記事・論文の探し方

記事や論文を検索する際の基本的な方法についてご紹介します。

1. 雑誌と雑誌記事・論文

1-1. 雑誌と雑誌記事・論文の違い

雑誌を探す場合と、雑誌の中にある記事や論文を探す場合では、調べ方が異なります。

欲しい記事や論文の書誌事項 (雑誌名、何年何月号、ページなど)はわかっていて、閲覧するためにその記事や論文が載っている号を所蔵する図書館を探したい、
といった場合は、雑誌を探すことになります。

一方、欲しい記事や論文のタイトルは分かっているがどこに掲載されているかわからない(雑誌名や号数がわからない)、
あるテーマに関する雑誌記事や論文を広く検索したい、
といった場合は、記事・論文を探すことになります。

雑誌を探す場合、
国立国会図書館所蔵の雑誌の情報は、国立国会図書館サーチで確認することができます。
その雑誌のうち何年何月号を所蔵しているかも、国立国会図書館サーチで確認できます。
※刊行年が古く欠けている号が多い雑誌や、洋雑誌では、所蔵状況が一部登録されていない場合もあります。

記事・論文を探す場合、
国立国会図書館所蔵の雑誌記事や論文の情報は、雑誌によって、国立国会図書館サーチをはじめとする各種データベースに登録されている場合と、されていない場合があります。
記事・論文名で見つからない場合は、雑誌名からも検索することをおすすめします。

1-2. 雑誌の巻号表記と掲載箇所

通常、著作などに参考文献として雑誌記事などを挙げる場合、雑誌記事の掲載箇所が分かるように表記されます。書きかたは様々ですが、著者名、記事名、雑誌名、巻号、掲載ページなどが書かれることが多いです。巻号の表記方法は雑誌により様々ですが、以下が代表的な例です。

  • X年Y月号
    週刊誌など日付まで入ることもあります。●年夏号(4か月に1回発行)、●●年版(1年に1回刊行)などもあります。
  • X巻Y号
    雑誌の巻号を示しています。巻数(号数)などと記載することもあります。
    雑誌によりつけ方は異なりますが、たとえば、2000年が1巻1号から1巻12号まで、2001年が2巻1号から2巻12号までのようになります。
    学術誌などでは、ページ数が巻を通して付されていることもあります(1巻1号が1-100ページ、1巻2号が200-300ページ、など)。
  • X号
    1号から通しで号数が付されています(通号)。

なお、「2-2. 他機関のウェブサービスで検索する」「2-3. 有料データベースで検索する」などの方法で見つけた論文を、国立国会図書館サーチや公共・大学図書館のOPAC(オンライン目録)で探す場合には、多くの場合、論文名ではなく『雑誌名』で検索し、該当する「巻号(号数)」があるか確認することが有益です。
「論文名」は、国立国会図書館サーチやOPACに入力されていない場合があります。

書誌事項の例

著者名 記事名 雑誌名 108(3) 185-187 2014-03
『雑誌名』の108巻3号(2014年3月号)のpp.185-187に掲載がある雑誌記事です。

2. 雑誌記事・論文

雑誌記事や論文を調査するためのおもなツールについてご紹介します。

2-1. 国立国会図書館のウェブサービスで検索する

雑誌記事や論文、本などの目次データを確認できるウェブサービスで主なものは以下のとおりです。
ただし、すべての雑誌の記事論文、本などの目次データが検索できるわけではありません。

国立国会図書館サーチ

国立国会図書館で利用できる資料のタイトル等のほか、雑誌記事索引情報、目次データ、国立国会図書館デジタルコレクションに収録している目次データ、他機関作成の雑誌記事・新聞記事データ等を広く検索できます。
なお、国立国会図書館サーチでは、初期設定では記事・論文は巻号に結び付いた形で表示されます。記事単位での検索結果を表示したい場合は、検索項目の資料種別内にある、「雑誌記事等」にチェックを入れて検索してください。
国立国会図書館サーチでの記事・論文の探し方について、詳しくは国立国会図書館サーチのヘルプをご覧ください。

国立国会図書館デジタルコレクション

当館で収集・保存しているさまざまなデジタル資料を検索・閲覧できるウェブサイトです。
収録資料の多くには目次データや記事情報が付けられており、国立国会図書館サーチでも検索することができます。
また、多くの資料はOCR(機械による文字認識)によって全文テキストデータが付与されており、全文検索ができます。

リサーチ・ナビ「テーマ別検索」

さまざまなテーマごとに目次や内容を検索できる機能を提供しています。

2-2. 他機関のウェブサービスで検索する

  • 発行元のウェブサイト
    近年刊行された資料の場合、発行元のウェブサイトで目次を公開していることがあります。また、公共機関や研究所などの出版物の場合、本文までインターネットで公開されている場合もあります。
  • 東京都立図書館 蔵書検索Leave the NDL website.
    論文集などについて内容細目・内容紹介が検索できることがあります。
  • Cinii ResearchLeave the NDL website. (国立情報学研究所)
    学術論文情報を検索の対象とする論文データベース・サービスです。本文までインターネットで読める論文もあります。
  • J-STAGELeave the NDL website. (科学技術振興機構)
    日本国内の科学技術情報のデータベースです。電子ジャーナルを中心に、予稿集・要旨集、報告書、JST報告書を収録しており、
    「フリー」の表示があるものは本文が閲覧できます。
  • Google ScholarLeave the NDL website.
    Googleの提供する検索サービスです。論文、学術誌、出版物などの検索ができます。
  • GoogleブックスLeave the NDL website.
    Googleの提供する書籍情報の検索サービスです。書籍内の全文を対象に検索を行なうことができます。書籍によっては全文が閲覧できます。
  • Fujisan.co.jpLeave the NDL website. (株式会社富士山マガジンサービス)
    近年刊行された雑誌の目次の多くを確認できます。

