中国の地図(1912年-1945年)
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アジア情報室 作成
ここでは、中華民国期(1912年-1945年)に作成された地図について紹介します。歴史地図については、調べ方案内「中華人民共和国の地図(地図帳・種類別)」の歴史地図の項を参照してください。
(【 】内は当館請求記号です。)
1. 当館所蔵資料
1-1. 地形図
1-1-1. 冊子体
- 『中国大陸五万分の一地図集成』(科学書院 1986-1998 【YP7-129】)
1926年~1945年に旧陸軍参謀本部陸地測量部が測量・製版した5万分の1地形図(正式の地形図に先立つ略図も含む)を原寸で製版したものです。
別冊の索引として『中国大陸五万分の一地図集成.索引図』【YP7-129】、『中国大陸五万分の一地図集成総合索引』(改訂・増補版)【G62-H2】があります。 - 『中国大陸二万五千分の一地図集成』(科学書院 1989-1993 【YP7-143】)
20世紀初頭から1945年までに旧陸軍参謀本部陸地測量部が測量・製版した2万5千分の1地形図(正式の地形図に先立つ略図も含む)を原寸で製版したものです。
別冊の索引として『中国大陸二万五千分の一地図集成.索引図』【YP7-143】があります。 - 『中国大陸地図総合索引. 1』(科学書院 2002 【G62-H3】)
上の『中国大陸五万分の一地図集成』、『中国大陸二万五千分の一地図集成』、『旧満州五万分の一地図集成』に収録されている地図について、その対象地域を整理した索引です。
1-1-2. 一枚もの地図(外邦図)
当館ではいわゆる「外邦図」と呼ばれる一枚ものの地形図などを所蔵しています。
「外邦図」とは陸地測量部(現在の国土地理院に該当)や日本の関係機関が、満州や中国、アジア、太平洋地域等を対象地域とした地図や測量につけた言葉です。台湾、朝鮮、樺太のいわゆる外地とよばれた地域についても多数の地図が作成されていました。現在ではそれら旧外地の地図も含めて「外邦図」と呼ばれることが多いです。
東京本館地図室で閲覧可能です。
当館が所蔵する図幅、発行年、請求記号などについては「外邦図(中国、香港)」をご参照ください。
また、国立国会図書館サーチの詳細検索で「地図」を選択して検索することで、対象を一枚ものの地図に限定した検索を行うことができます。
1-1-3. 参考文献
外邦図など中国の地形図の歴史については以下の資料があります。
外邦図については、調べ方案内「外邦図(一覧)」もご参照ください。
- 鈴木純子 著『地図資料概説 : 国立国会図書館所蔵資料を中心に』(国立国会図書館 1996 【ME61-G11】【ME61-G13】)
「第2章(5)外邦図」(pp.48-52)に解説があります。 - 測量・地図百年史編集委員会 編『測量・地図百年史』(国土地理院 1970 【ME51-3】)
「第4編外邦図」(pp.437-495)に「第6章中国」(pp.479-482)、「第7章蒙古」(pp.483-484)などが掲載されています。
なお、日本統治期(1895~1945年)に作成された台湾の地図については、調べ方案内「台湾の地図(日本統治期)」「外邦図(台湾)」をご参照ください。
1-2. 都市地図
- 地図資料編纂会 編『近代中国都市地図集成』(柏書房 1986 【YP7-130】)目次
北京、大連、台北など主要35都市の1920年代から1930年代までの市街図を収録しています。 - 地図資料編纂会 編『中国商工地図集成』(柏書房 1992 【YP7-158】)目次
1929年~1936年の中国東北部、台湾の主要都市及び日本人の多く居住していた地域などの大日本職業別明細図(大日本職業別明細図については、調べ方案内「大日本職業別明細図(商工地図)」をご参照ください)を復刻集成しています。 - 中川浩一 編『近代アジア・アフリカ都市地図集成』(柏書房 1996 【YP7-167】)
