五十万円をこえる金額 百分の五十五)
五十万円をこえる金額 百分の五十(現行五十万円をこえる金額 百分の五十五)
百万円をこえる金額  百分の五十五(現行五十万円をこえる金額 百分の五十五)
を基準として、暫定的に軽減を行う特例を設けること。
(二)所得税の申告納税に関し、農業所得者以外の納税者について、確定申告書の提出期限及び確定申告書の提出に因る納付期限を一箇月延長し、二月末日とすること。
二 酒税
昭和二十五年十二月一日から、酒類の小売価格が概ね次のとおりとなるように税率の引き下げを行うとともに、密造の取締りを一層強化すること。
(表省略)
三 物品税
昭和二十六年一月一日から生活必需物品又は事務用品等について課税の廃止、課税最低限の引き上げ等を行うとともに、次のとおり税率の一般的引き下げを行い、あわせて物品相互間の権衡等を考慮して類別の組替えを行うこと。
(一)第一種物品
甲類 百分の五十(現行甲類百分の七十)
乙類 百分の四十(現行乙類百分の六十)
丙類 百分の三十(現行丙類百分の五十)
丁類 百分の二十(現行丁類百分の三十)
戊類 百分の十及び百分の五(現行戊類百分の二十、現行己類百分の十)
(二)第二種物品についても右に準じて引き下げを行うこと。
四 揮発油税
昭和二十六年一月一日から税率を三割五分程度引き下げるとともに、従価税率を従量税率に改めること。
五 砂糖消費税
昭和二十六年一月一日から税率を七割ないし五割程度引き下げること。なお、昭和二十六年四月一目から輸入税に対する免税措置を廃止すること。