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公共事業費の繰上げ実施状況等について

昭和33年9月2日 閣議報告

収載資料:国の予算 昭和34年度 財政調査会編 同友書房 1959 pp.891-93 当館請求記号:344.1-Z11k

(1)さきに公共事業費等の繰上げ措置を実施することとし,大蔵省より関係各省に対し来年度への繰越額を極力圧縮することを目途として事業実施工程の再検討による事業の促進につき具体的検討を要請したところ,この程次のとおり第3四半期までの期間において,相当の促進がはかられる計画となった。

予算現額   第1・四半期から第3
・四半期まで支払計画額
(億円)          (億円)
33年度  2,007     1,622
32年度  1,829     1,202

進ちょく率  第4・四半期支払計画額
(%)        (億円)
33年度  81       385
32年度  66       535

この計数は公共事業関係費,住宅施設費,官庁営繕費,航路標識設置費について集計したものである。
また,文教施設費,厚生施設費についても同様の方針で事業の促進をはかることとなつている。
(2)この計画によれば,33年度第1四半期から第3四半期までの期間における支払計画額は,予算現額の約81%の進捗を示すこととなり,また,32年度の同一期間の支払計画額に対して約420億円の増加となる。
なお,この国費支払計画対前年同期増加額420億円に対応する事業費の増加額は約551億円となるので,これに伴い労務雇用量および資材使用量において前年同期間に比べて相当の増加となる。
(3)上記の計画は,従来工事の実施が相当第4四半期から翌年度までにわたつてずれていることにかんがみ,これを是正して適期に工事を施行することを目途として工事の促進を計画したものであるから,33年度において補正予算の計上を前提とするものではない。
(4)なお,財政投融資の33年度上半期の実行見込額は,2,046億円で,前年同期の実績1,606億円に比べて約440億円の増加であり,財政投融資計画額に対する上半期の進捗比率では,33年度は49.3%で,前年度の39.7%に比べて相当の進捗をみせている。今後も各機関の事業又は貸付の進捗に応じて円滑な資金の供給を行うつもりである。

入力者メモ:出典資料には種別について記載なし。閣議件名目録に登載なし。
日本経済新聞(9.3朝刊)による。