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戦前のレコード会社・発行状況を調べる

戦前期(主に昭和期)のレコード会社やレコード発行状況を調べるための参考資料を主に紹介します。販売目録については<レコード会社販売目録>のページの3.戦前 会社別所蔵表(総目録)をご参照ください。
【 】内は当館請求記号です。所蔵状況については国立国会図書館サーチでご確認ください。

1. 発行状況等

1.1 統計類

昭和9(1934)年7月に出版法施行規則(昭和7年内務省令第17号)が施行され、レコードを発行するものは、レコード及びその解説書の他に発行者の名称やレコードの発行年月日等を内務大臣へ事前に届出することになりました。届出書の内容が取りまとめられた資料や内務省以外の統計資料を紹介します。

  • 出版警察報』(内務省警保局 月刊 【YA-1171】)※マイクロ資料
  • 出版警察報』(不二出版ほか 【Z21-1169】)※複製版
     製作所別の発行状況、レコード名(レーベル)一覧、新譜発行枚数等のほか、検閲の結果、発売頒布禁止とされたレコードの一覧が記載されています。
     国立公文書館デジタルアーカイブLeave the NDL website. で本文画像を確認できます。昭和9(1934)年71号から「蓄音機「レコード」の発行状況及取締状況」の項目が設けられています。
  • 内務省警保局『出版警察概観 3(昭和9・10年)』(竜渓書舎 1981 【AZ-614-8】)※複製版(国立国会図書館デジタルコレクション)
     月単位の『出版警察報』を年単位でまとめたものです。
     国立公文書館デジタルアーカイブLeave the NDL website. で本文画像を確認できます。
     ※出版警察関係資料については<戦前期の出版物統計>のページの2-3をご参照ください。
  • 蓄音機レコード製作所並發行所明細表 昭和13年末現在』(内務省警保局圖書課 [1938] 【D4-J169】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
     全国のレコード製作所、所在地、レコード名(レーベル)、1年間(昭和13(1938)年7月1日から昭和14(1939)年6月末日)の製作所別のレコード制作総枚数、売上総枚数が記載されています。
  • 『工場統計表』【14.8-49イ、505.9-N964kほか】『工業統計表』【796-166、R505.9-Tu783k2ウほか】
     当時の商工省による統計です。蓄音器「レコード」は「生産額(生産品目別 道府県別)」の「化学工業」に昭和4年から掲載されています。各年版に、直近10年分のレコードの生産枚数と価額が掲載されています。一般社団法人日本レコード協会の 「音楽ソフト 種類別生産数量推移 種類別数量(1929年~)Leave the NDL website. 」の値は、この統計を元にしていると推測されます。

1.2 概況・その他

  • 東京音楽協会『音楽年鑑』【629-23、KD151-G2ほか】
     年によって異なりますが、レコード会社、レーベル、価格等が記載されています。(年によって収録されていない場合があります。また、出版者も異なる場合もあります。)
  • 岡庄五『最近に於けるレコード界の趨勢』(日本文化協会 昭11 談話叢書;第2【715-83】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
     日本ビクター文藝部長を務めた岡庄五の講演録です。当時のレコード業界、レコード製造方法についても解説しています。
  • 小川近五郎『流行歌と世相 : 事変下に於ける歌謡の使命』(日本警察新聞社 1941 【KD841-387】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
     「序」に昭和9(1934)年から10(1935)年の1ヶ月の平均レコード発行枚数が記載されています。
     本文中(p.87)でヒット曲の売り上げ枚数に触れられている箇所があり、巻末にレコード時代の流行歌の一覧があります。
  • レコード世界社『レコード音楽技芸家銘鑑 昭和15年版』(レコード世界社 1940 【特233-192】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
     口絵に各レコード会社の全景写真のほか、「六大蓄音器会社沿革及現勢」、「レコード吹込所一覧」の項目があります。
  • 山口亀之助『レコード文化発達史 第1巻』(録音文献協会 昭11【706-12】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
     蓄音機およびレコードについての沿革を記しています。

2.社史・協会史

コロムビアについては<戦前のレコード会社販売目録-「コロムビア」->、ビクターについては<戦前のレコード会社販売目録-「ビクター」->のページをご参照ください。

3.その他

  • 「関西発レコード120年(埋もれた音と歴史)」(『神戸新聞』1997年1月1日~1998年3月10日【YB-32】)※マイクロ資料
     全8部からなる連載記事です。レコード史や関西のレコードレーベルについても紹介しています。
  • 東京藝術大学附属図書館『戦前期レコード音楽雑誌記事索引』(日外アソシエーツ 2017.1 【KD1-L25】)
     大正から戦前期に刊行された7誌『音楽と蓄音器』(『音楽と蓄音機』に改題)、『ザ・グラモヒル』(『ディスク』に改題)、『蓄音器と教育』、『名曲』(『レコード音楽』に改題)、『レコード』、『レコード世界』、『レコード文化』の記事索引です。山口亀之助による『レコード』に連載された「日本レコード産業発達史」等が確認できます。
  • 生明俊雄『二〇世紀日本レコード産業史 : グローバル企業の進攻と市場の発展』(勁草書房 2016 【DL731-L201】)
     明治後期から日本のレコード産業の発展についての記載があります。
  • レコードの一世紀・年表』(沖積舎 1980 【KD355-9】)(国立国会図書館デジタルコレクション)

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