街道の地図を探す
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地図室 作成
当館が所蔵する、街道(江戸時代以前)の地図に関する資料から、主なものをご紹介します。
【 】内は当館請求記号です。
国立国会図書館サーチで検索する場合、「タイトル」や「出版者」等の欄は「絞り込み条件」を開くと表示されます。
1. 国立国会図書館の所蔵
1-1.江戸時代に編纂された地図(復刻版含む)
五街道分間延絵図(児玉幸多 監修 東京美術 1976-2008)
寛政12(1800)年~文化3(1806)年に幕府の命令により作成された「五海道其外分間延絵図並見取絵図」を復刻収録し、解説を付けた資料です。日本橋を起点とする五街道(東海道・中山道・甲州街道・日光街道・奥州街道)の他、多くの脇街道も含んでいます。絵図には1里=7尺2寸(約1800分1)の縮尺で測量された街道とともに、沿道の石高、里程、宿場の各施設などが記入されています。
- 東海道分間延絵図 1~24巻 【YP6-22】
- 中山道分間延絵図 1~20巻 【YP6-38】
- 甲州道中分間延絵図 1~9巻 【YP6-44】
- 日光道中分間延絵図 1~5巻 【YP6-86】
- 日光御成道分間延絵図 1~3巻 【YP6-96】
- 日光道中壬生通分間延絵図 1~2巻 【YP6-109】
- 日光御廻道見取絵図 1巻 【YP6-116】
- 奥州道中分間延絵図 1~3巻 【YP6-145】
その他、脇街道については、国立国会図書館サーチのキーワード欄に「五街道分間延絵図」、出版者欄に「東京美術」と入力して検索してください。
伊能図
19世紀初めに測量・作成された伊能図には、海岸線と主な街道などが精密に記されています。多くの復刻版がありますので、詳しくはリサーチ・ナビ「伊能図」のページを参照してください。
古典籍資料
一例として、以下のような街道の絵図があります。
- 『従江戸伏見迄木曽路中山道東海道絵図』(写, [寛文8 (1668)] 【寄別12-9】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
- 『東西海陸之圖』(西田勝兵衛 寛文12 [1672]【ぬ二-23】) (国立国会図書館デジタルコレクション)
- 『江戸長崎間道中繪圖 2巻』([出版者不明],[1---].【ん-180】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
- 遠近道印 著, 菱川師宣 画『東海道分間絵図』(板木屋七郎兵衛, 元禄3 [1690] 序 【寄別5-4-3-6イ】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
- 『江戸より奥州津輕迄道筋之圖』([写] [1—])【本別13-11】(国立国会図書館デジタルコレクション)
- 『大日本國東山道陸奥州驛路圖』5巻. ([写] [1—]【亥二-182】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
1-2.街道について調査した資料
歴史の道調査報告書
文化庁は昭和53(1978)年度から、各都道府県教育委員会の協力のもと「歴史の道」調査・整備事業を行っています。その報告書に、街道の歴史や文化財の調査結果とともに、地図も収録されている場合が多くあります。
国立国会図書館サーチのタイトル欄に「歴史の道調査報告書」と入力し、キーワード欄で街道名をかけ合わせて検索してください。
文化庁の関連サイト(文化庁選定「歴史の道百選」)では、平成8(1996)年、令和元(2019)年に「歴史の道百選」として選定された街道について、道全体のルート及び選定箇所を示した地図が公開されています。
例)
- 『歴史の道調査報告書. 1 (熊野街道)』(三重県教育委員会 1981.3 【DK7-178】) (国立国会図書館デジタルコレクション:図書館・個人送信)
- 『山形県歴史の道調査報告書. [2] (奥の細道 1)』(山形県教育委員会 1979.3 【DK7-145】)(国立国会図書館デジタルコレクション:館内限定)