2-3. 有料データベースで検索する

雑誌記事を検索できる有料データベースは多数存在します。本文まで読める場合もあります。
国立国会図書館では、雑誌記事を集めたデータベース、分野別データベースなどを契約しており、来館すると検索・閲覧できます。
また、お近くの図書館で各種有料データベースを契約していれば、そこで利用することもできます。データベース導入状況・利用の可否については、各機関に直接お問い合わせください。

当館で利用できる有料データベースの例

  • 医中誌WebLeave the NDL website. (当館契約のデータベース:館内限定)
    国内医学文献の抄録・索引データベースです。抄録誌『医学中央雑誌』に掲載されている情報を収録しています。
    1959年以降に発行された約5,000誌以上のデータを検索できます。
  • 大宅壮一文庫 雑誌記事索引Web版(当館契約のデータベース:館内限定)
    大宅壮一文庫が所蔵する週刊誌、総合月刊誌、女性誌、経済誌、専門誌などの雑誌記事索引データベースです。
    1988年以降の約320万件を収録しています。フリーワード検索、人名検索、件名項目検索などが可能です。
  • 雑誌記事索引集成データベースLeave the NDL website. (当館契約のデータベース:館内限定)
    日本(旧植民地を含む)で発行された全国誌、地方誌の雑誌記事索引データべースです。明治初期から現代までの1,000万件以上を収録しています。
  • JDreamIIILeave the NDL website. (当館契約のデータベース:館内限定)
    科学技術文献の抄録・索引データベースです。1975年以降の科学技術分野、及び1981年以降の医学分野の文献情報を検索できます。
  • ScienceDirectLeave the NDL website. (当館契約のデータベース:館内限定)
    Elsevier Science社が提供する科学論文コレクション(電子ジャーナル)です。一部全文が見られないものもあります。電子ブックの書誌情報や抄録も利用できます。
  • ProQuest CentralLeave the NDL website. (当館契約のデータベース:館内限定)
    人文科学、社会科学、自然科学等の複数のデータベースを統合した総合データベースです。抄録・索引等の文献情報が利用できます。
  • Web of ScienceLeave the NDL website. (当館契約のデータベース:館内限定)
    科学技術分野(1900年~)、社会科学分野(1900年~)及び人文科学分野(1975年~)の主要な学術雑誌に掲載された文献の書誌・引用文献情報、1990年以降の世界の重要会議、シンポジウム、セミナー等で発行された会議録の情報を収録しています。引用文献から被引用文献を調べることもできます。
  • Wiley Online Library Core CollectionLeave the NDL website. (当館契約のデータベース:館内限定)
    Wiley社が提供する、医学、理工学、人文社会学各分野の電子ジャーナルコレクションです。1600誌以上を収録し、そのうち約200誌の全文を、またそれ以外のタイトルについては書誌情報や抄録を利用できます。

※このほかにもデータベースを契約しています。利用できるおもなデータベースの一覧は、主なデータベース(東京本館)電子情報提供サービス(関西館)をご参照ください。

3. 博士論文

国立国会図書館では、国内の博士論文を収集・保存しています。国立国会図書館デジタルコレクションに収録されているものもあります。利用方法など詳しくはリサーチ・ナビ記事「国内博士論文」をご参照ください。

海外の博士論文等については、リサーチ・ナビのカテゴリ「博士論文」の各記事をご参照ください。

4. 新聞と新聞記事

新聞を探す場合と、新聞の中にある記事を探す場合では、調べ方が異なります。

新聞を探す場合、
国立国会図書館所蔵の新聞は、国立国会図書館サーチで検索することができます。

新聞記事を探す場合、
国立国会図書館サーチでは、新聞記事の検索はできません。なお、新しい新聞記事は、インターネット上で無料で公開されていることがあります。以下のリサーチ・ナビ記事を参考にしてください。

また、各新聞社等が、新聞記事を検索できるデータベースを作成している場合があります。
国立国会図書館の場合、館内で国内の大手新聞(読売、朝日、日経、毎日、産経、中日・東京)の記事検索データベースを提供しています。記事検索データベースでは、タイトルや本文中に検索語が含まれる記事を検索・閲覧することができます。
※時期により本文までは検索できない場合があります。またデータベースに含まれていない期間もあります。
提供しているデータベースは以下のとおりです。利用方法については、リサーチ・ナビ記事「新聞記事データベースの使い方」をご参照ください。

  • 読売新聞:ヨミダス歴史館(当館契約のデータベース:館内限定)
  • 朝日新聞:朝日新聞クロスサーチ(当館契約のデータベース:館内限定)
  • 日本経済新聞:日経テレコン21(当館契約のデータベース:館内限定)
  • 毎日新聞:毎索(当館契約のデータベース:館内限定)
  • 産経新聞:産経新聞データベース(産経電子版)(当館契約のデータベース:館内限定)
  • 中日新聞・東京新聞:中日新聞・東京新聞記事データベース(当館契約のデータベース:館内限定)

また、海外の新聞記事についても、以下のようなデータベースで検索可能です。

なお、国内のスポーツ新聞や地方紙、業界新聞についても記事検索ができるデータベースが存在しますが、国立国会図書館では契約しておらず、利用できません。
国立国会図書館以外の大学図書館・公共図書館等でも、新聞データベースを契約していることがあります。データベース導入状況・利用の可否については、各機関に直接お問い合わせください。

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