諸外国の憲法裁判所
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議会官庁資料室 作成
このページでは、憲法裁判所について簡単に説明した後、憲法裁判所を有する代表的な国の制度概要及び当館所蔵資料等を解説したページへのリンクを提供します。
違憲審査制
憲法裁判所とは、違憲審査を行う機関です。
違憲審査とは、主に法律・命令および国家行為が憲法に適合するか否かを、特定の国家機関(主に裁判所)が審査し、憲法違反の法律・命令および国家行為を無効としてそれを除去する制度のことです。
こうした制度は、人権保障および憲法保障を目的とします。
違憲審査制の2つの類型
違憲審査制は、司法裁判所型と憲法裁判所型に分かれます。
- 司法裁判所型
民事・刑事・行政の裁判を行う通常の司法裁判所が、係属した具体的な訴訟事件の審理判断に付随して、事件解決のための前提として当該事件に適用される法令の合憲性を審査する型を指します。
通常の裁判所が主体となることから、「司法裁判所型」と呼ばれます(アメリカ型・非集中型・前提問題型とも呼ばれることもあります)。
この違憲審査制の目的は私人の権利保護であり、当該事件に限り判決の効力が及び、国家機関全体を拘束しません。
日本は司法裁判所型を採用しています。
- 憲法裁判所型
司法裁判所を含む他の権力機関から独立し、憲法判断を行うために特別に設置された憲法裁判所が、具体的事件と関係なく、一般的かつ抽象的に法令そのものの合憲性を審査する型を指します。
こうした裁判所は、「憲法裁判所型」と呼ばれます(ドイツ型・集中型・主要問題型とも呼ばれることもあります)。
この違憲審査制の目的は憲法保障(憲法秩序の維持)であり、その判決が国家機関の全てを拘束する一般的効力を持ちます。
主に、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン等の欧州諸国や中南米諸国で採用されています。
憲法裁判所は、主に次の2つの機能を有します。
- 抽象的規範統制
具体的な事件を前提にしないで、憲法裁判所が法令等の違憲審査を行う制度。
- 具体的規範統制
他の裁判所に係属した事件について、憲法裁判所がその事件に適用される法令等の違憲審査のみを行う制度。
なお、憲法裁判所における具体的規範統制は、違憲審査のみを行う点で同裁判所の抽象的規範統制と共通し、具体的事件を前提とする点で司法裁判所型の機能に近似します。
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