- 『歴史の道調査報告書集成』(海路書院 2005~2008 【GB53-H4】ほか)
歴史の道調査報告書の一部を集成したもの。全21巻
各自治体の県史・市史など
県史や市史などで、各自治体に関わる街道についての史料が含まれていることがあります。国立国会図書館サーチで「○○県史」「○○市史」「○○区史」等で探してください。
「自治体史を探す」のページもご参照ください。
例)
- 『愛媛県史 近世 下』(愛媛県 1987.2 【GC252-47】)(国立国会図書館デジタルコレクション:図書館・個人送信)
p.205~「第五節 交通の発達」の中にp.211「近世伊予の主要街道」の図を掲載。
1-3.街道の地図についての辞典・参考図書等
『街道アトラス : 歴史の道をたどる日本地図帳』(平凡社 2024.3 【DK7-R14】)人文総合情報室・地図室開架
全国各地の主要な街道を現代の地図に重ねた地図と、各街道の解説を掲載。東海道と中山道については各宿場の解説、名所案内も収録されています。『太陽コレクション「地図江戸・明治・現代」』(平凡社 1977.2~1977.12 【G67-20】) (国立国会図書館デジタルコレクション:図書館・個人送信)
1 江戸・東海道
2 京都・大阪・山陽道
3 西海道・南海道・九州・沖縄・四国
4 中山道・奥州道
江戸時代、明治時代、現代の地図を比較対照できるように掲載し、名所の解説や各種関連地図も収録されています。古代交通研究会 編『日本古代道路事典』(八木書店 2004.5 【DK7-H84】)人文総合情報室開架
畿内、七道、宮都にみえる古代道路について、発掘調査研究の成果を中心に解説しています。『地図でみる西日本の古代 : 律令制下の陸海交通・条里・史跡』(平凡社 2009.5 【YP5-J88】)
『地図でみる東日本の古代 : 律令制下の陸海交通・条里・史跡』(平凡社 2012.10 【YP5-J146】)
人文総合情報室開架
奈良、平安時代等の古代の道路、海路が、明治以降の5万分1地形図上に図示されています。
1-4.実際に歩くためのガイドマップ
実際に歩くため、または街道をたどる旅をするため、現代の地図に旧街道を図示し解説を掲載した資料が出版されていますが、件名等を付与せず簡略に整理されている場合も多く、網羅的に検索するのは困難です。国立国会図書館サーチのキーワード欄で、「○○街道」や「歩く(歩ける、歩いて)」「てくてく」「ウォーク」「ウォーキング」等の検索語を組み合わせた検索が有効です。
なお、資料種別は地図に限らず、図書の場合もあります。下記は一例です。
地図資料の例)
- 『ウォークマップホントに歩く東海道 第1集 (日本橋-保土ヶ谷)』(風人社 2015.2 (2刷) 【YG35-Z-605】)
- 『群馬県の歴史の道 街道を歩く(群馬県歴史の道シリーズ ; 1)』(群馬県教育委員会 [2019] 【YG37-1754】)
図書資料の例)
- 八木牧夫 著『ちゃんと歩ける日光御成道 日光例幣使街道 日光壬生通り』(山と溪谷社 2024.12 【Y77-R658】)
- 『塩の道ウォーキング』(静岡新聞社 2000.12 【Y77-G7326】)
2.資料の利用方法
国立国会図書館サーチで検索対象を「国立国会図書館」のみ選択し、上記各項目に記載の方法で検索してください。
上記1で紹介した資料は、ほとんどのものが「図書」として整理されています。「資料種別」で「地図」のみを選択すると、一枚ものの地図に絞られてしまうため、ヒットしにくくなります。
江戸時代以前に印刷または書写された原資料に絞って探したい場合は「資料種別」で「和古書・漢籍」のみを選択してください。古典籍資料の原資料の閲覧は許可制です。詳しくは「古典籍資料室の利用案内」をご覧ください。
3.関連サイト
- 東京国立博物館 画像検索
五海道其外分間絵図並見取絵図 - 文化庁選定「歴史の道百選」(文化庁)
- 道の歴史(国土交通省)
「Ⅲ.近世の道」の「五街道」の項に「主要街道概要図」が掲載されています。 - 五街道・歴史街道を活かしたまちづくりに関する調査(平成21年)(国土交通省)
- 旧街道の紹介(歴史街道)(国土交通省関東地方整備局)