廈門、煙台、営口、広州、瀋陽、上海、蘇州、汕頭、大連、丹頭、済南、吉林、長春、青島、鉄嶺、天津、南京、哈爾濱、漢口、抗州、福州、北京、遼陽、旅順、高雄、台北、香港の1910年代と1920年代の都市地図がそれぞれ収録されています。
なお、旧満州の都市地図については、調べ方案内「旧満州の都市地図1 総論」をご参照ください。
1-3. その他
- 交通部郵政總局 編『中華民國郵政輿圖』(交通部邮政总局 1936 【DK321-C3】)
郵便局や電報局など郵政に関係する施設が設置されている地名とその間の距離を記載した地図です。巻末に地名索引があります。 - 商務印書館編譯所 編纂『中國新輿圖』(商务印书馆 1913 【G71-C10】)
分省地図、内外蒙古、青海西蔵の地図が掲載されています。
2. 他機関所蔵資料
- 外邦図デジタルアーカイブ(東北大学附属図書館)
東北大学等が所蔵する外邦図の目録データ及び画像を公開しています。 - 布目潮渢, 松田孝一 編『中国本土地図目録 -- 増補版』(東方書店 1987 【G62-25】)
お茶の水女子大学文教育学部地理学研究室、国立国会図書館、京都大学人文科学研究所、同大学文学部地理学研究室、同大学東南アジア研究センター、東京大学総合研究資料館、大阪大学文学部東洋史学研究室、東洋文庫所蔵の地図が検索できる総合目録です。
2万5千分の1、5万分の1、10万分の1、20万分の1の民国期(1912~1949年)の中国大陸地図の総合目録です。 - 『発展途上地域地図目録 : アジア経済研究所所蔵. 第1巻』(アジア経済研究所 1990 【G62-E9】)
1950年から1990年3月までにアジア経済研究所が収集したアジア地域の地図を収録しています。 - 『東京大学総合研究資料館所蔵地図目録. 第1部 国外篇』(東京大学総合研究資料館 1983 【G62-22】)
日本を除く海外の地図を収録。中国については清代以降の約6,000枚の地図を収録しています。 - 北京圖書館善本特藏部輿圖組 編『輿圖要録 : 北京圖書館藏6827種中外文古舊地圖目録』(北京图书馆出版社 1997 【G62-C3】)
中国国家図書館(旧北京図書館)で所蔵する1949年発行以前の中国語の地図6,348種、日本語、欧米言語の地図479種を収録しています。
世界各国の地図、清代以前の中国の古地図、民国期(1912~1949年)の中国の地図が収録されています。 - 中央研究院近代史研究所档案館編目室 編『近史所档案館藏中外地圖目録彙編』(中央研究院近代史研究所 1991 【G62-C1】)
台湾の中央研究院近代史研究所档案館が所蔵している1949年以前に作成された中国・台湾などの地図の目録です。主に民国期の地図が収録されています。 - 陈熙 编著『美国哈佛大学图书馆藏中国古旧地图提要 = An annotated bibliography of the Chinese maps in the Harvard University Library』 (广西师范大学出版社 2022 【G62-C7】)
ハーバード大学図書館が所蔵する、1949年以前に出版された中国の地図及び中国に関連する地図1,218点を収録しています。 - 田中和子, 木津祐子, 谷井陽子 編『北京地図目録 = Catalogue of Beijing Maps : 清代から民国期に作成された北京図』 (丸善出版 2020 【G62-M2】)
中国内外の機関が所蔵する、17世紀以降の清代から20世紀前半の民国期に作成された北京の地図748種の情報を、既存の地図目録やオンラインカタログから収集して採録しています。収録地図には、市街図や行政区域図のほか、図面類、河川、路程、観光案内等が含まれています。
このほか、古地図が閲覧できる他機関のデジタルアーカイブなどについては、AsiaLinks「地名・地図 : 中国・香港・マカオ・台湾」の「古地図」の項もご参照ください。