GHQ/FEC, Military History Section, The Reports of General MacArthur

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憲政資料室 作成

資料群名(日本語)

(1) マッカーサー元帥レポート関係文書/(2) マッカーサー元帥レポート図版集

請求記号

(1) ROM/(2) なし

資料形態

(1) マイクロフィッシュ/(2) デジタル画像(国立国会図書館デジタルコレクション

数量

(1) 2,233枚/(2) 5アイテム(526コマ)

主言語

英語, 日本語

主な内容

刊行された"Reports of General MacArthur"の原稿、ゲラ、引用文献の所在情報、引用文献(日本軍関係者への尋問、日本側が作成した戦史等を含む)、図版など。

資料の構成

次の5シリーズからなる。1~4が(1)に、5が(2)に相当する。

1.Drafts and Manuscripts 11ボックス
原稿。
2. Semi-Final Galleys 4ボックス
ゲラ。
3. Historical Source Materials, Source Locators 4ボックス
脚注から引用文献の"4. Source File" 中の所在を特定するための資料。
4. Source File 143ボックス
収集資料。米軍・連合国南西太平洋地域軍等のフィリピン等での戦闘記録や諜報関係のレポートのほかに、以下の日本軍関係の資料がある。
  • 日本軍戦史(Japanese Monographs) 日本語資料
    ※1945年10月2日一般命令第9号「日本の軍事諜報目標」で戦史史料と大本営の公式報告の活用を指示し、これを受けた1945年10月12日付けSCAPIN-126で日本政府に戦史史料編纂のための研究機関を置くことを指示し、1945年12月1日第一復員省大臣官房に史実部、第二復員省大臣官房に史実調査部が設置された。史実部(その後継の復員庁第一復員局史実調査部)及び史実調査部(その後継の復員庁第二復員局資料整理部)は、G-2 からの指令により戦史を編纂刊行して、G-2 の連合国翻訳通訳部(ATIS)に提出した。同部ではそのほとんどを英訳し、本国の陸軍省歴史部(Historical Division)に戦史編纂の資料として送付した。この文書がG-2 歴史部に残されているのは、同部の歴史編纂の資料としたためである。しかし、このマイクロフィルム版では全てはそろっていない。完全ではないがよりそろったものとして、当館では日本軍戦史(憲政資料室所蔵 JAM-1E, JAM-1J)を所蔵している。
  • 日本陸海軍司令官尋問(Interrogations of Japanese Army and Navy Commanders)
    ※マッカーサーのための戦史に日本軍側の対応の記述を加えるために、ウィロビーの指示で開始された、司令官の地位にあった陸海軍の軍人への尋問記録。これは英文の記録のみが残されている。
  • 旧日本軍人・官僚陳述書(Statements of Former Japanese Officials on World War Ⅱ)
    ※目的は「日本陸海軍司令官尋問」と同じ。1947年7月から1950年10月までの間に日本の元陸海軍の幹部・参謀と政府の幹部264人に対して、戦闘の作戦指揮、戦争指導、終戦などについて尋問を行った際の陳述書のATIS による英訳と日本語原版。尋問は歴史部に加わった日本人スタッフの力を借りて行われた。これについては、米国議会図書館所蔵資料を基にして刊行された英訳版のマイクロフィルムがあり、当館では1977年度に購入している(憲政資料室所蔵 YD-128)
5. Illustrations of Reports of General MacArthur 5ボックス
マッカーサー元帥レポート図版集。"Reports of General MacArthur"に使用するために用意された視覚的資料である。戦況地図、戦後の日本の状況を捉えた写真、戦争画等がある。同書に使用されなかった図版等のほか、ウィロビーなどによる文書なども含む。この資料はマイクロ撮影による収集ではなく、スキャニングによるデジタル画像で収集した。国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できる。
旧蔵機関名

GHQ/FEC, Military History Section

歴史

米太平洋陸軍総司令部G-2 歴史部(G2 Historical Section, GHQ/AFPAC)(1947年から極東軍総司令部(GHQ/FEC)に改編)は、1946年秋からマッカーサーのための南西太平洋地域の戦史の編纂をはじめた。マッカーサーのための戦史の編纂は、もともと1942年からG-3 のニーダープルエム大佐(William J. Niederpruem)のグループが着手し、1945年末から1946年初頭にはすでに原稿を仕上げていたが、それを読んだマッカーサーも、参謀長サザーランドも気に入らず、1946年秋からG-2 部長C.ウィロビーの直接指導の下にG-2 で書き直すことになった。
1950年に"Reports of General MacArthur"として完成したが、これにもマッカーサーは難色を示し、公表されなかった。刊行は、マッカーサーの死後の1966年に米国政府印刷庁(Government Printing Office: GPO)から"Reports of General MacArthur" (下掲「関連文献」参照)として行われた。
歴史部では、戦史に日本軍側の対応の記述を加えるため、ウィロビーの指示で、1947年の早い時期から司令官の地位にあった日本軍人の尋問を開始し、さらに1947年夏には元東京帝国大学経済学部教授 荒木光太郎・光子夫妻、有末精三、河辺虎四郎、服部卓四郎、大前敏一らの元軍人を歴史部のスタッフに加えた。歴史部のスタッフの数は、最も多いときには、約80人にも上ったという。同部は、1951年6月には極東軍総司令部戦史部(Military History Section)に改編された。
なお、メリーランド大学図書館のプランゲ文庫で知られるゴードン・W・プランゲ(Gordon W. Prange)は、文官の修史官(Historian)として1946年10月からG-2歴史部に勤務し、1949年6月~1951年6月歴史部長、1951年6月から1951年8月に帰国するまで戦史部長代行をつとめた。プランゲは、後年、ウィロビーからの求めに応じて当時の同部の元同僚への電話による事実関係の確認と自身の記憶・記録に基づいた同部の活動について報告している(1965.12.1付けウィロビー宛書簡(「マッカーサー記念館所蔵 チャールズ・ウィロビー文書」(憲政資料室所蔵 MMA-5) Reel No.19 所収))。

原所蔵機関

(1)は、当館がマイクロフィルムに撮影した当時には、米国国立公文書館のRG331にあったが、その後RG338、RG496、さらにRG554に移管された。
(2)はRG331にある。名称は「The MacArthur Histories Collection of Organizational Charts, Maps and Graphs, Posters, Photographs, Paintings, and Engravings relating to World War II and post-war activities in the Southwest Pacific Area and Japan」。

受入

(1) 当館では、米国国立公文書館(NARA)でマイクロフィルムに撮影し、作成したマイクロフィッシュを1993年度に受け入れた。/(2) デジタル画像は2013年8月に公開。

検索手段
関連資料
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