海晏寺
建長3(1251)年北条時頼開基。後、蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)を開山とし、慶長元(1596)年天叟慶存(てんそうけいそん)再興。宗派は、もとは臨済宗であったが、再興の際、曹洞宗に転じた。本尊は、建長3(1251)年、門前の海で捕獲された大鮫の腹から見つかった観音像。観世音菩薩が住む山名「補陀落(ふだらく)(サンスクリット語Potala-ka)」にちなんで、山号は「補陀落山」。寺の名称は、「世の中が安らかで穏やか」という意味の「四海安平(しかいあんぺい)」に依る。桜の名所でもあるが、寺の後方の台地一帯に植えられた楓の紅葉の美しさは、端唄「海晏寺」で、秋を掌る神龍田姫や新吉原の遊女(太夫)高雄の美しさも及ばないと唄われたほど有名であった。岩倉具視、松平春嶽(まつだいらしゅんがく)など歴史的著名人の墓がある。
錦絵・絵画等
江戸名勝図会 海晏寺
海案寺紅葉
江戸自慢三十六興 海案寺紅葉
その他の資料
- 補陀山海晏寺(本文) 『江戸名所図会 7巻』(1834)
- 海晏寺(挿絵) 『江戸名所図会 7巻』(1834)
- 海晏寺 紅葉見之図(挿絵) 『江戸名所図会 7巻』(1834)